2017 November

平成29年11月21日

Nov 20. 2017 かごしまんまだより

【端境期は、葉っぱ付き大根やニンジンの時期】
端境期(野菜の入れ替わり時期で、全体の出荷量が少ない時期のこと)で、鹿児島では今どの野菜も高値で通常の1.5倍~2倍です。最近は白菜もちらほら出始めましたが1/4カットで130円していました。とても買えません(涙)!野菜セットの品目も、市場仕入れのキャベツやピーマンが高値でしたので今回は10品目です。すみません。
しかし端境期の楽しみは、契約農家さんならではの『葉っぱ付き』です。
本来なら生産者さんは、大根やニンジンはもう少し大きく育ててから収穫し、葉っぱを取って出荷します。葉っぱ付きで出荷すると巨大すぎて扱いにくいというのもありますが、なにより大根やニンジンが本来の大きさになる頃は、葉っぱの方も大きく固く育っていて美味しくないからです。大根やニンジンの葉っぱが美味しい時期は、本体の大根やニンジンもまだ小さくて出荷に適していません。市場規格では大根やニンジンの大きさ形が決まっています。ですから一般の消費者は「大根やニンジンの葉っぱは見たことも食べたことがない」という人がほとんどなのです。
でも実は、大根もニンジンも葉っぱが美味しかったりするんです。しかも栄養も豊富。そこでかごしまんまでは契約農家さんに「野菜セットに出せるときはぜひ葉っぱ付きをお願いします!大根やニンジン本体が小さくても構いませんので」と毎年お願いしています。初めは生産者さんも「でも大根もニンジンもすっごく小さいんだけど本当にいいのかい?」と不安そうに言います。市場ではそういう『葉っぱ付き』の需要がないからです。でも毎年多くのお客さんが喜んでくれるので、生産者さんも慣れてきてここ数年は「今年もどう?」なんて声をかけてくれるようになりました。
とても短い時期ですが、大根やニンジンには丸ごと全部食べられる時期があることを皆さんで楽しんでいただけたらいいな、と思います。お子さんがいらっしゃるならぜひ葉っぱ付きの大根やニンジンを見せてあげてください。しかもかごしまんまの『葉っぱ付き』は無農薬栽培。平岡農園の若旦那の陽一郎さんが夏の間せっせと手で草取りをして愛情いっぱい込めて育てました。思いっきり安心して葉っぱも皮も丸ごと食べてくださいネ。
おすすめの食べ方は、両方ともに細かく刻んで【ふりかけ】にすることです。
簡単で、冷蔵庫で1週間くらいは日持ちしますし、お子さんもパクパクご飯をおかわりして食べるほど美味しいのでぜひやってみてください。

【大根またはニンジンの葉っぱのふりかけ】
①大根またはニンジンの葉っぱを袋丸ごと全部、細かく刻みに刻む。
②鍋にごま油を大さじ1~2ひいて①をざっと炒める。
③醤油・粗糖(または黒砂糖)・黒酒(または酒みりん)をそれぞれ大さじ2ずつ、あればナンプラーを小さじ1入れる。さらにごまを大さじ2・しらす干し1袋・かつおの削り節小分けパック1袋を入れて水分が飛ぶまで中火で炒め続けたら、冷まして完成です。ホントに簡単ですよ♪

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成29年11月14日

Nov 13. 2017 かごしまんまだより

【野菜セットにおける『市場仕入れ』とは】
かごしまんまの野菜セットは、契約農家さん数件の野菜と市場仕入れ品で構成されています。
今回はこの『市場仕入れ』野菜がどういうものか書きますね。
市場仕入れは、紅はるか芋の生産者さんでもある大丸農産さんがしてくださっています。市場の状況を見極めながら、市場に顔を出す生産者さんに根回しをしたり、発送日の4日前に市場に他県野菜(レンコン等)の予約を入れたりします。
大丸農産さんが出入りしている市場は、志布志市にある『南九州青果』という小さな市場です。地元の生産者の農産物が主です。しかし日本では放射能を気にしない人がほとんどですので、産地を気にせず1年中キャベツやタマネギやニンジンやリンゴの需要があるわけです。よってその時期に地元にないものは市場側が全国から仕入れています。例えばバナナやりんご。これは鹿児島にはほとんどありませんので1年じゅう輸入や青森です。そして南九州ではキャベツや大根・ニンジンなどの冬野菜を夏に作ることはできないので、夏のあいだは他県仕入れです。他県野菜の産地は決まっていて、大半が北海道、群馬、長野です。徳島や兵庫、など近畿地方や中部のキャベツや大根が志布志の市場に来ることはまずありません。
推測ですが、全国流通を確立できるのは資金力がある生産者さんに絞られるので、産地が固定するのではないかと思います。広大な畑を持って大量生産をして広大な敷地の選別場と保管場と巨大なトラックを持って自社流通網をつくるか、専門業者と契約しないと全国流通できません。そしていったん自社流通網を確立させたり専門業者と契約したら、年間を通して動いていかなければ採算が取れなくなったり人材確保が難しくなります。ですから全国流通する野菜は産地や生産者さんがだいたい決まってくるのです。
多くの生産者さんはそんなことはできません。宅配業者さんや配送業者さんに少量配送を頼んでいたら野菜が高くなってしまいます。流通経費を減らすために、生産物を持ち込むのは自分の軽トラで運べる範囲の市場や産直等に決まってきてしまいます。
志布志の市場は、天井がとても高い鉄骨の屋根と柱と事務所があるだけのだだっ広い場所ですが、地元の生産者さんが野菜を持ち込む区域と、他県仕入れ青果が置かれる区域は、明確にわかれています。なぜなら全国から来る青果は、輸送に適するよう綺麗に箱詰めされてフォークリフトで運ばれ積み上げられており、あきらかに地場産野菜とは雰囲気が違うからです。
地場産野菜は、各農家さんが軽トラに載せてくるので、例えばキャベツなどはビショビショに濡れたまま大きさもバラバラでどさっとバナナ箱や野菜コンテナに入っている感じです。葉物などは、大きさがバラバラで箱からはみ出しているので積み上げられずにおいてあったりもします。そして地場産野菜はその日の入荷量によって価格が変動し、殺気立った雰囲気でセリが行われています。入荷する生産者さんをつかまえて直接農薬状況も聞けたりします。全国からの仕入れ野菜は、仕入金額や量がだいたい決まっているので殺気立ったせりはありません。箱に農薬状況が書かれているわけではないので農薬状況は不明です(でも形も色も大きさもきれいな大量生産野菜が減農薬なわけがありません<そんなのは無理な話です)。
大丸農産さんは、発送日前日の早朝にこの市場で地場産野菜を目利きして仕入してくれています。セリだけではなく事前に生産者さんと直に取引するものも多いので、農薬状況が把握できます。これが『市場仕入れ』です。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成29年11月10日

