【野菜も虫も元気な季節】
先週末の土日はずーっと雨が降っていた鹿児島です。土砂降りのような雨が断続的に降っていました。
月曜日はどの生産者さんからも悲鳴に近い報告が。
「気温が高くて雨が続いたから小松菜がスクスク伸びちゃって!」
「キャベツの葉の間にナメクジやイモムシがいて、しかもズッシリ重くなっているから洗うのがめちゃ大変!」「アブラムシがびっしりついちゃって、一苦労したよ!」
気温が高いこの時期に雨が降ると、野菜はグンッと成長し、虫たちも元気に活動して一気に増えます。
農薬をなるべく使わない生産者さんたちにとって悩ましい季節の到来です。元気な虫たちと格闘する間に梅雨や台風が来て、さらに南国の常夏に突入していきます。雨に泣き、台風に泣き、灼熱地獄に泣く日々です・・・。
週末の大雨で収穫できない生産者さんも多かったようで、市場にはモノが少なくなり、市場仕入れの業者さんは「今週から急にキャベツや葉物が高騰しました」と暗い顔をされてました。
例年は6月から収穫の前村さんのマンゴーが今年はもう販売可能となり、平岡さんのゴーヤも出始めました。
もしかしたら今年は、キャベツがなくなるのも梅雨や夏になるのも台風が来るのも早いかもですね。
【窓ぎわのトットちゃん】
子供の頃や若いときに読んで感動した本を、何十年も経ってから読み返すと、また違う視点や感動を覚えることがあります。先週末に読んだ『窓ぎわのトットちゃん』という本もそうでした。
この本は黒柳徹子さんが1981年に書いたもので、徹子さんの子供の頃を書いた実話です。
現代では『発達障害』という名前をつけられそうなトットちゃん(徹子さん)が、普通の小学校で入学直後に退学させられた後、トモエ学園という小学校でイキイキと生きていく様を描いています。
普通なら頭ごなしに子供を叱ってしまいそうな場面で、トットちゃんのママやトモエ学園の校長先生は、トットちゃんや子供たちの目線に立って、しかも子供ではなく一人の人間の人格として尊重しながら接していく様は、とても感銘を受けます。同時に、親としての自分は子供にこんなふうに接していられているだろうか、と自省させられます。
戦争へと向かう暗い時代背景で、新交響楽団(NHK交響楽団の前身)のヴァイオリンのコンサートマスターであるトットちゃんのパパ(凄い環境ですよね!)が軍歌を演奏するのを断ったり、『朝鮮人!』という悪口を言われた子の話を聴いたトットちゃんのママが涙を流すシーンは、胸を締め付けられました。黒柳徹子さんが平和運動家であるのはこういうご両親の影響があるのでしょう。
平和交流の場で「戦争しないとどうしようもなくないですか」と発言するような議員がいて、9条をどうしても改憲したい人たちが政治の主要な位置にいる今のニッポン。
大人になった今、色々な生きづらさを抱えている今、『窓際のトットちゃん』を再び読んでよかったなあ、と思いました。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。