平成30年9月26日

Sep 25. 2018 かごしまんまだより

【かごしまんま脱脂粉乳から微量の放射能が出たことへの考察】
メルマガやツイッターでもお知らせしましたが、かごしまんま脱脂粉乳(現在は販売休止・鹿児島県・宮崎県産)からセシウム137が0.130Bq/kg検出されました(セ134は検出されず)。
新宿代々木測定所さんのゲルマニウム半導体検出器による20時間測定で、測定日は2018年8月24日です。
脱脂粉乳は牛乳を粉末状にさせた凝縮状態であることに加え、より低い検出限界値が出せる測定器を使ったことと、長い測定時間をかけて丁寧に計測したことが今回の検出につながったのだと思われます。
みなさんは、九州を含め全国における乳牛・肉牛農家の生産現場を見たことがありますでしょうか?
ハイジの世界のような広い草原で放牧飼育できるのは、日本では北海道の乳牛か熊本の赤牛。または数える程度の生産者さんだけ。あとは狭い運動場程度です。しかも草1本生えていない泥んこと糞尿まみれ。牛が原っぱで草をのどかに食べている風景はほとんどの生産現場では見られません。大半の牛の食事風景は、スタンチョン(頭部を固定する器具)に繋がれたまま目の前の配合飼料と粗飼料を食べるというものです。
家畜のエサ代は生産者にとって一番の経費で、年々値上がりしています。しかし牛乳の買取価格はほぼ値上がりしておらず、消費量の落ち込みや後継者不足もあり、廃業される生産者さんが急増しています。国土が狭く台風が多い日本では飼料用トウモロコシの生産者が北海道以外はほとんどなく、牛の生産者さんが自ら畑でつくる以外はほぼ海外産の安い配合飼料と稲から出る稲わら等の粗飼料に頼っているのが現状です。
そんな日本のトウモロコシの輸入はなんと世界一。国内消費量は約1,530万トンで、そのうちの75.8%が牛・豚・鶏など家畜用飼料、23.2%が加工食品等の材料、残りの1%コーンスナックなどの食品原料です。消費量の75%にあたる1,143万トンがアメリカ、20%がブラジルで、2国とも大半が遺伝子組み換えトウモロコシです。
ちなみに2014年の遺伝子組換え作物の米国での作付面積は、トウモロコシで全作付面積の93%、大豆で94%、綿では96%にのぼっています。(以上 http://chikusangenki.jp/column/column05-2/ 等より引用)
納豆やスナック菓子によく表示されている『北米産(遺伝子組み換えでない)』はいかに風前の灯火の作物であるということがわかる数字ですね。(今アメリカはこのGM有無表示の除去を日本に迫ってきているとか。)
話がだいぶ脱線しました、すみません。
今年も新宿代々木測定所さんで全国の牛乳が集められ、検査されます。かごしまんまの脱脂粉乳とデーリィ牛乳と種子島牛乳の3品も提供し、検査に参加することになりました。結果はまたお知らせしますね。
ところで原発周辺の住民には乳がんが多い傾向がある、という統計が世界中で出ています。
私たちの身体は細胞分裂時に放射能からのダメージに弱いので、細胞分裂が盛んな臓器や組織ほど、放射線感受性が高いです(環境省HP  www.env.go.jp/chemi/rhm/…/201510mat1-01-81.pdf より)。
乳がんは年々増加傾向です。原発事故後は、私たち人間の乳からも放射性物質が検出されています。
乳房という臓器は放射線感受性が強いので、「もしかしたら放射性物質を集めやすくてそれで乳から検出されるのではないか」と思ったりもします。
原発事故だけではなく、過去の核実験、原発の通常運転、健康診断での被ばく等が原因に考えられますね。
さて、どう生き抜きましょうか。

Edit by 山下 理江