2016 August

平成28年8月26日

Aug 25. 2016 かごしまんまだより

【汗と涙の青唐辛子】
先日は吉田自然農園さん提供の青唐辛子の商品ページ作成をしました。その中で唐辛子醤油(青唐辛子の醤油漬)を作ってみました。作りながら「かごしまんまの野菜・食材を食べるようになってホント色々なものを手作りするようになったなあ」としみじみ思いました。青唐辛子なんて、千葉にいた頃は自分で調理しようなんて発想は皆無。大好きな生活クラブ(添加物や農薬をなるべく使わない宅配生協)で加工品を買えばいい、と思っていました。
ところが311を境に、私の中で添加物や農薬以上に『産地』が非常に重要な基準になってしまいました。チェルノブイリ関係の本を読んだりインターネットで情報収集したりすればするほど、これからとんでもないことになっていくのではないかと感じました。スーパーをはしごし、生活クラブだけでなくいくつもの宅配のカタログを時間かけて読んで食材をかき集める生活。でも周囲はなんにも気にしていない・・・。気が狂いそうでした。絶望を感じていきました。
移住してかごしまんまを立ち上げ、添加物や農薬の少ない九州食材だけを食べるようになってからは、いつのまにか手作りをたくさんするようになっていました。最初は納得のいく市販品がなく必要にかられての手作りでした。でも作ってみると案外簡単で、しかも自分で手作りした方が断然美味しくて安くできることがわかりました。例えば『なめ茸』や『海苔佃煮』。これらは千葉にいた頃は市販の瓶詰を買っていたものです。自分で作る、という発想自体がありませんでした。でも311以降は、えのきも海苔も産地が怖くてお店で探し回っても添加物まで考えると安心できるものが全然ありません。そんなとき、お客さんからツイッターで「かごしまんまの歯ごたえシャキシャキえのきでなめ茸作ってみたらメチャクチャ美味しかったです~♪」という報告を頂きました。「えっ?!作れるの?すごい!」びっくりして自分でも作ってみました。初めて作ったなめ茸や海苔佃煮は驚くほど簡単で美味しく、感動すら覚えました(鍋になめ茸(または乾き海苔)と醤油とみりんと砂糖とかつお粉末を入れてかき混ぜながら煮込むだけ)。
その瞬間から、311に対する食の絶望は、私の中で『食への喜び』へと変わっていきました。
昔は料理といいますと母から習ったりレシピ本を買ったりしたものでしたが、今はインターネットで検索すれば簡単なレシピもすぐにたくさん出てくるいい時代です。旬の野菜を活かし、基本の食材や調味料を豊富に揃え、難しい手作りではなく忙しい日々の中で無理せずできる手作りを続ける、そういう食が中心になりました。するとおうちでのごはんが一番美味しくなり、スーパーや外食には行かなくなって余計な絶望感を味わうこともなくなりました。
同じ思いで食材の買物に苦しんでいる人達の役に立ちたくて立ち上げたかごしまんまでしたが、私もまたかごしまんまとお客さんに救われてきました。本当に、本当に、本当にありがとうございます!
南国九州の野菜や食材は、都会ではなかなか目にしないものもあって慣れが必要ですが、少しでもお役にたてるように願いと感謝の意を込めて、これからも簡単な手作りごはんをツイートにUPしていきますね。
青唐辛子の撮影をしながらそんなことを思い、汗と涙が出てきました。きっと青唐辛子のカプサイシンのせいでしょう。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成28年8月19日

Aug 18. 2016 かごしまんまだより

【素敵な吉田自然農園さん】
みなさん、お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか。
我が家は恒例のキャンプをしました。食材のほぼ全てをかごしまんまでまかなえる、というのは本当にストレスフリーでした。特に肉類はトレーがないのでゴミも少なくて便利でしたね~。餅も焼き肉と一緒に焼けて便利でした。しかし真夏の南国鹿児島でやごろう豚の焼き肉セット1kgを焚き火台で炭火を満載にしてやる焼き肉は、なかなか過酷で苦行でした(笑)。あまりの暑さと熱さに半分しか食べられませんでした。暑すぎて寝袋もとうとう1回も使わずじまいでした。
また、久しぶりに行った歯医者さんに入った途端、パンドォルさん(かごしまんまパンを作ってくださる)と吉田自然農園さんに立て続けにお会いして「なんなんだ今日は・・・?」とびっくりさせられるお盆最終日を過ごしたりえしです。いくら田舎の鹿屋市にだって歯医者くらいはたくさんあるんですよ。世の中は狭すぎます!

