2019 June

2019年6月26日

Jun 25. 2019 かごしまんまだより

【国産の大豆と小豆がピンチ】(すみません、先週の再掲記事です)
国産の大豆や小豆がとんでもなく高騰しております。
国産の大豆や小豆の産地はおよそ9割が北海道。納豆用の小粒品種は2018年の2.6倍、小豆も2015年の2.1倍の卸売価格で取引されています。
2016年から北海道はたびたび台風や長雨に見舞われ、豆類だけでなくジャガイモなど色々な作物の不作が続いています。スーパーやコンビニ等からポテトチップスが消えてしまったというニュースも記憶に新しいですね。
特に2016年8月は、帯広や十勝などの一大農業地帯を2週間のあいだに4個も台風が襲いました。
先述のように、国産の豆類は9割が北海道産なので、『北海道産がダメになる』イコール『国産自体がピンチ』ということになっていくのです。
農業は、自然災害等で収穫できないと収入は0になる高リスクな業種でありながら、日本の農業保護政策は欧米諸国に比べてなんにもしていないに等しく、高齢化や担い手不足でどんどん農業就労人口は激減しています。
そのような中で台風などの壊滅的な被害に遭うと、「いい機会だからもう農業をやめよう」と決意していくので、深刻な供給不足になっていくのです。
農業がダメなら他で頑張りゃいいじゃん!と楽観的にはなれません。
小豆が2倍の価格になれば小さな和菓子屋さんからひっそりと潰れていきます。そうしてまたシャッター商店が増えます。潰れずに生き残った和菓子屋さんも、国産ではなく輸入の小豆にしていきます。
納豆も国産が激減し、北米産納豆が主流になっていきます。
するとなぜか法改正の動きが出てきて『遺伝子組み換えかそうでないかは表示しなくてよい』ということになっていき、あっという間に日本人はさらにどんどん遺伝子組み換え食材を食べまくるようになります。
そして農業が衰退して輸入農産物に頼りっぱなしの状況で、経済制裁や戦争をやりあう世界状況になってしまったら?日本は兵糧攻めに遭って、多くの一般国民が経済的に苦しみ、飢えに苦しみ、すさんだ国になってしまう・・・・そんな危険な未来の可能性も出てきます。
第一次産業を大切にするかしないかで、国の豊かさは全然違ってきます。
第一次産業は自然に左右されることを念頭に入れて国が手厚い保護策を講じないと、第一次産業の就業人口はどんどん減って、国民の食を脅かすことになるでしょう。
昔、苺はイチゴスプーンで潰しながら牛乳と砂糖で食べ、トウモロコシは1人で何本も食べた記憶があります。今では苺もトウモロコシもそんなことはとてもできないような価格になってしまいました。
このままではこれからも色々な農産物がそうなっていきます。ゆっくりと、しかし確実に・・・。

かごしまんまの農産物は、いびつだったりびっくりするような形や大きさだったりしますが、食味に問題なければ生産者さんから買い取るようにしています。微力でも、それが生産者さんを支える一歩だからです。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2019年6月11日

Jun 10. 2019 かごしまんまだより

【生き物の観察は楽しい】
山下家の玄関や廊下は現在、アゲハ蝶の幼虫さんたちの蛹化ラッシュです。おババ農園から連れてきました。
俺が私がと競うように、はらぺこあおむしさんたちは、ショリショリショリ・・・・シャクシャクシャクシャク・・・と音を立ててものすごい勢いで葉っぱを食べていきます。タラコの卵のような小さいサイズの卵から、消しゴムのカスのようなサイズと風貌の幼虫が、脱皮を数回繰り返し終齢幼虫になる頃には丸々と大きく太って5~8cm位のあおむしちゃんになっていきます。
そして最後の食事と糞をした後、玄関の壁の気に入った位置までよじ登っては、たくさんの糸を吐いておしりと背中を安定させ、幼虫の状態のままジッと丸まって『その時』を待っています。これを前蛹といいます。前蛹の状態はだいたい1日2日です。そして『その時』が来て突然、背中から皮がパリッと割れて開き、身体全体をくねらせて幼虫の皮を脱ぎ去る様子は感動ものです。だって皮の下でくねっているあおむし君の身体を見ると、今まであった目や口や手足はすべてなくなっていて、蛹の状態で一生懸命、自分の糸と壁を信じて全身でうねって皮を脱ぎ去るのですから。幼虫の皮を脱ぎ去ったあおむし君は、既にあおむしではなく『蛹』という別人です。
無防備な蛹の状態は鳥やその他の動物にとって格好の獲物になるので、少しでも見つかりにくいようにするため、茶色の下駄箱の壁を選んだ蛹は茶色にどんどん変化し、葉っぱや白い壁を選んだ蛹は緑色に変化してカモフラージュします。(※飼育ケースの中で蛹になると、羽化時に十分に羽を広げられなくて飛べずに死んでしまいます)
蛹が生きているか心配になって、たまにチョンと手でそっと触ると、全身をビクンッとうねらせて拒絶します。
蛹の中では、葉っぱを食べるのに適した口、あおむし特有のたくさんの足、大きくて長い胴体は、みんなドロドロに溶けたようになって大工事が行われています。そして今度は、花の蜜を吸うのに最適なストロー状の口、空を飛ぶのに必要な筋肉をつけた羽と6本の脚、どの方向も見える目、子孫を残す生殖器などを1週間~10日間かけて構築してから羽化します。この羽化は、だいたい天敵のいない明け方にするのですが、一度この羽化ショーを見ると毎年何度でも見たくなるほどの魅力にあふれています。眠い目をこすって、明け方に神秘的なショーを生で見る感動は、とても言い表せません。羽化したばかりの蝶は、それはそれは美しく、手に乗せるとしばらくとまっていてくれます。ぜひ、あおむし君を飼って羽化まで観察してみてください。きっと感動しますよ♪
不思議なのは、冬になる前に蛹化すると、そのままジッと春になるまで待ってから羽化することです。
こういう観察ができるのも、畑に農薬を一切使用していないから。おババ農園のパセリには、ごきげんななめのてんとうむしとはらぺこあおむしとアブラムシとアリとカメムシ、そしてそれらを狙うクモやカマキリがいました。パセリの上空には卵を生みつけようと蝶たちが舞っていました。
農薬を使わない野菜作りとは、たくさんの生物と共存するということです。どの生き物も皆それぞれに役割や働きがあって、地球にとって重要で必要な命です。なにかを農薬で追い出すと、別の生き物が増えたり病原菌にかかりやすくなったり、受粉ができなくなって実のなりが悪くなったりし、バランスが崩れます。
なるべく農薬を使わない野菜作りをするよう、かごしまんまの生産者さんたちは日々努めています。
カタツムリや虫が段ボールの中隠れていたら安心の証です。どうぞ温かい目と手でお外に放してあげて下さい。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2019年6月4日

