2020年2月7日

Feb 5. 2020 かごしまんまだより

【きんちゃん】(すみません、今回は安心安全野菜食材に全く関係ないネコの話です)
その日も、いつものようにかごしまんま号で冷蔵倉庫に野菜を取りに行きました。
その倉庫はなぜか娯楽施設の敷地内にあり、スタッフの人達が早朝から駐車場を掃き掃除していました。
ふと猫の変な鳴き声が聴こえます。見るとボロ雑巾のようなトラ猫。ひどく痩せてガリガリ。目と鼻からは黄色い汁が出ていて腫れ上がっており、顔がガッツ石松です(失礼)。首から背中にかけては恐竜のようなゴワゴワした皮膚が露出しており、ひと目で疥癬(かいせん)であることがわかります。
つい、「ニャア」と声をかけてしまいました。ガッツ石松は私と目が合うや否や寄って来て、立ち上がり、私の膝に前脚をかけ、喉に痰が詰まったような鳴き声で「ゴナア」と鳴きました。
偶然にも(いや、必然だったのか?)かごしまんま号には段ボール箱と昨日買った猫餌が積んでありました。
段ボールに猫餌をバラまいてガッツ石松を呼ぶと、躊躇せずに段ボールの中へ入るではありませんか。
段ボールのふたを閉め、猫をかごしまんま号に積んで帰社し、かごしまんま事務所に行き、「あのあの、猫が、ボロ雑巾でガッツ石松のような猫がいてさ、悪いけど今から獣医さんへ行って来るから」とスタッフへ言い残し、猛ダッシュで獣医さんへGOしました。
背中越しにはオババの「うちんなかではもう飼えないからね~!」の叫び声を聴きました。
ガッツは酷い疥癬と猫風邪と脱水症状で体重が2kg台でした。薬と水分を投与し、オババ邸の倉庫で埃を被っていたケージを組み立てて、とりあえずたくさんの水と餌をやり続けたら、10日で体重が4kgになり、疥癬も治っていきました。だんだんボロ雑巾ではなくなり、顔もガッツから東山紀之似のイケメンになってきました。
トラ猫のオスで、毛もキン●マも金色なので『きんちゃん』と名付けました。
オババの納屋で飼い始めたきんちゃんは、その後の検査で猫エイズキャリアと分かりました。疥癬は良くなってきましたが猫風邪は酷いまま。そして今は1年で一番寒い時期。決心して我が家に迎え入れることにしました。
先住猫のちづちゃんはさあ大変。猛烈に怒って威嚇です。
でもきんちゃんはおとなしい性格。ちづちゃんも、ちょっとずつ距離を許してくれているようでした。
ちづちゃんと早く仲良くなりたいきんちゃん。ちづちゃんが寝ているそばにそろりそろりと近づき、なんとか隣で横になることに成功。あとは首を床に着地するだけです。ちづちゃんの怒りを買わないよう、慎重にゆっくり時間をかけて首を床に下ろしていくきんちゃん。ついに首が床に着地成功。目を瞑り眠り始めました。
しかし運悪くそこはちづちゃんの耳元。きんちゃんの鼻息が耳の中にガッツリかかる位置でした・・・。
まだ気を許していないガッツ石松から風邪混じりの鼻息を耳元に吹きかけられ続けるちづちゃん。固唾をのんで見守る私。ものの1分でキレたちづちゃんの高速猫パンチが3発!眠っているきんちゃんにクリーンヒット。目を瞑ったまま硬直状態で突然の暴力に耐えるきんちゃん。ニャニがニャンだかわからず困惑しつつも目を瞑って不自然な姿勢のまま。それを見て「ニャニ寝たふりしてんのよ!」と怒り爆発のちづちゃん。さらに猫パンチを2発、きんちゃんにお見舞いしたのでした。(Twitterやインスタにこの様子の動画をあげております)
猫の生態のなかに、人間の行動や感情の原型を見た思いがしました。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江