2019 March

平成31年3月26日

Mar 25. 2019 かごしまんまだより

【超高齢化・廃業が進む農業】
先日、取引メーカーさんが「北海道の小豆がどんどん値上がりです。生産者さんが高齢により廃業し、畑を引き継いだ企業が大豆に切り替えてしまって。大規模農業しやすい作物に切り替えるんです」と教えてくれました。
今日の南日本新聞には「鹿児島大学の研究で、桜島大根に血管機能改善効果があると判明し、桜島大根を加工した商品開発が相次いでいる。桜島大根は桜島で200年以上前から栽培され、全盛期の栽培面積は200ヘクタールだった。しかし噴火の影響などで生産者は年々減り、現在桜島内には約30人。その大半が60~70歳代で、栽培面積は7ヘクタールにまで減っている」とありました。
日本の農業就業人口は、2015年では209万人、2017年には181万人と年々大幅に減少の一途をたどっています。30年前の1985年と比べて6割以上も減少しています。65歳以上の割合も年々増加の一途で6割以上、地方によっては7割以上が高齢者であるという状況です。また農業法人化しているところも人手不足に悩み、その多くが外国人労働者に頼っています。
そんな農業の現状で、無農薬や減農薬で野菜をつくっていくことがいかに大変でいかに貴重なことか、私たち日本人はいつ気付くことができるのでしょうか。
10人中7人が65歳以上という生産者さんたちに、ホームセンターで大々的に宣伝している『安全そうな』ラウンドアップ※の危険性をいくら説いても、理解して頂けないばかりか「そんなもの宣伝するわけがないでしょう」と信じてももらえません。

※ラウンドアップ・・・・枯葉剤、農薬。
枯葉剤を散布しても枯れないように遺伝子を組み換えた作物の種子を販売している企業が、販売する枯葉剤のこと。遺伝子組み換え作物とラウンドアップをセットで使うことで、作業効率は劇的に上がるが、次第に土地は汚染し、在来種は育つことができない痩せた土地になるので、生産者がやめたくなっても遺伝子組み換え種子とラウンドアップを買い続けるしかなくなる。ラウンドアップを散布する人にも深刻な健康被害が世界中で出ている(アメリカではラウンドアップを散布し続けて末期がんになった農夫が企業を相手取った裁判で勝訴している)。

そして遺伝子組み換え種子企業や国は、私たちの食品からどんどん『遺伝子組み換え表示』をなくそうとしています。さらにはゲノム編集食品まで流通させようとしています。遺伝子組み換え作物やゲノム編集食品の危険性はよくわかっていません。しかしながら少なくとも遺伝子組み換え作物は、猛烈にたっぷりとラウンドアップなどの有毒な枯葉剤が散布されています。たとえ油や醤油になっていてもなるべく避けるというのが私たち市民にできる対抗策予防策です。遺伝子組み換え作物は油や醤油の原料になっていると非表示でOKという法律のおかげで、既に日本は遺伝子組み換え作物の輸入・消費が世界一ともいわれています。
農業人口の激減と高齢化は、日本の安全な食の危機です。今なにができるのかどうすればいいのか、消費者の私たちも真剣に考えなくてはならない問題ではないでしょうか。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年3月12日