Nov 9. 2017 かごしまんまだより

【吉開のかまぼこさんの商品お取り扱い開始】
今週から『吉開のかまぼこ』さんの商品を取り扱い始めました。みんながずっと待っていた練り物です!
実は吉開さんのことは5年位前に知人から教えてもらっていたのですが、311後しばらくは海産物を積極的に摂取する気分にはなれませんでした。しかし毎年この時期になるとおせちの悩みにまつわるメッセージを多く頂き、特にかまぼこやちくわ類は震災以降、全く食べていないが食べたいという方が多く、お正月だけ仕方なくおつきあいでもやもやしながら食べるという声もあり、安心な練り物を探して商品化してみよう!と思いました。
鹿児島を中心に九州各地でかまぼこやさつま揚げを探しては原材料表示を確認していきました。
特に鹿児島はさつま揚げ(別名:揚げかまぼこ)の本場で、無添加をうたうメーカーさんもあります。伊達巻の発祥地と言われる長崎にも蒲鉾メーカーさんが多くあります。
しかし練り物の特徴上、タラ(スケソウダラ:北の海の魚)とリン酸塩が入っているものがほとんど。『地魚だけ使用・無添加』と表示してあっても、原材料の中に『アミノ酸』(化学的な旨味調味料をこう表示してよいことになっている)と記載してあったり、醤油等の二次原料を追うとサッカリンなどの添加物が含まれていたり。もともと鹿児島では大半の醤油に人工甘味料が含まれるので、添加物に対する知識や概念が乏しい風土です。長崎のかまぼこも保存料が入っていることが多く、OK練り物はなかなかありませんでした。
傷みやすい魚のすり身を使用しますし、鮮度も味も本当に良い魚を使用しないと旨みが出ないので、練り物を『保存料不使用』『旨味調味料(アミノ酸)不使用』でつくることは本当に難しいことなのです。
南の魚だけを使って二次原料まで無添加にこだわるメーカーさんはやはり吉開さんしかありませんでした。ただ、北海道の昆布だしを使用していますので、ここの判断は皆さん各自基準に委ねます。また、イカは南のものではないのでイカが入るものはかごしまんまでは商品化していません(吉開さんのイカ天やお好み焼き天は非常に美味しいのですが・・・。イカは北の海のものが断然美味しいんですよね)。
吉開のかまぼこさんのお店を訪問した時、社長さんはじめスタッフの方々がとても優しく、社長さんのお話はつきませんでした。「てんぷらを揚げる油はね、本当は鹿北製油さんのが一番いいなと思うんだよね。でも揚げる人がなぜか気持ち悪くなっちゃうの。それでずっと平田製油さんのを使っていたんだけれど、やっぱり気持ち悪くなっちゃうから理研さんのノンシリコーンの油にしたんだよ」とか「塩はね、沖縄の青い海さんの海水塩を使うんだよ。古式かまぼこ(かごしまんまでは商品化していません)は伊豆大島の海水塩を使っているんだ。やっぱ精製塩よりも海水塩だよね」とか「高菜かまぼこの高菜は無農薬栽培農家から高菜を仕入れて、自分達で青い海さんの海水塩で高菜を漬け込むんだよ。市販の高菜漬は必ず添加物が入っているから使えないんだよね」とか、社長さんの安全な食材への志にリスペクト&共感しまくりでした。社長さんの想いがたくさん詰まった吉開のかまぼこさんのHPもぜひぜひご覧ください。
吉開さんのさつま揚げは、小売価格と卸売価格がほぼ同じです。そして無添加なので賞味期限が非常に短く、発送日毎に仕入れるので吉開さんからかごしまんま迄の送料が毎回800円ほどかかります。よって吉開さんHPの商品価格よりかごしまんま価格はどうしても高くなりますが、野菜やほかの食材と一緒にワンストップでちょこちょこ練り物が買えるというメリットを活かして頂ければ幸いです。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から心から願っています。

Edit by 山下 理江