うだるような暑さの鹿児島ですが、今年は吉田自然農園さんの野菜が元気です。今週と来週の2週連続でなんと3品種づつ野菜セットに入る(予定)です。今週はツルムラサキ、バジル、モロヘイヤ。来週はツルムラサキ、モロヘイヤ、エンサイ(空芯菜のこと)が入れられるとのこと。頼もしいですね~嬉しいですね~。
えっ?そんな珍しい名前のお野菜は知らない?大丈夫です。野菜セット内容イラストにレシピをお付けします。また、かごしまんまの野菜は新鮮で農薬をあまり使っていないので野菜自体に力があるので、大概はゆでるか炒めるか味噌汁か天ぷらにするだけで超美味しい1品が出来上がりますヨ。
無・減農薬栽培を頑張る生産者さんにもパターンがありまして、大きくわけて
①絶対ムシをいれないぞ!
②ムシと共存するぞ!
③ムシがつかない野菜をつくるぞ!
の3パターンなのですが、吉田自然農園さんは③の『ムシがつかない野菜を作るぞ』派なので、おのずと珍しい野菜が多くなってきます。でもとっても美味しいんですよ。どうぞその味の濃さと美味しさにびっくりしてください。しかしその吉田自然農園さんをもっと悩ませるのは、猿やイノシシやタヌキです。羽を痛めたカラスを、羽を吊って大切に保護・飼育している吉田さん。吉田さんにとっては畑を荒らす憎き害獣も大切な命ある生き物です。罠や銃で殺すことは絶対にしたくありません。畑ごとに犬をつないで飼って、動物が来ないように工夫をしていますがなかなか根本策はありません・・・。農薬をなるべく使わずに農業をやりつつ自然と共存することは、実際にやってみるととんでもなく大変な事なのです。吉田さんに心から感謝ですね。
余談ですが、吉田自然農園さんはお母さんと息子さんのお二人でやってらっしゃるのですが、息子さんは仙人みたいな髪型で、なんと昭和47年製のトラックに野菜を載せてやってきます。車も、ある一定レベルをも超えた古さで現役ですとむしろ味が出てかっこよく見えるんです。歯医者さんでもしっかり目立っていました。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成28年8月9日

Aug 17. 2016 かごしまんまだより

【いつのまにか高級野菜になってしまったトウモロコシやトマト】
1つの野菜を作るには、収穫するまでに2ヵ月から半年くらいかかります。この間に病気や虫や梅雨や台風や霜などの様々な試練を乗り越えて収穫にこぎつけるわけです。生産者さんの収入は収穫の時にしかありませんので、一般的な生産者さんはなんとか収穫できるように農薬を使って病気や虫を防いだり、ハウスやマルチなどの設備を作ったりします。農薬をなるべく使わない生産者さんは、あまり農薬を使わないでもいい品種を栽培したり、病害虫の天敵を畑に投入したり酢等を使用します。それでも、梅雨の長雨や台風や霜などで一気に畑ごと全滅して収入が0になってしまうこともしばしばあります。ですから収穫できないリスクが高い品種は、どの生産者さんも作らなくなっていきます。
夏野菜の代表格であるトマトは意外にも高温・多湿に弱くて、栽培中に支柱を立てたり水分量を調整するためにシートを張ったりと作業量も多いので大変な上に、病原菌にもやられやすいので無農薬・減農薬で大量生産するのは本当に大変で、真夏の鹿児島ではなかなか生産されません。
トウモロコシは甘くておいしいので、細菌や虫や野生動物(タヌキ等)も大好き。大量生産するには農薬を使わないのは困難です。そして動物対策はネットや柵や電流柵など大がかりな仕掛けが必要です。このネットや柵を作るも大変ですし、人間もネットが邪魔で管理や収穫が大変。またせっかく苦労してそれらを作っても、トウモロコシは背が高いので台風や豪雨で倒れてしまいます。苦労して収入0では作りたくなくなりますね。
そうして生産者はだんだんと、つくりやすく、売れやすく、収益が出やすい品種にシフトしていきます。
ニラはあまり虫が付かないので比較的農薬を使わない栽培が可能ですが、葉先が黄色く変色しやすく、綺麗な緑色で折り目やキズがないまっすぐな葉とそうでない葉を選別して束ねていく作業が非常に大変な割にはあまり高い値がつかないので、鹿児島ではニラ農家さんはめったにいません。ズッキーニも雨に弱いので生産者さんがあまりいません。
また、受粉作業が必要な野菜は敬遠されます。農業は若い人がやりたがらないのでどんどん高齢化が進んでいるからです。(ミツバチが昔のようにたくさんいたら腰に負担のかかる受粉作業は必要ないかもしれません。)
昔は、家に帰ればゆでトウモロコシがテーブル上のお皿に山になっていたものです。トマトもたくさん食べた記憶があります。今では全国的にトウモロコシは高く珍しいものになりつつあります。トマトも果物並みのお値段になっていますね。これら作りにくい野菜の生産者さんが年々減少している証のような気がします。
TPPの波が迫る今、海外産の安くてきれいで遺伝子組み換えのトマトやトウモロコシがスーパーを席巻する日は遠くないと思います。もちろん現在でもスーパーにある安くてきれいな大量生産のトウモロコシやトマトは農薬を多量使用していると容易に想像できます。そうでないと収穫できないし売れないし収益が出ないから。
どんどん、日本の農業が衰退していくのを肌で感じます。「きれいで安い野菜を買う」人が圧倒的多数の日本では、虫がいたり穴が開いていたり曲がっていたりキズがあったりシミがあったりする本当に安心で美味しい野菜を作る生産者さんはどんどんいなくなってしまうことでしょう。自然の中で育つ野菜は、きれいには育たず、気候や環境・状況によって変化するのが当たり前なのに・・・。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成28年8月2日

