平成29年10月27日

Oct 26. 2017 かごしまんまだより

【2017衆院選は真の民主主義のスタートであり、通過点である】
すみません、今回は選挙のお話です。しかも自民党に批判的な意見ですので、自民党派の方には大変申し訳ございませんが、不快な内容が含まれることをお許しください。
皆さんは今回の衆院選選挙結果にがっかりしていますでしょうか。まあツイッターはじめネットの中では安倍さん周辺と自民党批判に溢れていますが、現実では世の中の半分の人が選挙に関心がなく投票にすら行かず、投票した人も多くが自民党に票を入れ、今までとちっとも変わらないことにがっかりされたのではないでしょうか。
驚いたのは福島の結果です。原発事故で甚大な被害を受け大変な思いをしているのにもかかわらず、小選挙区で自民党立候補者全員が勝つかもしくは善戦し比例復活当選しています。故郷を追われる現実を体験されたり身近で見てきたりしても、なぜ多くの人が原発推進なのでしょうか。
泊原発がある北海道も自民党が7区中5区で当選または比例復活です。六ケ所再処理場と2つの原発がある青森も全区全勝、女川原発がある宮城は6区中5区で当選、柏崎刈羽原発がある新潟は6区中4区で自民党が負けていますがそのうちの3人が比例復活しています。東海村JCO臨界事故を体験している茨城も7区中6区で自民党が勝ち、負けた区も比例復活。浜岡原発がある静岡も8区中6区で当選、1人が比例復活。廃炉決定のもんじゅやふげんも含めじつに15基がある原発銀座の福井ではもちろん2区全勝です。しかも「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います」の稲田元防衛相と、下着泥棒事件を起こした高木元復興相です。
山口、岡山、島根、鳥取、石川、富山、奈良、福岡、大分、宮崎など多くの県の小選挙区で自民が全勝でした。
この選挙結果ではそりゃあ今の日本では原発は推進派ばかりで、脱原発なんてイロモノで、放射能防御している人は超変人扱いでしょう。かごしまんまのお客さんの多くが、ダンナや親や友人とわかりあえないわけです。
今回の選挙結果で、安倍さんはじめ自民党は原発推進や憲法改正などに走り続けることでしょう。モリカケ問題や元TBS記者の強姦事件等はもみ消されることでしょう。独裁・ファシズム色が強くなっていくかもしれません。
でも!絶望しかけた今回の選挙で、土壇場で枝野さんが立ち上がって立憲民主党を誕生させてくれました。志位さん率いる共産党が、半年以上前から用意していた立候補を野党共闘のために取り下げたり他党応援に駆け付けたりする光景を私たちは見ました。日本の民主主義もひょっとしたら希望が見いだせるのではないかと、この2つの党を中心に思うことができました。山本太郎さんが当選した時の感覚と似ています。
戦前の帝国主義のような異常な雰囲気の秋葉原の安倍総理の演説会場の一方で、聴衆がお互いを思いやって傘を差さずに雨の中を枝野さんの話に聴き入る爽やかな新宿会場がありました。翌日の新聞各社の一面を飾ったのは言うまでもなく後者でした。安倍さんの会場は異常だと、無言で新聞各社が認めているようなものでした。
原発をはじめ建設や医療や大企業が利権まみれである日本の民主主義は、まだまだかもしれません。大半が政治への関心すらない現状。それでも絶望の中で希望の光が見えたのが、今回の選挙だったのではないでしょうか。
選挙戦を頑張りぬいた、全ての皆さん、お疲れ様でした。しかしこれは結果ではありません。真の民主主義へのスタートであり、通過点であります。放射能防御と同じ、民主主義も長期戦です。
諦めず、悲観せず、愛する人の笑顔を守ってしっかり日々を大切にして、私たちは生き抜いていきましょう。
今日のおうちごはんが安心で美味しくて笑顔になれたなら、明日もがんばろうと前向きに生きていけるのです。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江