Jun 3. 2019 かごしまんまだより

【旬の初めの野菜は身体が喜ぶスイッチです】(すみません、先週の再掲記事です)
野菜セットにトマト・トウモロコシ・ゴーヤの夏野菜が登場しました。
手にとった時は「もうゴーヤ?」と思いましたが、我が家では今季初のゴーヤを『ベーコンとゴーヤのキムチ炒め』にしたら、びっくりするほどの勢いでアッという間にペロリとなくなりました。
旬の初物って、ひとくち食べるとなんだか食欲スイッチがチャキーンっと音が鳴ったかのように入って止まらなくなりますね。
トマトもトウモロコシもものすごい速さでテーブルから我々の胃袋へと消えていってしまいました。
おそらく旬の野菜の持つ成分と、我々の身体の欲しがる栄養とが、密接に連動しているからなのでしょう。
旬の野菜は一番の栄養剤であり、一番のお薬ですね。
特に5月末は全国的に猛暑だったようですね。急な気温上昇でかなり身体は疲れていると思います。
ぜひゴーヤやトマトで食欲のスイッチ音を体感してくださいネ。
そして野菜セットからいよいよキャベツや大根が入らなくなってきました。今年は夏が来るのが早いですね。
気温が高いので、青梅もあまりなりがよくなく、例年の1.5倍の価格で取引されています(涙)。しかも青梅でなく少し黄色や赤に熟しています。
そしてそろそろ恐ろしい梅雨がやってきますね・・・。ここ南国の梅雨はもはや『雨季』。土砂降りが続き、がけ崩れや停電もしばしば。根が浅いトウモロコシは倒れ、ズッキーニや葉物などの土に面した野菜は軒並みダメになっていく恐ろしい季節です。梅雨が無事に過ぎることを祈るばかりです・・・。

【冷凍商品の取扱休止のお知らせ】
去年のヤマト運輸配送料金の大幅値上げ以降は冷凍商品のご注文数がガクンと落ちました。
送料値上げの影響を受けて、かごしまんまの今期決算では全体的に売上がかなり落ち込んだのにもかかわらず、ヤマト運輸送料の合計金額が前期決算よりもかなり高くなり、大幅な赤字決算となりました。
冷凍商品は冷蔵品に同梱できず、その分送料がかかります。税金や燃料費や食品など色々な値上げが続いた去年、冷凍商品の需要は急激に落ち、賞味期限切れによる食品ロスが大量に出ました。餃子や焼売などの人気商品は添加物を使わないのでもともと賞味期限が短く、大量の食品ロスを抱えてしまいました。
そこで冷凍庫の電気代も上がる夏を前に、やむなく冷凍商品の取扱休止を決断しました。
冷凍商品は5月末ご注文分までとさせて頂きました。
米粉ケーキは冷蔵で発送できますので、在庫分を商品カテゴリの中の『お菓子』カテゴリに入れました。
餃子や焼売など皆さんに愛された冷凍商品がなくなるのは断腸の思いですが、今後消費税や景気の動向も不透明ななかで、かごしまんまという会社を続けていくために決めました。
本当に申し訳ございません。今後はそれ以外の商品の充実を一層図ってまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江