【なぜ『国産』表示なのか】
『九州産納豆 減塩のタレ付』が販売終了となりました。
突然過ぎるメーカーの営業担当Aさんからの電話。「明後日から北海道産の大豆で仕込むことになりました」
いきなりそりゃないっしょ!
年々減る作付け面積と、去年の夏の台風大雨被害でムラユタカという大豆が高騰したのが原因とのこと。
九州の大豆の生産高は、農業就労者の高齢化や台風大雨被害で年々減りつつあります。おそらくこの納豆の原材料が九州産に戻ることはないでしょう。残念ですね・・・。
じつはこういうことは、かごしまんまではしょっちゅうあります。
たとえば『たまねぎ黒酢ドレッシング』。主役の玉ねぎが突然北海道産に切り替わっていたりします。佐賀県産玉ねぎに切り替わるときもメーカーからの連絡はありません。
「そろそろ佐賀県産になったかな・・・?」という時期に、かごしまんまからメーカーに何回か電話で連絡して聞きながら切り替わり時期を知ります。
決してメーカーがいいかげんな体質というわけではありません。
そもそも大半の人は、原料の産地など気にしてないのが現状です。
気にしているとしても、国産かそうでないかだけ。
『国産』とは都道府県でいうとどこを指すのか?と気にしているのは、小さな会社のかごしまんまのみ。
Aさんが産地の切り替わりをかごしまんまに伝えるのをうっかり忘れてしまったのも無理がありません。
つい先日も野菜の市場仕入れ担当業者のBさんが、キレイで美しい大根を納入してくれました。
「うわー、この時期に珍しいほどキレイな大根ですね、産地どこですか?」と聞くと、
Bさんは青ざめた顔で「あ・・・・そういえば青森県産でした。すみませんうっかりしました!」と大根を持ち帰って行きました。かごしまんまの他に納入先がたくさんあるので、つい間違えてしまったのでした。
これからの季節は、大根やニンジンやキャベツがどんどん小さく貧弱になって肌も汚く甘みもなくなります。
これは、大根やニンジンやキャベツが夏の旬の野菜ではないから。
冬には闘わなくていい細菌や虫たちや暑さとの戦いでエネルギーを使うので、細く小さくなって甘みがなくなるのです。夏にチューリップを咲かせられないように、それぞれの野菜にも最適な季節があります。
鹿児島県産玉ねぎもそろそろ様子がおかしくなってきました。中身が大丈夫かどうか確かめるために一部の皮が剥いてあったり、やたら大きくなっていたり変な形だったり。在庫がなくなってきた兆候です。
これらの冬野菜は、これからは九州の中でも高冷地限定で出荷され品薄で高値になっていき、真夏は九州から完全に消えます。そして長野、群馬、青森、北海道産に産地を北上リレーして切り替わっていきます。
原料の産地が切り替わるたびに、食品メーカーが商品パッケージの印刷を変えていけばコストがかかります。
またこれら全ての産地を商品の原材料欄に記入していたらきりがなく、表示スペースがなくなります。
商品の原材料の産地が『国産』としか表示しないのはそういう理由があります。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
梅雨でジメジメしているうえに今年も猛暑です。どうぞ体調第一にお過ごしください!