2019 May

2019年5月21日

May 20. 2019 かごしまんまだより

【野菜も虫も元気な季節】
先週末の土日はずーっと雨が降っていた鹿児島です。土砂降りのような雨が断続的に降っていました。
月曜日はどの生産者さんからも悲鳴に近い報告が。
「気温が高くて雨が続いたから小松菜がスクスク伸びちゃって!」
「キャベツの葉の間にナメクジやイモムシがいて、しかもズッシリ重くなっているから洗うのがめちゃ大変!」「アブラムシがびっしりついちゃって、一苦労したよ!」
気温が高いこの時期に雨が降ると、野菜はグンッと成長し、虫たちも元気に活動して一気に増えます。
農薬をなるべく使わない生産者さんたちにとって悩ましい季節の到来です。元気な虫たちと格闘する間に梅雨や台風が来て、さらに南国の常夏に突入していきます。雨に泣き、台風に泣き、灼熱地獄に泣く日々です・・・。
週末の大雨で収穫できない生産者さんも多かったようで、市場にはモノが少なくなり、市場仕入れの業者さんは「今週から急にキャベツや葉物が高騰しました」と暗い顔をされてました。
例年は6月から収穫の前村さんのマンゴーが今年はもう販売可能となり、平岡さんのゴーヤも出始めました。
もしかしたら今年は、キャベツがなくなるのも梅雨や夏になるのも台風が来るのも早いかもですね。

【窓ぎわのトットちゃん】
子供の頃や若いときに読んで感動した本を、何十年も経ってから読み返すと、また違う視点や感動を覚えることがあります。先週末に読んだ『窓ぎわのトットちゃん』という本もそうでした。
この本は黒柳徹子さんが1981年に書いたもので、徹子さんの子供の頃を書いた実話です。
現代では『発達障害』という名前をつけられそうなトットちゃん(徹子さん)が、普通の小学校で入学直後に退学させられた後、トモエ学園という小学校でイキイキと生きていく様を描いています。
普通なら頭ごなしに子供を叱ってしまいそうな場面で、トットちゃんのママやトモエ学園の校長先生は、トットちゃんや子供たちの目線に立って、しかも子供ではなく一人の人間の人格として尊重しながら接していく様は、とても感銘を受けます。同時に、親としての自分は子供にこんなふうに接していられているだろうか、と自省させられます。
戦争へと向かう暗い時代背景で、新交響楽団(NHK交響楽団の前身)のヴァイオリンのコンサートマスターであるトットちゃんのパパ(凄い環境ですよね!)が軍歌を演奏するのを断ったり、『朝鮮人!』という悪口を言われた子の話を聴いたトットちゃんのママが涙を流すシーンは、胸を締め付けられました。黒柳徹子さんが平和運動家であるのはこういうご両親の影響があるのでしょう。
平和交流の場で「戦争しないとどうしようもなくないですか」と発言するような議員がいて、9条をどうしても改憲したい人たちが政治の主要な位置にいる今のニッポン。
大人になった今、色々な生きづらさを抱えている今、『窓際のトットちゃん』を再び読んでよかったなあ、と思いました。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2019年5月14日

