2019 February

平成31年2月26日

Feb 25. 2019 かごしまんまだより

【沖縄県民投票と辺野古基地について思う】
24日に行われた辺野古の新基地建設の是非を問う沖縄県民投票は、移設に反対する票が賛成票を圧倒的に上回りました。昨年9月の県知事選で移設反対を掲げ、当選した玉城デニー氏の得票数約39万6千票も越えました。
しかしながら安倍首相は「真摯に受け止める」と言いながら工事を中断することすらしていません。
米国務省当局も辺野古の推進姿勢を崩していません。
しかも辺野古基地一帯はかなりの軟弱地盤で、支持層までなんと90mもの深さがあり、杭が7万6699本も必要であることがわかりました。90mまで杭を打ち込める作業船は国内に存在しないばかりか、世界でも深さ90mまで地盤改良した実績はないとのことです。また、仮にこの量の杭打ちを1年で終わらせるとしたら1日に210本も打つ計算になります。これだけ大量の杭打ちをするためだけにどれほど巨額の設備投資をしなければいけないのでしょうか。それらは全て国民の税金なのです。
しかもこの杭の主な材質は砂。90mの砂でできた杭は剛性を高めるので、基地の地盤沈下には耐えられるかもしれませんが、鉄鋼と違って粘性がないため、巨大地震による横揺れにどこまで耐えられるのか『世界でも実績がないために』不明なままです。杭打ちしても埋立地の液状化の危険性は0にはなりません。杭打ちしたところが耐えるだけです。軟弱地盤に建設しようということ自体が無理な話なのです。
『未来のことは後回し』なこの計画は、原発計画と同じ構造で、すでに破たんが明らかですね。
また、多くの国民が懸念しているようにサンゴやジュゴンなどが生息する世界でも有数な自然を破壊する行為でもあります・・・。
県民投票の結果や国の対応は、誰もが予想していたことでしたが、現実のものとなると残念で仕方がないですね。そもそも県民投票は5市長の反対で全権実施すら危ぶまれていました。『投票』という市民の権利を奪う行為は許せません。そして民意を示しても権力側は改めない現実・・・。
今回の投票率は52.48%にとどまったそうです。これはちょっと残念でしたね・・・。
投票に対し、非常に印象深いツイートがありました。「反対でも賛成でもいいんだよ。でもさ、県民投票に行きなよ。そして「賛成に○」って書くんだよ!自分の思ったことを書くこと。それがすごい大事なことなんだよ!」
関心の低さは権力側に好都合となり、国民が知らない間にどんどん重要なことが強硬手段で決められていきます。
私たち国民は、何度も何度も民意を示していくことが非常に重要です。
『投票』はそのための最重要な手段であり、かつ国民の権利でもあります。
失望を繰り返しても諦めず、声を上げ、選挙のたびに『投票』へ行きましょう。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月22日

Feb 21. 2019 かごしまんまだより

【買い物は社会をつくる大切な1票~福山の壺酢・黒酢】
週末、福山町の坂元醸造さんの黒酢レストランに行ってきました。
福山町は、江戸時代後期からアマン壺を使用した壺酢づくりが盛んなところです。
アマン壺は高さおよそ60cmの壺で、米と麹と水を中に入れて、海風と日が当たる絶景な場所に100個以上ずらりと並ばせ、1年~5年もの間じっくりと熟成させて米酢をつくりあげます。
福山町とその隣の垂水市は、鹿児島湾に面し周囲を山に囲まれ冬は暖かく霜が降りることも稀で、夏も海風で涼しく温暖な気候。
そしてこの一帯は25000年前にできた姶良カルデラ壁で、良質で豊富な地下水が蓄えられており、酢づくりには最適な土地です(かごしまんまの温泉水ふじさきも、この一帯の地下水なんです)。
福山町の伝統製法で作るこの米酢のことを1975年に黒酢と命名したのが、坂元醸造さんでした。
黒酢と同じ製造方法で熟成期間を少し短くした『つぼ酢』をかごしまんまでは販売しています。
しかし戦後は安価な合成酢や安価な穀物(輸入トウモロコシや輸入米など)を使用した醸造期間が非常に短くて安い酢の台頭で、多くの生産者が廃業していきました。
伝統製法で作られた良い酢や酒は、伝統製法ゆえに時間も手間もかかって価格も高くなりますが、天然のアミノ
酸や有機酸など様々な良い成分が含まれています。こういうものが、私たちの日々の健康の土台になっているのですけれどね・・・・。
黒酢レストランは、地元の旬の野菜や食材と本物の黒酢をふんだんに使用していて、本当に身体全体から美味しい!と思うような味でした。
もっと多くの人が『安い』という価値よりも『本物』という価値を大切にして、1回1回の買い物という選挙で『本物』という1票を選んでいける世の中になってほしいな~、とあらためて強く思った一日でした。
そのためには国民全体の可処分所得を多くして、生活が豊かになって景気が良くならないといけないですね。
消費税増税なんて本当に愚策です。

もし鹿児島を訪れたら、ぜひ鹿児島湾に面した国道220号をドライブして福山町の壺酢畑を眺めてくださいネ。
とても素朴で、そして桜島と海が雄大で、心が癒される景観です。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。
ご理解ご了承お願いいたします。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月15日

