2020 June

2020年7月前半版

Jun 30. 2020 かごしまんまだより

【なぜ『国産』表示なのか】
『九州産納豆 減塩のタレ付』が販売終了となりました。
突然過ぎるメーカーの営業担当Aさんからの電話。「明後日から北海道産の大豆で仕込むことになりました」
いきなりそりゃないっしょ!
年々減る作付け面積と、去年の夏の台風大雨被害でムラユタカという大豆が高騰したのが原因とのこと。
九州の大豆の生産高は、農業就労者の高齢化や台風大雨被害で年々減りつつあります。おそらくこの納豆の原材料が九州産に戻ることはないでしょう。残念ですね・・・。
じつはこういうことは、かごしまんまではしょっちゅうあります。
たとえば『たまねぎ黒酢ドレッシング』。主役の玉ねぎが突然北海道産に切り替わっていたりします。佐賀県産玉ねぎに切り替わるときもメーカーからの連絡はありません。
「そろそろ佐賀県産になったかな・・・?」という時期に、かごしまんまからメーカーに何回か電話で連絡して聞きながら切り替わり時期を知ります。
決してメーカーがいいかげんな体質というわけではありません。
そもそも大半の人は、原料の産地など気にしてないのが現状です。
気にしているとしても、国産かそうでないかだけ。
『国産』とは都道府県でいうとどこを指すのか?と気にしているのは、小さな会社のかごしまんまのみ。
Aさんが産地の切り替わりをかごしまんまに伝えるのをうっかり忘れてしまったのも無理がありません。
つい先日も野菜の市場仕入れ担当業者のBさんが、キレイで美しい大根を納入してくれました。
「うわー、この時期に珍しいほどキレイな大根ですね、産地どこですか?」と聞くと、
Bさんは青ざめた顔で「あ・・・・そういえば青森県産でした。すみませんうっかりしました!」と大根を持ち帰って行きました。かごしまんまの他に納入先がたくさんあるので、つい間違えてしまったのでした。
これからの季節は、大根やニンジンやキャベツがどんどん小さく貧弱になって肌も汚く甘みもなくなります。
これは、大根やニンジンやキャベツが夏の旬の野菜ではないから。
冬には闘わなくていい細菌や虫たちや暑さとの戦いでエネルギーを使うので、細く小さくなって甘みがなくなるのです。夏にチューリップを咲かせられないように、それぞれの野菜にも最適な季節があります。
鹿児島県産玉ねぎもそろそろ様子がおかしくなってきました。中身が大丈夫かどうか確かめるために一部の皮が剥いてあったり、やたら大きくなっていたり変な形だったり。在庫がなくなってきた兆候です。
これらの冬野菜は、これからは九州の中でも高冷地限定で出荷され品薄で高値になっていき、真夏は九州から完全に消えます。そして長野、群馬、青森、北海道産に産地を北上リレーして切り替わっていきます。
原料の産地が切り替わるたびに、食品メーカーが商品パッケージの印刷を変えていけばコストがかかります。
またこれら全ての産地を商品の原材料欄に記入していたらきりがなく、表示スペースがなくなります。
商品の原材料の産地が『国産』としか表示しないのはそういう理由があります。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
梅雨でジメジメしているうえに今年も猛暑です。どうぞ体調第一にお過ごしください!

Edit by 山下 理江

2020年6月後半版

Jun 22. 2020 かごしまんまだより

【6月の出荷予定変更のお知らせ】
お配りした2020カレンダーの6月について訂正です。
第4週は24日(水)発送予定でしたが、コロナの影響で行事中止となり、通常通りの23日(火)出荷です。

【免疫力を高めるとは】
6月18日号の週刊文春の記事で鎌田實医師がこう仰っていました。
「免疫には『獲得免疫』と『自然免疫』がある。獲得免疫はすごくパワーのある免疫で、感染して抗体ができたり、ワクチンを打ったりして獲得できる免疫。対して自然免疫は、ウイルスが入ってくるとパクっと食べる貪食細胞のパトロールの働きを強化する免疫。獲得免疫ほどのパワーはないものの自然免疫を上げると、実は獲得免疫にも影響を与えて抗体をできやすくします。感染したとしても、重症化するリスクを下げられる。
この自然免疫を高めるにはどうしたらいいかというと、1日のリズム、毎日体内時計をリセットすることが大事。体内時計は1日に25時間でできているので、リセットしないで7日も経つと時間感覚がずれていく。それを避けるためには、朝、太陽の光を浴びることが効果的である。朝、太陽の光を浴びることで、セロトニンというホルモンが出る。これは鬱になりにくくなると同時に、夕方から夜にかけては睡眠ホルモンになってくれる。あとは体を温めることも大切。シャワーじゃなくお風呂に入り、体を温めることでリンパ管の流れをよくして貪食細胞のパトロールを強化する。そのために自然免疫を高めることは重要である」
朝日を浴びるって、生物にとって大切なんですね。自然免疫を高めるポイントとしてよく言われていることは、
① 旬の野菜や果物を食べる
② キノコ類を食べる
③ 鍋料理を食べる
④ 発酵食品を食べる
⑤ お茶を飲む
です。旬の野菜や果物は、その季節に必要な栄養やミネラルを多く含みます。
これからの季節はゴーヤやオクラ。夏バテ防止成分が多く含まれます。「バテない」は一番の免疫力です。
7月に出てくるパッションフルーツにはビタミンCやクエン酸が含まれ、これも夏バテ防止になります。
キノコ類には免疫力を高めるβグルカンやビタミンDが含まれ、食物繊維も多いので腸内環境を良くします。
鍋料理!夏なので暑くてかないませんが、肉魚も野菜も栄養を逃がさず汁ごと全部食べる鍋料理は栄養満点です。
発酵食品は、なんといっても日本人に合うのはまず味噌と納豆です。甘麹(甘酒)や塩麹、醤油麹、漬物も発酵食品です。腸内の善玉菌を増やし環境を整えます。
緑茶に含まれるカテキンには抗ウイルス効果があるといいます。はと麦茶やべにふうき茶、びわ茶、ごぼう茶などもそれぞれ良い成分が入っています。茶葉を入れた急須にお湯を注ぎ、お気に入りの湯呑みやマグカップでホットで飲めば体を温め、リラックス効果を高めます。リラックスできるかどうかも免疫力UPに大切な要素なんですヨ♪

