平成30年7月31日

Jul 30. 2018 かごしまんまだより

※8/14(火)、8/17(金)は発送お休みです。また8/21(火)発送の締切は8/7(火)13時です。ご注意ください。

【夏野菜はお薬です】(先週の再掲です)
ここ鹿児島県鹿屋市は九州最南端で、夏は南国並みの日差しと暑さで多くの野菜が生育することができません。野菜セットはゴーヤ、オクラ、きゅうり、ピーマン、ゴボウ、ジャガイモなどゴツゴツした野菜中心になります。葉物は水菜や青シソや空心菜が入る程度となります。そして来週からはミョウガも入ってセット内容がなんだか苦かったりネバネバしていたりクセのある野菜ばかりになっていきます。
しかし夏野菜を夏に食べるって実は、私たちの身体のために非常に良いことで、自然の理にかなっているんです。
暑いとき、人間の身体からは大量の汗が出ます。汗の成分はほとんどが水や老廃物ですが、身体にとって必要なミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分)も同時に排出されていきます。
オクラはこれらカリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄を豊富に含んでいますので、汗をかく夏に必需品な野菜なのです。またペクチンも豊富で、整腸作用があり大腸がんの予防にもなるとか。
ゴーヤもカリウムが豊富です。さらにレモンの3倍ものビタミンCが含まれており、日焼けによる肌の疲れを早く癒します。鉄分はほうれん草の2倍で、ビタミンCと一緒に摂取できるので貧血予防にも効果があります。食物繊維はセロリの30倍、なんとカルシウムは牛乳の10倍以上で、ゴーヤはまさに栄養の宝庫なのです。
またゴーヤに含まれるモモルデシンという成分はゴーヤの苦味の主体ですが、胃腸の粘膜を保護したり食欲を増進したり血圧や血糖値を下げる効果があります。神経に働きかけて気持ちをシャキッとさせたりや頭痛を軽減する効果もあると言われています。このモモルデシンの正体は20種類からなるアミノ酸とサポニンです。
つまりこのモモルデシンの苦味に慣れていくと、今度は次第に舌がアミノ酸自体の旨みを感じ取れるようになるので[暑い夏イコールなんだかゴーヤを食べたいナ♪]と身体が記憶するようになるのです。
ゴーヤの苦味は最初はとても不快ですが、それを乗り越えると新しい世界の扉が開いて、モモルデシンを構成するアミノ酸の旨みの虜、つまり「ゴーヤ、マジ美味いな!!」になるのであります。
青シソの清々しい香りは主にぺリアルデヒドと呼ばれる芳香成分によるもので、強い防腐・殺菌作用を持っています。食物が腐敗しやすい夏に食べたり刺身と一緒に食べたりすることは、身体を守ることにつながります。
ミョウガの独特な香りはアルファピネンという精油成分によるもので、発汗、呼吸、血液の循環などの機能を促す作用があります。ホルモンバランスを整える効果もあり、生理不順、更年期障害、生理痛などに良いそうです。
シソやミョウガの独特な香りには、食欲増進効果や健胃作用もあり、夏バテに効きそうですね。
夏野菜は、多くの方やお子さんが苦手でなかなか食べられなくて苦戦しますが、最初は味噌汁やカレーに刻んでちょっぴり入れて、ほんの少しでいいので意図的に毎日食べるようにしていきます。すると舌が苦みや香味を学習してくれますので、徐々にたくさん食べられるようになります。
特に今年は猛暑です。皆さん、ぜひ勇気を出して頑張って夏野菜に挑戦していってください。
今年はあまり食べられなくても来年はもっと食べられるようになっています。舌の学習能力はすごいんですよ。
不思議なのは、冬にオクラやゴーヤを食べても全然美味しくないこと。おそらくあまり汗をかかずミネラルも排出されないので、身体が欲していないということなのでしょう。野菜の旬と私たちの身体はリンクしていますね。

Edit by 山下 理江