【台風の爪あと その後】
先日の台風16号は鹿児島各地にけっこうな被害をもたらしました。
かごしまんま災害等支援活動基金から、今回の台風や停電で甚大な被害を受けた生産者さんに1万円のお見舞金をお渡しさせて頂きました。皆様、本当にありがとうございました。生産者さんにお客さんの応援の声を伝えることができました。
鹿児島ではあまりに風が強すぎて木々がたくさん倒れた結果、ひっかかった電線が切れてあちこちで停電しました。停電が2日経っても続いているので、復旧のめどを聞こうと九州電力に電話しても全くつながりません。直接九電の鹿屋支社に出向いてみると、同じようにイライラした人々でいっぱいになっていて、九電の人が「電線があちこちで切れていて原因も復旧のめども全く分からない状況です」と説明していました。
どのくらい木々が倒れてしまったかといいますと、流木が鹿児島湾岸を埋め尽くしてしまい、垂水フェリーが数日間欠航したほどです。
高隈山系にある吉田自然農園さんは悲惨でした。畑の野菜がめちゃめちゃになったのは言うまでもなく、土砂崩れと倒木で電線が切れて唯一の山道がふさがってしまい、家から車で外出できない上にライフラインが断たれて数日間過ごしました。吉田さんは井戸水を利用していたので、水を汲み上げるモーターが停電で動かないため水も電気もない過酷な数日間でした。先週末に「やっと山道も通れるようになって電気も復旧した!」という喜びの報告メールが来ましたのでお見舞金を持って訪ねてみると、山道は木々が倒れて電線がぶら下がったまま、土砂崩れも修復されていないままで、まだとても安心できる状況ではありませんでした。お見舞金は「本当にありがたい。農場に必要なものを購入して大切に使いたい」とのことでした。
ゴーヤの棚が全てなぎ倒され、車庫も破壊されてしまった井之上養豚さんは、お見舞金を持参した時には肩を落とされてましたが、お見舞金とお客さんの激励メッセージに涙ぐんでおりました。
停電が何日も復旧せず、ギリギリまで肉類を保冷剤や保冷車で守っていた新村畜産さんは発送日当日に「大丈夫かとは思うが、もし万が一、品質に何かあってはいけない」と決断し、肉類の納品を諦めて全て廃棄処分にしました。お見舞金をお渡しすると店長さんやスタッフさんみんながびっくりし、そして喜んで感謝されていました。
ぐるめ畑さんの鹿屋のビニールハウスは台風で骨組みから折れたり壊れたりして全滅だったので、圃場の野菜は全てダメになりました。また種まきや植付けから始めるので今後1か月はぐるめ畑さんの葉物類はおあずけです。
お見舞金について、ぐるめ畑さんは「どうお礼をしたらいいのかわかりません。本当に感謝します」と仰っていました。
台風があまりにすごかったので鹿児島の野菜は今、スーパーの店頭にほとんどありません。店頭にある野菜はキュウリやナス、新生姜、福岡産の小松菜、大分・熊本産のトマト、あとは本州産や北海道産の野菜で、どの野菜も非常に高騰しています。もう少ししたら鹿屋市近郊のキャベツが出てくるのですが・・・。
しばらくは野菜セットのラインナップが100%満足いくものではないかもしれませんが、現状の鹿児島県産・九州産の野菜でできるかぎり品質の良いものをご提供しますのでどうぞよろしくお願いします。先週も今週も苦肉の策でカイワレ大根やみかんを野菜セットに入れております。本当に本当にすみません!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。
平成28年9月27日
Edit by 山下 理江