平成29年10月20日

Oct 19. 2017 かごしまんまだより

【ニュートラルな思考】
福島原発事故が起こるまでは多くの人が、日本はとても美しい国で、技術力も世界トップレベルで、原発は安全でクリーンなエネルギーで、国の見解や基準は正しいとおおかた信じていたのではないでしょうか。私もその一人でした。国やTVや企業や医療が、国民のためではなく、利権・経済・アメリカ優先で動いているなんて思わず、東電の発表やTVのコメントに流されてしまっていました。しかし311後に本やネットで調べたりしていくうちに疑念が次々と湧き始めました。同時に自分の中のそれまでの常識や思考とのズレに1年くらい混乱しました。そして原発以外のあらゆるものまで今までとは違う見方になっていきました。
ところで『糖質制限』という言葉をご存知でしょうか。ご飯やパンなど糖質が多いものをなるべく摂取せず、その分のカロリーをタンパク質や脂質で補う食事療法です。実は私は、これを勉強し始めた頃は違和感を覚えました。なぜなら今までのダイエットの常識は、脂肪をなるべく摂らないことだったから。今まで大敵とされていた脂肪を、この理論ではどんどん摂っていいと言う。頭の中は軽く混乱です。
しかし人類史を紐解くと、2足歩行の人類が出現したのは7百万年前で、それから1万年前位までは狩猟時代が続き、米や小麦の栽培が始まったのは1万年前のことです。つまり数百万年間もの間は、人類は主食が米や小麦の食生活ではなかったのです。『約7百万年間もかけて出来た、糖質を食べなくてもいい身体。ほんの1万年前に始まった、糖質60%の食習慣。この二つの間の矛盾が、今の生活習慣病の根本的な原因なのです』(江部康二の糖質制限革命 江部康二著より)。なるほど、この考察は生物学的に見ても理にかなったいい視点だと思い始め、頭の中の違和感と混乱はスッと消えました。糖質制限で肥満や糖尿病やアトピーなどが改善した例はたくさんあり、糖質制限の考え方は急速に広まりつつありますが、私のように最初に違和感を持たれた方も多いのではないでしょうか。
色々な理論や思考を知るのは有意義です。蓄積されてこびりついてしまった自分の今までの常識を、新しい知識や理論で剥がしてまた構築していく作業を受け入れることは意外とキツイことです。しかし原発事故や憲法改正や予防接種被害をきっかけに、私たちが少しずつ『いい国ニッポン』の洗脳を解いていったように、受け取ろうとすれば、自分の思考マトリックスの向こう側にはきっともっとたくさんの真実があります。それをできない人が、いまだ国やTVを信じていて理解してくれない私たちの周囲なのではないでしょうか。同じ世界・同じ空気・同じ会社にいても全く別の世界に生きているような気がしますね。
思考をいつでもニュートラルにし、自分の常識とは全く違う別の見解に違和感を持ちつつも受け取れるような柔軟さをいつも持っていたいな、と心がけています。違和感や混乱の、きっとその先に得るものもあると思います。科学の発見も、意外なきっかけだったり思考の転換だったりします。また、日本を一歩出るとぶったまげるような常識があったりしますものね~
先日、佐藤優氏の講演会に行きました。佐藤氏は基本的に保守派の人なので、いい思考の体操になりました。原発に関することなど私とは違う考えもありましたが、北朝鮮情勢や日本の教育問題とか前原氏がどういう背景を持ってどういう人物なのかとか、色々私が知らないことや違う視点を聴けて、大変面白かったです。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江