平成28年10月18日

Oct 17. 2016 かごしまんまだより

【目を育てる】
舌を育てる話、鼻を育てる話ときましたので今回のテーマは『食材を選ぶ目』です。
すみません、今回はいつもより増して暑苦しく長い文章になってしまいました。

『ホントの良い野菜・果実の選び方』
普通はシャキシャキしているかとか色形が良いかとかが野菜を選ぶ基準だと思いますが、ホントの安心安全を求めるなら視点はちょっと違ってきます(複雑になってしまうのでここでは産地の話はないと仮定しますね)。
まずスーパー等の大型店舗では買わないようにします。できれば道の駅や生産者直売所のようなところで購入します。なぜならスーパー等の大量仕入れ店舗の野菜の多くは市場からで、重視されるのは『規格と価格』だからです。形と色と大きさの基準が細かく決められており、規格外の野菜は市場では良い値がつきません。虫の穴があったり形が変だったり曲がっていたり大きかったり小さかったりする野菜はB品C品として安くたたかれてしまいます。『農薬や化学肥料の使用頻度』は全くといっていいほど問われません(もちろん放射能は1ミクロンも気にされていません)。
おのずと市場へ野菜を卸す生産者さんは、市場のニーズに合わせてキレイで均一な品質の安い野菜を作るようになっていきます(←つまり農薬や化学肥料を大量使用)。
ホントの安心野菜の選び方はこうです。
葉物は大量に虫の穴があったり虫がいたり、キュウリやオクラは曲がっていたりシミやキズの跡があったりするといいです。虫の穴が開いていたり虫がいたりすることは減農薬の証ですし、野菜が曲がるのは虫や菌類からの傷を治すときに身をよじるからで、これも減農薬の証です。梅やミカン・金柑等の木になる果実も、土の中にいる大根やニンジンも、表皮にシミやキズの跡がたくさんあるものがいいです。
自然の中で育つのに、安全な無菌環境・虫排除なんて無理な話です。殺菌剤などの農薬を散布されて表面の菌類や虫が殺され寄せ付けられないでいるからキレイな見た目の野菜や果実になるのです。
レンコンは泥付で汚い色をしているのが漂白液や酢などの添加をしていない証です。米や小麦粉や小豆も虫が混入しているようなものはむしろ安心安全で減農薬の証であったりします(気持ち悪いですけれどね)。
つまり、野菜・果物は見た目が悪くて虫がいたりするくらいの方が減農薬栽培で安心できるものなのだ、ということです。その上で、鮮度が高いものを選ぶといいと思います。
輸入モノでキレイな野菜や果実も薬漬けの危険がかなり高いです。何日もかけて農場からはるばる日本へ『キレイな状態のまま』やってくることはとても不自然です。日本のイチゴの旬は冬。夏でもケーキ屋さんのショートケーキにキレイなイチゴが載っているのはとてもとても不自然なことなのです。

『騙されない食品表示の見方』
『原材料』の中でよく見る、果糖ぶどう糖液糖・植物油・醤油・アミノ酸・乳化剤・シュガーレス(またはカロリーオフ)という表示は安心そうな雰囲気を醸し出していますが、実は違います。
実は日本はGM作物の消費量が世界第1位と言われています。しかしながら私達は『遺伝子組み換え(GM)でない』という表示を目にすることは多いですが、『遺伝子組み換えである』という表示を見ることはまずありません。ではいったいGMはどこへ行っているのでしょうか?例えばジュース類や缶コーヒー等に含まれる果糖ぶどう糖液糖。この原料のトウモロコシのほとんどはアメリカのGMです。植物油の原料になる大豆や菜種も表示義務がないのでほとんどGMです。醤油の原料の大豆も表示義務がないので加工食品に使われる業務用醤油のほとんどはGM。畜産業の安い輸入飼料もGMです。
GM作物は遺伝子を人工的操作する点でも怖いですが、他の植物が死滅するような強い農薬をかけても枯れない点が非常に怖いです。つまりGMとはかなり農薬まみれな作物なのです。だからなるべく避けたいものであるはずなのに、なぜか日本では『遺伝子組み換えでない』というアピール表示はたくさん見るのに、実際にGMが原料の食材は国の方針で巧妙に表示義務がないものになって私達の口に入ってきています。
例えばポテトチップスの食品表示に『馬鈴薯(遺伝子組み換えでない)、植物油、醤油、アミノ酸』とあります。芋がGMでなくて安心しても、実は植物油と醤油はGMでアミノ酸は化学調味料というふうに、消費者側に知識がないとどんどん身体に悪いものを取りこんでいってしまうような食品表示が日本の食品の実態です。
『アミノ酸』という表示はなんだか栄養素的なイメージを消費者に抱かせますが、実はこれはグルタミン酸ナトリウムで味の素の主成分である人工的な旨味調味料です。
お菓子やパンや缶コーヒーやマーガリン等、挙げたらきりがないくらい多くの食品に入っている『乳化剤』は、『乳』という字からソフトなイメージや乳製品を連想しがちですが違います。油と水のような混ざりにくい2つの物質の表面の性質を変えて混ざりやすくする添加物で、『界面活性剤』と呼ばれる人工的な化学物質です。
チョコレート等に入っている『レシチン』(大豆由来と記載されている)も乳化剤で、しかもこの大豆のほとんどはアメリカ産、つまりGMです。
ね?私達はGMや人工的物質をたくさん食べているでしょう?
『シュガーレス』や『カロリーオフ』の表示も女性には優しい食材・飲料と思われがちですが違います。アスパルテームやステビアという人工甘味料が入っていることがほとんど。これら人工甘味料の危険性はネットで検索すればたくさん出てきます。そして健康を守るべきお医者さんで処方される小児用の甘いお薬には、砂糖ではなくほとんどこの人口甘味料が入っているのです。
・・・だんだん腹が立ってきましたね。このくらいでやめましょう(笑)。

かごしまんまの商品もこれらの添加物が入っているものがあります。完全に除去した完璧な食材だけを商品にしていきますと、全てが高額になって日常食材ではなくなってしまいますし、そもそもそういう完璧な食材は皆無ですし放射能も含め食品の安全基準は人それぞれです。
そこでかごしまんまは商品の原材料表示を一番重要に考え、実際の商品に記載されているメーカー表示よりも詳しく記載するようにしています。食品表示の詳しさ選手権があったら日本一を取ろうと思っています。
どうぞ食品表示をよく見て、食べる・食べない・たまにならOK・ダンナにならOK・遠足のときだけOK・・・等とジャッジしながら選んでください。
この不思議な国、日本は、推測するに放射能も農薬も添加物もGMもどうやら世界で最も消費されているようです。この国で生き抜くには、普段から『なるべく避ける』ように自分の目を育て、食品表示をよく見て、その中で、まあこれなら許せるかな、という食材をそれぞれの判断と基準で選択しなければいけないようです。
戦後から今日までかけて70年かけて日本のがん罹患率は5倍になってきています。
戦前の、魚と野菜と漬物とご飯と味噌汁の食生活から、私達はいったいどう変わっていっているのか。
舌と鼻と目を育てて、放射能だけではなくあらゆる方向から考え、取捨選択して防御していかねばならないなあ、と切に感じます。その負担を、少しでも軽くして食が楽しくなるようにこれからもかごしまんまを頑張りますね。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江