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
梅雨でジメジメしているうえに今年も猛暑です。どうぞ体調第一にお過ごしください!

Edit by 山下 理江

2020年6月前半版

Jun 2. 2020 かごしまんまだより

【6月の出荷予定変更のお知らせ】
お配りした2020カレンダーの6月について訂正がございます。
第4週は24日(水)発送予定でしたが、コロナの影響で行事中止となり、通常通りの23日(火)出荷となりました。
よろしくお願いします。

【見た目が悪いのは安心な証】
スーパーなどのお店に並んでいる野菜は、市場で競り落とされたものがほとんどです。
市場では、見た目が良くて、大きさや形の規格に合っていて、安いものが王者です。
なぜなら多くの消費者の野菜を選ぶ基準が『安くてキレイであること』だからです。市場は多数決で動きます。
減農薬や化学肥料を使っていないとか、有機JASであるとか、F1種子ではなく在来種の種から栽培しているとか、市場では全く価値がありません。まっすぐで、虫の穴やシミ等がなくて、安い。それが市場で最重要視される価値。
そういう価値観に基づいて作られる野菜は、均一な大きさや形になるようにF1種子で、虫や菌がつかないように様々な農薬を複数回かけ、手間やコストを下げて大量生産されています。
(F1種子・・・種苗会社が人為的に操作した種子で、均一な野菜ができるが1代限りで種を取ることができない)
ところがかごしまんまの野菜は、やたら巨大だったり、逆に小さかったり。曲がりくねっていたり、虫の穴やシミだらけだったり。初めて見たときはびっくりされたことと思います。
特にこれからの季節。野菜セットに入るインゲンやオクラやピーマンやゴーヤは自由に曲がりくねっています。
これらが曲がる原因は主に、虫が実にかみついて汁を吸ったり、細菌が実の表面を攻撃することで野菜自身がキズを治そうとしたりして変形するためです。表面のシミや傷跡やボコボコも同じです。私たち人間の傷跡や火傷の跡と同じように、キズを自分自身の力で治した跡です。もちろん食べても問題ありません。
小松菜やほうれん草や水菜の葉っぱの穴は虫が食べた跡です。たまに虫やカタツムリが隠れていたりします。
そういう見た目の悪い野菜は、原因や理由を知らない消費者には「汚くて悪い野菜」に見えます。
しかし実はそれが自然に近い野菜の姿で、農薬があまりかかってないという目印なんです。
鹿児島は南国なので、虫や菌も元気です。畑にはそれぞれ土の性質や環境があり、その年その年の病害菌や虫の発生に作物や農薬や肥料などを合わせねばなりません。生産者さん自身の年齢や規模・人材面や金銭面の問題など様々な事情があります。なのでかごしまんまからは無農薬や無化学肥料や固定種だけに絞るとか農薬や肥料の指定などのお願いはしていません。生産者さんが無理せずできる範囲での減農薬・無農薬です。
なるべく化学的なものを使わない農業って、想像以上に大変な労力がかかり、失敗だらけ。しかも見た目が悪くて市場では値が付きません。良心的な生産者さんはどんどん廃業していきます。
私たち消費者はそういう事実を知って、私たち自身の健康を守るためにも、生産者さんの事情を思い遣り、生産者と消費者が協力し助け合いながら安全な農業を守っていけたらいいですね。
そうしてお届けする野菜にはいいこともいっぱい。曲がっていたり傷ついていたりするけどたくさん入っていたり。
なにより季節に合わせて自然のままに育つ野菜の美味しさったら!!味が濃くて栄養も免疫力効果も抜群ですヨ♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
どうぞ体調第一にお過ごしください!

Edit by 山下 理江