2020年6月前半版

Jun 2. 2020 かごしまんまだより

【6月の出荷予定変更のお知らせ】
お配りした2020カレンダーの6月について訂正がございます。
第4週は24日(水)発送予定でしたが、コロナの影響で行事中止となり、通常通りの23日(火)出荷となりました。
よろしくお願いします。

【見た目が悪いのは安心な証】
スーパーなどのお店に並んでいる野菜は、市場で競り落とされたものがほとんどです。
市場では、見た目が良くて、大きさや形の規格に合っていて、安いものが王者です。
なぜなら多くの消費者の野菜を選ぶ基準が『安くてキレイであること』だからです。市場は多数決で動きます。
減農薬や化学肥料を使っていないとか、有機JASであるとか、F1種子ではなく在来種の種から栽培しているとか、市場では全く価値がありません。まっすぐで、虫の穴やシミ等がなくて、安い。それが市場で最重要視される価値。
そういう価値観に基づいて作られる野菜は、均一な大きさや形になるようにF1種子で、虫や菌がつかないように様々な農薬を複数回かけ、手間やコストを下げて大量生産されています。
(F1種子・・・種苗会社が人為的に操作した種子で、均一な野菜ができるが1代限りで種を取ることができない)
ところがかごしまんまの野菜は、やたら巨大だったり、逆に小さかったり。曲がりくねっていたり、虫の穴やシミだらけだったり。初めて見たときはびっくりされたことと思います。
特にこれからの季節。野菜セットに入るインゲンやオクラやピーマンやゴーヤは自由に曲がりくねっています。
これらが曲がる原因は主に、虫が実にかみついて汁を吸ったり、細菌が実の表面を攻撃することで野菜自身がキズを治そうとしたりして変形するためです。表面のシミや傷跡やボコボコも同じです。私たち人間の傷跡や火傷の跡と同じように、キズを自分自身の力で治した跡です。もちろん食べても問題ありません。
小松菜やほうれん草や水菜の葉っぱの穴は虫が食べた跡です。たまに虫やカタツムリが隠れていたりします。
そういう見た目の悪い野菜は、原因や理由を知らない消費者には「汚くて悪い野菜」に見えます。
しかし実はそれが自然に近い野菜の姿で、農薬があまりかかってないという目印なんです。
鹿児島は南国なので、虫や菌も元気です。畑にはそれぞれ土の性質や環境があり、その年その年の病害菌や虫の発生に作物や農薬や肥料などを合わせねばなりません。生産者さん自身の年齢や規模・人材面や金銭面の問題など様々な事情があります。なのでかごしまんまからは無農薬や無化学肥料や固定種だけに絞るとか農薬や肥料の指定などのお願いはしていません。生産者さんが無理せずできる範囲での減農薬・無農薬です。
なるべく化学的なものを使わない農業って、想像以上に大変な労力がかかり、失敗だらけ。しかも見た目が悪くて市場では値が付きません。良心的な生産者さんはどんどん廃業していきます。
私たち消費者はそういう事実を知って、私たち自身の健康を守るためにも、生産者さんの事情を思い遣り、生産者と消費者が協力し助け合いながら安全な農業を守っていけたらいいですね。
そうしてお届けする野菜にはいいこともいっぱい。曲がっていたり傷ついていたりするけどたくさん入っていたり。
なにより季節に合わせて自然のままに育つ野菜の美味しさったら!!味が濃くて栄養も免疫力効果も抜群ですヨ♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
どうぞ体調第一にお過ごしください!

Edit by 山下 理江