平成28年12月6日

Dec 6. 2016 かごしまんまだより

【再商品化した吉田自然農園さんの乾燥ローリエから学ぶこと】
公園に落ちている枯れ葉のような葉っぱが、小さなジッパー袋に入って今回お届けした商品と一緒に段ボールの中にいたと思います。これが無農薬の乾燥ローリエです。今回ご注文の方全員におまけとしてお入れさせて頂きました。落ち葉のようにシミが酷くてびっくりされたのではないでしょうか。市販されている一般的なローリエはシミひとつないので、私も吉田自然農園さんからこのローリエをもらった日は衝撃を受けました。全然違いますからね。
吉田自然農園さんは、去年このローリエを商品化してくれましたがその後ストップしました。私は「月桂樹の葉にも収穫時期があるのだろう」程度にしか考えなかったので、特に吉田さんに商品中止の理由を聞くことはしませんでした。そして今年もシチューやカレーが恋しい帰結になってきてお客さんから「吉田自然農園さんの乾燥ローリエが欲しい」というリクエストの声が出てきたので吉田さんに聞いてみてはじめて、中止の理由を知ることができました。
吉田さんが乾燥ローリエをやめた理由、それは自然農法で作る乾燥ローリエは、市販のシミひとつないキレイな乾燥ローリエとは見た目がかけはなれて違ってしまうことによるものでした。
吉田さんによると、「本格的な乾燥ローリエは、月桂樹の若芽や新葉を使うのではなく、木に1年以上ついている葉を使うので、自然農法の場合はどうしても葉が1年の間に色々な自然状況にもまれてシミやキズだらけになってしまう。それで乾燥ローリエを作るので、シミやキズが少ないものを選んでいたらとてもできない。
でもこれらシミやキズがあっても香りや効能に一切問題はなく、カビではないので安心して普通に乾燥ローレルとして使えるのだけれど、都会の人たちはわからないでしょう・・・。だから供給を中止したの」
ということでした。
たしかに調べてみると、木に1年以上ついた葉を使うのが本格的な乾燥ローリエでした。自然栽培でしかも日本の四季を乗り越えたらシミのない葉は無理な話ですね。
このことを知って、市販のシミひとつないキレイなローリエは一体どのくらい農薬をかけられているのだろうという思いになりました。
それで私は吉田自然農園さんに申し出ました。「吉田さん、もう一度この乾燥ローリエを商品化してください。今度は無選別で、このシミだらけ・キズだらけのまま商品化しましょう。きちんと商品説明しますから。きちんと解説すれば、逆にこのシミやキズが商品の安全性を証明する付加価値ではないでしょうか」

キレイな野菜・キレイな果物が『良いもの』という価値観は、私たち日本人の間にいつのまにか生まれ、しみついていったのでしょう?キレイな野菜=虫や菌が食べられない野菜=農薬がかかった野菜であることがほとんどです。キレイで無農薬・減農薬の野菜は手間暇がかかったり資材や機材の費用がかかったりしますので大量生産も安価にもそうそうできることではありません。
今回みなさんのおうちに鹿児島からはるばるやってきた乾燥ローリエ君をじっと見つめて、どうぞご家族で色々想像したり考えたりしてみてください。そしてぜひ安心なこのローリエ君であったかいカレーやシチューをつくってみてくださいネ。

Edit by 山下 理江