【味覚とは何か・その②~舌は必要な栄養素を学習するセンサー続編~】
先週の、私たちの舌が毒物は苦いと感じ、欲する栄養素は美味しいと感じるセンサーの役割をしているという話の続きです。
私たちの舌は、甘味は糖質、塩味はミネラル、旨味はアミノ酸、脂質は高エネルギー、というように味で栄養素のシグナルを感じ取って脳に伝え、それから脳は私たちに「美味しい!」という信号を送ります。そして私たちは美味しいと感じてもっと食べたくなります。糖質や脂質はエネルギーの素、ミネラルは身体の調子を整える素、アミノ酸はタンパク質の素となるので、これらが良質のものであればあるほど不足していれば不足しているほど、舌センサーが「すっごく美味しい!」という信号を送ってくれます。新鮮で旬の野菜が美味しいのは、鮮度の高いほうがミネラルが豊富に含まれていますし、旬であるほうが生育に負担がかからないので栄養も多く含むからです。逆に外食や病院食のおかず野菜が美味しく感じなかったりするのは、旬に関係なく鮮度もよくない野菜をいっせいに調理するので栄養素やミネラルの大半が失われているからなのです。サッと焼いたりサッと茹でると美味しく感じ、逆に焼きすぎ茹ですぎが美味しく感じないのも、前者は栄養やミネラルが生きていて後者は壊れたり失われたりしているからです。
また、動物の舌は偽物を感じ取る能力が非常に高いです。実験動物にカロリーゼロの人工甘味料や油を与えると最初は興味を示して食べるものの、すぐに食べなくなってしまいます。「これは栄養分ではない、偽物だ!」と舌センサーが感じ取ってくれるのですね。
普通の食塩や白砂糖よりも、海水をただ煮詰めたり天日干ししたりして作られる塩や精製されていない黒糖や粗糖のほうが美味しく感じるのは、薬品を使っていないこととミネラルがたっぷり含まれているからであると推測されます。精製された食塩や白砂糖は製造過程で薬品が使われ化学的に成分を分離させるので、塩や糖としての純度は高くなりますがミネラルの大半が失われているので「美味しい!」と感じないのです。アルコールが添加された醤油や酢よりも、添加されていない本来の製法で作られたそれらのほうが美味しいのも同じ理由です。
私たちはどんな分析機関よりも優れたセンサーを持つ舌を持っているのです。
でも現代の食生活ではセンサーの許容量を超えてどんどん偽物や人工的な化学物質が舌を襲い続けています。するとセンサーはセンサーであることをやめてしまいます。そうして栄養やミネラルのない野菜や食材を食べ続け、欠乏にも鈍感になって少しずつ少しずつ免疫低下や体調不良になっていきます。
本当の『美味しいっ!』は決して手の込んだ料理や高級レストランや料亭の料理とは限りません。
大量生産(←人件費等のコスト削減のため薬剤や人工化合物を多用している)の野菜や調味料や加工品をやめて、なるべく薬剤や人工化合物を使用していない新鮮な旬の野菜や調味料や食材を摂取するようにすること、そうしていけば、私たちの舌センサーはいきいきと復活して働いてくれるようになります。「むむ!これは化学調味料の味だ。ややっ!この野菜は鮮度が悪いぞ。この鶏肉は薬品の味がする」等とどんどんわかるようになってきます。舌センサーの感度がいいと、賞味期限にかかわらず食品の腐敗に対しても「これは傷んでいるな、これは傷んでいないから大丈夫だ」とわかるようになっていきます。そうなってくるともうあなたの舌センサーは昔の人と同じレベルに戻っています。そして発酵調味料や麹などの食材がどんどん美味しく深く楽しくなっていきます。
そういう『美味しさ』を追求・実践していくと、無意識にその時に必要なミネラルや栄養分を摂取しているので免疫力が上がり、セルフ治癒が働くようになっていくので、医者いらずになるのではないのかなと思っています。
おまけ秘話
今回のおまけは、井之上ファームさんが、かごしまんま災害等支援活動基金からの去年の台風16号の被害のお見舞金のお礼として「かごしまんまのお客の皆さんに」とくださったものです。嬉しいですね♪
無農薬・無化学肥料でつくったメークイン(またはデジマ)です。小さな規格外ものですが、新鮮なため皮ごとバター焼きなどにして召し上がってみてください。メッチャ美味しいですよ~