Aug 1. 2016 かごしまんまだより

【かごしまんま災害等支援活動基金の中間収支報告】
みなさんからの寄付金の総額は7月26日時点で104万円にも達しました。
神様からお預かりした大切なお金と思い、今日まで活動してきています。
7月26日時点での収支報告を全てできるだけ詳細に記述し、かごしまんまのHPに掲載しました。
(かごしまんまHP⇒ブログ⇒かごしまんまのつれづれ⇒かごしまんま災害等支援活動基金 収支報告 参照)
直接行動して被災地の皆さんに直接届く支援を目指して、手探りでスタートしました。
被災地を廻るうち、公的な避難所では支援物資の差し入れ等を公的な方々から沢山おことわりされたので(当時は公的機関に全国からの支援物資が溢れている状況)、避難所に物資を運ぶことはやめました。震災直後は公的なボランティア団体は形ばかりであまり機能していませんでした。公的な方々や機関とは距離を置いて活動することに決めました。しかし初めての支援活動でどうしたらいいのかわかりません。現地にご迷惑をかけたら元も子もありません。そこで、支援活動に慣れている民間のボランティア団体のサポートにまわることに決めました。
民間ボランティア団体はこれまで多くの災害地で活動してきているので動きが迅速で本当に感動しました。
かごしまんま基金では、震災直後の物不足・食糧不足の頃はボランティアさんたちの為の炊き出しをし、落ち着いてからは民間ボランティア団体ではすぐに買うことができないものを鹿児島で購入したりやインターネットで注文したりして届けました。民間ボランティア団体をこのように支援することで、無理をすることなく、被災地の方々への直接的で必要な支援が迅速にできたと感じます。
かごしまんまのある鹿屋市から熊本市・益城町へは往復400kmで、高速道路を使用しても移動だけで8時間かかります。支援活動は無理なく継続することが大切だと考え、現地入りする日の交通費・食事等の諸経費は全て基金から支出することにしました。そうすることで金銭的にも精神的にも身体的にも負担がかからず、毎回積極的な気持ちで行くことができます。震災直後は道路状況が混乱していて夜遅くまで帰れずに近隣のホテルに宿泊しました。夜明け前に出発して帰宅が夜遅くなる日にご飯を作らないで済むのは本当に助かりました。
もう熊本震災に関する報道はほとんどなくなりましたが、益城町をはじめまだまだ現地は震災直後とあまり変わらぬ風景です。避難生活を余儀なくされている方も多く、各民間ボランティア団体も作業を続ける日々です。
これからも無理なく意欲的に継続的な活動を続けていきます。ご支援くださる方もどうぞ無理なくお願いします。
『かごしまんま災害等支援活動基金』
ゆうちょ銀行口座  記号17840  番号30541631
ゆうちょ銀行  店名 七八八  店番 788  預金種目 普通預金   口座番号 3054163

【お盆休み】
8月11日~8月16日は弊社お盆休みとなります。
お盆前最終発送日は8月9日(火)、お盆明け初回発送日は8月19日(金)です。8月19日発送分の締切は8月9日13時となります。定期便ご利用の方で、ダブル野菜セットへの変更や休止・発送日変更・発送先変更等のご希望も承ります。各発送日の締切前までにご連絡下さいますようお願いします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江