【豊作でも悩みは尽きない】(すみません、先週号の再掲です)
今冬の鹿児島は、いったん気温が下がって虫や菌類がいなくなった後に再び温かい日々が続いているので、どの生産者のどの野菜も豊作で大きくきれいなものばかりです。そして供給過多で野菜の価格が暴落しています。
どの生産者さんからも「お願いです、セットで取ってくれたら助かります」と言われます。
しかし通販は難しく、限られた大きさの段ボール箱に限られた重量で詰めなければなりません。
巨大な深ネギや大根や葉付ニンジンやキャベツ・ブロッコリー・レタス・カリフラワーを同時に野菜セットに入れると通常の段ボールには入らず、一番大きくて長細い段ボール箱になります。この段ボールはヤマト運輸規格では120サイズといって、かごしまんまから関東までの料金で1912円(税込・段ボール代や梱包材含めず純粋なヤマト運輸クール便送料のみ)もするので、野菜セットだけで120サイズで送ると完全な赤字となります。
そこでなるべく120サイズの段ボール箱にならないように、やむなく深ネギや小ネギは折ったりカットしたりして入れて、大きい野菜ばかりではなく小さい野菜もバランスよく入れるように工夫しています。
そんなに高い運賃なら、佐川急便やゆうパックに変更すればいいのでは?というご意見も頂くのですが、佐川急便さんのクール便はヤマト運輸さんよりもかなり高い運賃。そしてゆうパックは、かごしまんまがある鹿屋市には郵便局の拠点に大型の冷蔵設備がなく、大量のクール便対応ができない、とのことでした(涙)。
去年の夏のように猛暑過ぎて不作な時も辛いですが、このように豊作の時もうまくいかないのが農業。国や自治体の補助がないととても維持できません。ヨーロッパの多くの国では農業は国からの補助で守られています。国の食料を支える第一次産業を守り自給率を上げることが有事の際にも非常に重要だからです。
しかし今、日本はその逆を突き進んでいます。TPPでは自動車産業を守って農業分野は切り捨て、漁業法や種子法などの個人経営者を守る法律をどんどん潰しているのが現政権。10月からは消費税増税と共にインボイス制度導入で個人経営者をつぶしにかかろうとしています。
日本の第一次産業の大半は、農業・漁業共に個人経営者であるにもかかわらず・・・。
【さつま芋類は市場仕入れが難しい】
猛暑のせいか、紅はるかや安納芋が今季は不作で例年より早く販売終了しました。
「市場仕入れ野菜でもいいから商品化して」というリクエストも頂くのですが、さつま芋類は品質が生産者によって本当に違い、価格も色々。皮をむいたら変な色だったり、食べたら甘くなかったり。
これはさつま芋が貯蔵の仕方によって甘くもなり悪くもなる作物だから。きちんとした生産者さんは専用の貯蔵庫があってそこで温度と湿度を管理して芋を熟成させて甘く美味しくさせますが、いいかげんな生産者さんはいいかげんな貯蔵方法なので美味しくありません。市場仕入れですと芋の品質がわからないので、美味しくない芋をお届けしてしまう可能性があります。そういう理由で、市場仕入れでのさつま芋は避けています。スミマセン!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。