2020年2月18日

Feb 17. 2020 かごしまんまだより

【薬食同源】(すみません、先週のほぼ再掲です)
新型インフルエンザが連日報道されています。冬は様々な感染症にかかりやすい時期。気をつけたいですね。
マスクとうがい・手洗いが予防に有効な手段ですが、身体の内側から免疫力を上げていくことも非常に重要です。
昔から中国や韓国では『薬食同源』という考えが重んじられてきました。
食べるものや飲むものが身体をつくっていき、日々の食材や料理がお薬そのものなのだ、ということです。
季節にそった自然からの恵みをバランスよく食べることがお薬であり、病気の予防になるという考えです。
現代人は野菜摂取量がどんどん低下しています。スーパーからは『旬』が消え、人々はいつもキャベツやもやしなど代表的なものしか買い物かごに入れていきません。しかし昔はもっと旬の色々な野菜を食べていたんです。
実はそれが、私たちの健康の理にかなっているのです。
例えば今日の野菜セット。裏面をぜひご覧ください。
アブラナ科チームにはビタミン類・Ca・K・葉酸・グルコシノレート(癌予防成分)が含まれます。
なかでも大根は、多種類の酵素が含まれる『酵素の王様』。できれば生でどんどん食べて欲しい野菜です。
ジアスターゼはご飯やパンなどのでんぷん質の消化吸収を助け、プロテアーゼは肉魚類を柔らかくして消化吸収を助けます。プロテアーゼはタンパク質分解酵素なので、ウイルスの主体であるタンパク質を溶かす効果も期待できそうです。オキシターゼは、焼き魚の焦げに含まれる発がん性物質を解毒してくれる働きがあります。焼き魚に大根おろしが添えられるのは、先人の本能的な知恵なんですね。
小松菜や菜花は、ほうれん草よりも鉄分・Caを含み、貧血や骨粗しょう症予防に役立ちます。
アブラナ科チームに多く含まれるビタミンCは水溶性で茹でると水に溶け出して失われるので、ゆで汁ごと食べるスープや鍋がおススメ。だから私達は冬に白菜の鍋物を食べたくなるのかもしれません。
菜花は、私達の身体の季節スイッチを押してデトックスを促してくれます。アブラナ科チーム、すごい!!
他科の野菜もすごいです。深ネギは、古くから様々な薬効がある野菜として知られています。殺菌効果があるので、風邪ひいた時には昔から重宝されてきました。独特の香り成分は硫化アリルで、ビタミンB1の吸収を助け、疲労回復や冷え性の改善、がんや動脈硬化の予防にも役立ちます。春菊やホウレン草もビタミン類や鉄分・Caなど栄養がいっぱい。特に春菊は、特有の香りのもとであるαピネンやベンズアルデヒドなどの成分が含まれ、風邪などの感染症や貧血・高血圧・動脈硬化の予防効果があります。
こうしてみますと、冬の旬野菜には貧血や動脈硬化、風邪などの感染症、冷え性など冬になりやすい体調不良や癌予防に効果があるものばかりですね。
昭和時代は癌にかかるのは日本人の5人にひとりでした。しかしいまや日本人のおよそ2人にひとりが癌にかかる時代。旬の色々な野菜を食べなくなってきたこともひとつの原因かもしれないな、と感じています。
サプリも色々ありますが、いくら「ほうれん草の○○倍!」とあっても、私達の身体がそれをすべて吸収するとは限りません。野菜も鮮度の高いほうが栄養素も高く、古くなるほど栄養価が落ちます。やはり生きた旬の野菜をとるのが一番の栄養です。さあ、たくさん旬の野菜を食べて薬食同源で免疫力を上げていきましょう!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江