Mar 11. 2019 かごしまんまだより

【東日本大震災から8年】
311から8年目を迎えました。皆さんの胸にはどんな思いが巡りましたか。
津波や原発事故により避難生活を余儀なくされている人は依然として約5万2千人に上ります。
プレハブの応急的な仮設住宅での暮らしを続ける人も3418人。
東北の過酷な寒さ暑さの中での慣れない暮らしの長期化により、孤独死も増加傾向にあると言います。
一方で、東京電力福島第1原発事故の被災者の切り捨てが進んでいます。
無償住宅支援や営業損害への賠償、精神的賠償など、主要な損害賠償は原則打ち切られました。
住民らの申し立てた裁判外の紛争解決手続き(ADR)も次々と打ち切りになってます。国の原子力損害賠償紛争解決センターの和解案に対し、1年~2年以上も放置したあげくに拒否という答えを東電が出し続けているのです。
こうした被災者切り捨ての一方で、日本原子力発電が再稼働を目指す東海第2原発をめぐり、東京電力ホールディングスが1900億円を融資・債務保証する計画案が明らかになりました。被災した老朽原発をあと十数年運転させるために、東電はじめとする各地の5電力会社合計で3000億円もの支援を行うというものです。
東京電力は、原発事故の賠償を迅速に行うためなどとして国が資金を出して救出したはずです。
被災者切り捨てを進めている東電が、原電の原発再稼働を支援することにはまったく道理がありません。
(2019年3月9日しんぶん赤旗15面記事より)
一方で、東北の甚大な津波被害を忘れたかのように、日本各地での沿岸開発が進んでいます。
例えば宮崎市の沿岸は、延床面積では九州最大規模のイオンモールをはじめ、各企業の大型店舗が次々とオープンし、新しい住宅やマンション・アパートの建築ラッシュです。ここ一帯は1m級の津波が来たら全て床上浸水や壊滅的な被害を受けると予測されています。しかしながら、TVのインタビューにおいて宮崎市による回答は「どこに住むかは、いつも最終的には住む人の意志ですから」とし、都市計画等の変更や行政指導等の予定はありません。インタビューを受けていた住民も、津波のことはどこか他人事のようでした・・・。
国や地方自治体は決して市民の生活を守ってくれる存在ではなく、私たちは自己防衛するしかありません。
どこに住むべきかどの地域が災害時に危険なのか、防災の点から検討するときには、『ハザードマップ』が役に立ちます。津波や洪水時にどこが床下浸水などの被害を受けるか、地図に色分けしてあるものです。危険な地域はだいたい赤やオレンジで塗られています。ハザードマップは各市町村役場に必ず置いてあり、その多くは無料で配布してくれますので、ぜひ自分の市町村のハザードマップは1枚持っておくことをお勧めします。
鹿児島の川内原発周辺の自治体では、どこまでヨウ素剤を配るべきかどのように配布すべきか議論が盛んです。
しかしながら津波も原発も、高台に逃げたりヨウ素剤を飲んだりすればいい、というものではありません。
『その時』にはもう住むべき家も土地も失っているということに、私たちは全力で想像力を働かせるべきです。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年3月5日

Mar 4. 2019 かごしまんまだより

【どんどん春シフトへ】
鹿児島は先週からグッと暖かくなって菜の花があちこちで満開です。
『菜の花』はアブラナ科の花の総称で、キャベツ、小松菜、大根、白菜、ブロッコリー、チンゲン菜、水菜、ターサイ、からし菜、フダンソウ、カリフラワー、かぶ、ラディッシュ・・・冬野菜の多くはアブラナ科です。
このアブラナ科の野菜が今の時期の温度や日の長さに反応して、いっせいに『とう立ち』を始めています。
『とう立ち』とは野菜生産における用語で、生長点(茎頂分裂組織)に花芽ができ、その後、花芽が発育して開花へと進む現象です。
つまり、アブラナ科の皆さんは今、無性に菜の花を咲かせたいのであります。
それを『とう立ちが始まる』といいます。
とう立ちが始まると、アブラナ科の皆さんは中心部分から少しずつ固い柱状のものをつくり始めます。
花となる茎をつくって、高くそびえ立たせてミツバチさんや蝶々さんたちに見つけてもらって花粉を運んでもらうためです。そうして受粉され、アブラナ科の皆さんは種子をつくることができます。
とう立ちが進むと、アブラナ科の皆さんは固くなり過ぎて、われわれ人間が食べることはできなくなります。
今週の大根と白菜がとう立ちの初期です。若干中心が固かったり蕾があったりしますが、全て問題なく食べることができます。詳しくは、裏面の各野菜の説明欄もご覧ください。
もし包丁が立たないほど固い部分が大きくありましたら、すみませんが個体差でとう立ちが進行したものですので、どうぞ遠慮なくご連絡くださいませ。

アブラナ科の皆さんのとう立ちが進んでできる蕾は、『菜花(なばな)』といって、春のごちそうでもあります。これは本当に旬が短いのでなかなか市場には出回りません。また、多くの生産者さんがとう立ちが進む前に収穫物を市場に出してしまうので、そもそも菜花が商品として市場に出回るのは数が少ないのが現状です。
かごしまんま敷地内のおババ菜園の小松菜も、とう立ちが進んで菜花が収穫できておひたしにして食べています。

スーパーの一般的な野菜はいつも状態が良くて大きさも均一できれいな野菜ばかりですが、本当の野菜の姿は、他の植物と同じで時期ごとに少しずつ違ってきます。かごしまんまは産地や生産者さんを限定しているので、旬の初めは小さくて葉っぱ付きで柔らかく、旬の終わりになると大きくて固めで葉無しの野菜になっていきます。
それも含めて、かごしまんまの野菜を楽しんで生産者さんを応援して頂けたら幸いです。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江