【放射能測定】
先週、先々週とかごしまんま事務所は異常なほどの昆布の香りに包まれました。
新商品の昆布巻や昆布豆の昆布2種類と黒豆をメーカーさんのご厚意で無償で頂き、放射能測定に出すことになり、より正確な測定にするために昆布をチョキチョキとキッチンハサミで細かくで切り刻んでいたのでした。
今回は新宿代々木市民測定所さんにゲルマニウム測定を依頼です。
測定にあたり「それぞれ検体を1Lか2Lご用意ください。黒豆はそのままでいいのですが、昆布はぜひ細かく切ってお送りくださいませ。多分フードプロセッサーでも歯が立たないと思いますので、こちらでは対応がむずかしゅうございます。」という指令が。
測定に必要な検体量は1Lまたは2Lです。昆布はそのままではかさばって空気を測るようなものなので、できるだけ細かく切ってギュウギュウに入れる必要があるのです。
そこでキッチンバサミを買ってきて、スタッフ全員で1種類目の昆布(歯舞産)を細かく刻み始めました。まあ、みんなでやるからすぐ終わるだろう、と最初は甘くみていました。ところがこの昆布君、固いのなんのって。歯舞産の昆布は昆布巻用の1等昆布なので、幅広くて厚みがあって固く、切っても切ってもなかなか測定に必要な1Lにならないのです。ハサミを持つ手の痛みをがまんしながら3時間かけてようやく1Lできました。2Lなんてとても無理。しかももう1種類の昆布を再度チョキチョキしなければならない・・・。時給1000円だとしても3人で3時間かけてチョキチョキすると9000円の人件費がかかる計算です。しかもこのままではかごしまんまスタッフ全員が腱鞘炎になる・・・・。おもいきってフードプロセッサーを買う決意をしました。調べると家庭用はモーターの焼き切れ防止のため連続2分間しか作動しません。しかし業務用の価格相場はなんと約10万円!放射能測定だけで1検体約5000円の経費が掛かるのに小さな会社のかごしまんまではとても無理。近所の電気屋さんで1万円弱のミル専用の家庭用フードプロセッサーを購入しました。
2種類目の厚岸産昆布は、3等昆布で昆布豆用です。これは楽勝でした。昆布自体が薄くて柔らかいのでハサミで切りやすく、フードプロセッサー君をだましだまし1分間ずつ働かせてあっという間に1Lできました。それでも3人がかりで1時間でした。終わった時にはフードプロセッサー君は素手で触れないほどアツく熱を持ってすぐにでも死んでしまいそうでした。そしてようやく測定所に検体を送りました。
放射能測定は測定器自体が非常に高額で、費用も労力もかかるものです。311後、各地に市民測定所ができましたがその多くが閉鎖したり休業状態になったりしていきました。普通に測定し継続していくのも大変なことなのに、べぐれでねがさんやふじみーるさんなどのように検体を濃縮して測定するご苦労は想像に難くありません。
また、測定結果を見るまでは毎回ドキドキ不安な思いです。もしNDではなく数値が出てしまったらどうしよう。せっかくご協力くださっているメーカーさんになんて言おう・・・。結果待ちはどんよりする日々です。
どうしてこういう世界になってしまったのでしょう。悲しいですね。
さあ、これからどんどん年末年始商品をUPしていきますよ~。完璧な食材を見つけることは非常に困難ですが、これからも「これならまあOKフードかな」を諦めず探していきます。そして商品化した際には原材料をできる限り詳しく載せますので、各自の安全基準に照らし合わせてご判断下さいますようお願い申し上げます。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。
平成29年10月31日
Edit by 山下 理江