May 14. 2019 かごしまんまだより

【小粒納豆、新発売です】
九州産納豆は大粒の大豆が主流なのですが、皮の表面積が大きくてタレや調味料の絡みが弱いので、関東の小粒納豆と比較して、納豆の苦味がわずかながら強く感じる人も多いです。
この度新発売の【九州産小粒納豆パワーキッズ】は、九州産大豆の中でも数少ない小粒の『すずおとめ』使用なので、なじみのある食べやすい味わいの納豆です。地元の給食にもよく出る『子供向け』サイズと量の納豆なので『パワーキッズ』という名前で可愛いイラストが描かれています。小さなお子さんでも食べきれるサイズです。少量だけ食べたい大人にもおススメ。ファミリーで楽しんでくださいネ。
今回もタレの原材料はすごいことになっています。
実際の商品に印刷してあるタレの原材料は、しょうゆ、砂糖混合ブドウ糖加糖液糖、植物性たんぱく加水分解物、砂糖、かつお節エキス、米発酵調味料、みりん、昆布エキス、食塩、煮干エキス、醸造酢、調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘多糖類、ビタミンB1、(原材料の一部に小麦、大豆を含む)とあります。
しかしそのそれぞれの原材料のそのまた原材料(二次原料といいます)を記載すると、かごしまんまの商品ページのような膨大な量の原材料になります。そこからやっと、二次原料には遺伝子組み換え原料(GMO不分別という表示です)や化学合成品が多く使用されている、ということがわかります。
商品に記載の原材料表示だけの情報ですと、遺伝子組み換え原料を食べたくなくてもわかりません。
ましてや商品には大きく『遺伝子組み換え大豆は使用しておりません』と表示されています。「じゃあ安心ね♪」と私達はつい思ってしまいがちです。ポテトチップスもそうですね。『じゃがいも(遺伝子組み換えでない)』とわざわざジャガ芋にだけ記載があります。でも省略されている二次原料のほうにはじゃんじゃん遺伝子組み換え原料を使っている・・・これが日本の食品実態で、日本は遺伝子組み換え原料消費が世界一というデータもあるほどです。
JAS法に基づく加工食品品質表示基準により、原材料名は、使用した原材料を全て重量順に表示するのが原則で、その他色々ルールに則り表示されています。商品の表示スペースには限りがありますので、一般的に二次原材料は省略されて表示されていません。このため商品の二次原料の内容は消費者にはわかりません。
決してこの納豆メーカーさんだけが特別なわけではありません。多くの食品の二次原料は都合よく『省略』されているのが日本の現実です。
しかしこの二次原料の実態こそもっと消費者の私たちは知るべきことだと思い、かごしまんまではメーカーさんの協力を仰いで各商品ページに掲載しています。ぜひじっくり見て、日本の加工品の実態を知ってください。
残念ながら『日本』という表示のものはそれ以上は産地が追えません。これはメーカーさんが意図的に隠しているのではなく、季節や価格変動によって色々なところから仕入れるからです。

【簡単なので毎回つくっちゃおう!安心安全納豆のタレ】
『すし黒酢』と『九州だししょうゆ(または普通の醤油)』を1:1(各自お好みで調整してネ)で混ぜるだけ♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2019年5月8日

May 8. 2019 かごしまんまだより

【農業はうまくいかない】
本当は「今週はおババ農園の美味しいスナップエンドウをオマケで皆さんにお配りしよう!」と思っていました。しかし連休の間にうどんこ病になってしまって、スナップエンドウ君がすっかり弱ってしまってダメになってしまいました。うどんこ病とは、子嚢菌類ウドンコキン科のカビが寄生することによって葉や茎がうどんの粉をかけたようなまだらな白い外観になってしまうことです。これにかかった植物は次第に弱って枯れてしまいます。
非常に残念でしたが、農薬や化学肥料を使わない野菜作りでは仕方ないことですね。
急遽、熊本県産の高冷地栽培の市場仕入れニンジンをオマケにしました(常温便の方には今回はベトナム天日塩をオマケしています)。
おババ農園のパセリを収穫していたら、蝶々とテントウムシとアブラムシがたくさんいました。
テントウムシさんはアブラムシを食べてくださるので農業にとってはとても重要な虫さんで、専門店で販売されているほどです。
連休のあいだに自然界は着々と夏に向かっていました。キャベツはズッシリ、ほうれん草は収穫が1週間以上なかったためにスクスク伸びてしまっていました。
大型連休は、農家にとってはリズムが狂ってしまうので大変です。特に畜産農家は動物を扱う仕事なので365日休めません。通常運転に戻りホッと一息な鹿児島です。

【マルシェで感じたこと】
鹿児島はマルシェが盛んです。マルシェとは、会場に小さなお店が仮設テントを張って集まる市場のことです。こだわりの野菜やパンや手作り雑貨などの小さなお店がたくさんあって面白いです。連休中もやっていました。
考えさせられたのは、自然食材料理や無農薬野菜などのお店よりも、全国どこにでも出店しているような外観のアイスクリームやポップコーンやカキ氷のお店やピザ屋さんとかのほうが長蛇の列を作っていたことです。
無農薬野菜、無農薬栽培の小麦で作ったうどん、無農薬栽培原料で作ったしょうゆや味噌、化学調味料無添加のカレー、じっくりとドリップするコーヒーのお店などは並ばずすぐに買えました。高いからでしょうか?
いや、しかし、カキ氷は材料が水とシロップなのに400円もするぞ。わた菓子とかポップコーンもめっちゃ安い原料を膨らまして、着色と味付けしているだけなのに高いぞ・・・。うーむ・・・。
大半の人は化学調味料や合成着色料や香料のことなど深く考えていなくて、「国の基準値内だから安全♪」という感じなのでしょうか。
外食・コンビニや化学調味料の味付けに慣れてしまっているから、派手でわかりやすいものを買うのでしょうか。
カラフルなカキ氷やアイスクリームを手に持って喜んでいるたくさんの親子を見て、「食育ってなんだろう・・・」と複雑な思いでした。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江