Feb 14. 2019 かごしまんまだより

【買い物は社会をつくる大切な1票です】
20~30年前はまだコンビニも少なくてショッピングモールもなく、街には商店街とイトーヨーカドーやダイエー・西友・ニチイといった大型スーパー、そして主要都市の駅前にはデパートがある、という時代でした。
商店街には八百屋・肉屋・魚屋・洋品店・文房具店・書店・飲食店・団子屋・お茶屋・駄菓子屋・金物屋・電気屋・靴屋・布団店・写真屋・家具屋・・・色々な専門的な個人店がありました。
しかし今は、幹線道路沿いにはイオンモール、コンビニ、回転ずし、ファストフード、ファミレス、ユニクロ、ABCマート、紳士服の青山、ダイソー、ニトリ、ツタヤ、ケーズデンキ、ヤマダ電機などの全国展開の大型店舗が並び、全国どこも同じ風景。
安くてきれいで賞味期限が長い食材、安く早くすませられる飲食店、安く使い捨てできるモノがすぐ手に入るようになりました。
消費税をはじめ各種税金や物価が上がって可処分所得が減り、多くの人が『安くて手軽なモノ』しか選べなくなってしまった、というのも大きいと思います。
気が付けば今は商店街の多くは閉店してシャッター街と言われるようになり、昔の大型スーパーやデパートの多くも閉店していってます。
このままいくと、私たちの衣食住は大企業の商品のみしか選択できない時代が来てしまうでしょう。
私たちの雇用も大企業に集約されていくでしょう。
しかし大企業は利益追求の猛者で、より低い原料費・人件費・経費を常に追求しています。
つまり『安くて手軽なモノ』は、コスト削減のために農薬やGMや化学合成物質や抗生物質や薬品などが多く使用されたり、人件費が最低限に抑えられたりして提供されています。

政治の世界も、大多数の人が関心を持たない間にいつのまにか自民党が強大になり、各種団体はもちろんマスコミにも圧力をかけられるようになり、強行採決や偽装・改ざんを平気で重ねるようになってしまいました。
消費税増税とインボイス制導入、漁業法改正やTPP発効で、小さな生産者さんや個人経営者さんや中小企業が今非常に危機的な状況にあります。
消費活動は選挙と同じで、日々の買い物が大事な1票です。コンビニやイオンモールやファストフード・ファミレスなどを中心に生活していたら、それらが主流の、画一的な社会になっていきます。
本物や良いもの個人店が消えゆく社会。吉開のかまぼこさん廃業のショックは記憶に新しいですね。
日々の消費活動や選挙は私たちの社会をつくる大事な1票。良いお店や良い生産者さんを守る大事な1票。
大企業や大政党に日本が飲まれる前に、私たちの未来を守るために、私たちの1票1票を大切にしていきましょう。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月8日

Feb 7. 2019 かごしまんまだより

【豊作でも悩みは尽きない】(すみません、先週号の再掲です)
今冬の鹿児島は、いったん気温が下がって虫や菌類がいなくなった後に再び温かい日々が続いているので、どの生産者のどの野菜も豊作で大きくきれいなものばかりです。そして供給過多で野菜の価格が暴落しています。
どの生産者さんからも「お願いです、セットで取ってくれたら助かります」と言われます。
しかし通販は難しく、限られた大きさの段ボール箱に限られた重量で詰めなければなりません。
巨大な深ネギや大根や葉付ニンジンやキャベツ・ブロッコリー・レタス・カリフラワーを同時に野菜セットに入れると通常の段ボールには入らず、一番大きくて長細い段ボール箱になります。この段ボールはヤマト運輸規格では120サイズといって、かごしまんまから関東までの料金で1912円(税込・段ボール代や梱包材含めず純粋なヤマト運輸クール便送料のみ)もするので、野菜セットだけで120サイズで送ると完全な赤字となります。
そこでなるべく120サイズの段ボール箱にならないように、やむなく深ネギや小ネギは折ったりカットしたりして入れて、大きい野菜ばかりではなく小さい野菜もバランスよく入れるように工夫しています。
そんなに高い運賃なら、佐川急便やゆうパックに変更すればいいのでは?というご意見も頂くのですが、佐川急便さんのクール便はヤマト運輸さんよりもかなり高い運賃。そしてゆうパックは、かごしまんまがある鹿屋市には郵便局の拠点に大型の冷蔵設備がなく、大量のクール便対応ができない、とのことでした(涙)。
去年の夏のように猛暑過ぎて不作な時も辛いですが、このように豊作の時もうまくいかないのが農業。国や自治体の補助がないととても維持できません。ヨーロッパの多くの国では農業は国からの補助で守られています。国の食料を支える第一次産業を守り自給率を上げることが有事の際にも非常に重要だからです。
しかし今、日本はその逆を突き進んでいます。TPPでは自動車産業を守って農業分野は切り捨て、漁業法や種子法などの個人経営者を守る法律をどんどん潰しているのが現政権。10月からは消費税増税と共にインボイス制度導入で個人経営者をつぶしにかかろうとしています。
日本の第一次産業の大半は、農業・漁業共に個人経営者であるにもかかわらず・・・。

【さつま芋類は市場仕入れが難しい】
猛暑のせいか、紅はるかや安納芋が今季は不作で例年より早く販売終了しました。
「市場仕入れ野菜でもいいから商品化して」というリクエストも頂くのですが、さつま芋類は品質が生産者によって本当に違い、価格も色々。皮をむいたら変な色だったり、食べたら甘くなかったり。
これはさつま芋が貯蔵の仕方によって甘くもなり悪くもなる作物だから。きちんとした生産者さんは専用の貯蔵庫があってそこで温度と湿度を管理して芋を熟成させて甘く美味しくさせますが、いいかげんな生産者さんはいいかげんな貯蔵方法なので美味しくありません。市場仕入れですと芋の品質がわからないので、美味しくない芋をお届けしてしまう可能性があります。そういう理由で、市場仕入れでのさつま芋は避けています。スミマセン!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江