【産地リレー】
昨日まで長崎県産だったのに、今日は青森県産だった・・・。とうとう魔の産地リレーが始まりました。
『産地リレー』とは、スーパーなどの野菜や果物の産地が変わること。
朝顔が冬には咲かないように、チューリップが夏に咲かないように、野菜や果物も必ず季節(旬)があります。
産地を気にしないでいると、スーパーの店頭には1年じゅうキャベツや大根やオクラやリンゴがあるように思えます。しかし産地表示を見続けていると、季節によって産地が変化しているのがわかります。
例えば夏野菜のオクラ。夏である今は鹿児島県産など国産が主流ですが、冬から春にかけてはタイ等の外国産しかありません。
冬野菜のキャベツや大根は、こちら鹿児島では今は九州産を見つけても手のひらサイズの小さなものやひょろっこくて細いものがほとんど。暑いので冬野菜は育たないか育っても生育不良気味な感じなのです。今スーパーにある大きくて太いものは群馬県産や青森県産です。ニンジンもそうなりつつあります。
最近、ニュージーランド産のリンゴがスーパーでちらほら見かけるのは、日本と季節が正反対の南半球ではリンゴが旬だから。逆に今の日本産のリンゴは旬ではなく1年くらい前に収穫した貯蔵品です。
苺のショートケーキもケーキ屋さんに行けば1年じゅうありますが、イチゴの旬は1月から4月です。今の時期の苺は外国から空輸したものです。甘くて美味しいイチゴはもともと無農薬での栽培が非常に困難です。しかもケーキ用のイチゴは見た目重視。海を越えてはるか遠くまでキレイなまま配送するためにどんな『工夫』がされているのでしょうか。私たち消費者は知ることができません。
今の時期に悩ましいのが玉ねぎ。スーパーの札には『佐賀・北海道産』と2つの産地表示が。トウモロコシ売り場も『長崎県・茨城県産』でした。梅雨明けして夏本番になってきた証です。
スーパーで九州産の冬野菜が完全になくなるのももう間近。
私たちの身体のリズムも、季節に合わせて変化しています。旬の野菜や果物は、人間や動物の季節のリズムに合わせて必要な栄養分を与えてくれます。春野菜はデトックス効果が高いものが多く、夏野菜は夏バテ防止・解消効果が高いものが多く、秋冬はエネルギーを蓄積したり体温を上げたりする効果が高いものが多いです。
つまり、旬ではない野菜や果物を食べることは身体のリズムにあまり合っていません。
魔の産地リレーが始まるこの時期はよく「キャベツや大根はないでしょうか」と問い合わせをいただきます。
ないんです!あってもひょろっちくて小さくてとても提供できるようなモノじゃないんです(涙)。
夏はゴーヤとオクラとキュウリとナスとゴボウが鹿児島では主要な野菜になってきます。あと『とうがん』とか『トイモガラ(ずいき)』などという野菜もあるにはあるのですが、独特過ぎて首都圏の皆様にはとてもオススメできません・・・。冬のように大きな野菜がなく種類も豊富でなくて、本当にすみません・・・。
(でもこれら夏野菜を食べ続けることで、夏バテや疲労を必ずや軽減してくれるはず!ガンバッテタベテ!)
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。