2020 September

2020年10月前半版

Sep 29. 2020 かごしまんまだより

【旬スイッチを感じましょう】
記録的な猛暑だった夏も、もうすっかりどこかへ行ってしまいましたね。
どこも行けずひたすら悶々と家で耐えるという前代未聞な夏を、子供も大人もよく頑張りましたハナマルです!

季節の変わり目は野菜も変わり目です。ゴーヤや空心菜やヘチマは消え、ナスも高騰、通年あるピーマンも今はちょうど小さいのしかありません。秋野菜もまだまだ小さく値段も高め。野菜好きには一番つらい端境期です。

この時期に台頭してくるのが根菜類。ごぼう、さつま芋、里芋、生姜、ビーツ、レンコン・・・です。
ちょっと調理が面倒なイメージの根菜類ですが、自然の理にかなう栄養が豊富な重要野菜でもあります。
これら根菜類には主に身体を温める成分が含まれ、胃腸を整える繊維質も豊富です。
朝晩の急な冷え込みに対応できない身体の調子をサポートしてくれます。ぜひ積極的に摂りましょう。

ごぼうはサッと皮をピーラーで剥いて適当にカットして茹で、ドレッシングやマヨネーズで和えてごぼうサラダに。
さつま芋はトースターで40分ほど焼いてそのままおやつにしたり、細い場合は皮ごと輪切りにしてお米と黒酒半カップと塩少々とともに炊いてさつま芋ご飯にしたり。
里芋は皮を剥いて茹でて潰してお焼きやハンバーグにすると、子供たちも喜びます。
生姜はすりおろして醤油と混ぜ『生姜醤油』をつくって、豆腐やハンバーグにかけて楽しみます。もみ紫蘇に漬け込んで紅生姜づくりを楽しんだり、生姜焼きや生姜紅茶にしたりと万能選手です。
特に紅生姜づくりはこの時期のおすすめです。1年分くらいつくって保存瓶に入れて冷蔵庫にストックしておけば、焼きそばやお好み焼きや冷やし中華を食べるときに重宝しますヨ。意外なほど簡単に作れるんです。
かごしまんまには『もみ紫蘇』もありますのでぜひお役立てください。
ビーツはすごい赤色が気にならなければ鶏肉と炒めて塩コショウで食べるのがおすすめ。見た目はすごいですが、ビーツの甘さと鶏肉のうまみと塩コショウがマッチして後を引く美味しさです。ビーツのピクルスは王道ですね。
旬のはじめのレンコンは、ぜひシンプルに炒め、醤油・黒酒(またはみりん)・粗糖を絡めてきんぴらにして食べてみてください。エノキやカツオ粉末をトッピングするとさらに美味しさUPです。

旬の野菜を食べると、身体が喜ぶような美味しさを感じます。これを私は『旬スイッチ』と呼んでいます。
人間も自然界の一部。動物も人も、自然のサイクルに合った旬のものを食べると身体が喜ぶ仕組みになっているのだと思います。秋は食欲が増して身体に脂肪や栄養を蓄えようとする動物が多いです。牛もそうなので、私たちが飲む牛乳の脂肪分も秋冬は増えていきます。栗や木の実や芋類などを食べまくって冬に備える動物も多いですね。
旬野菜を食べることで身体の内側からも秋を感じとり、身体全体が秋冬仕様へチェンジしていくので免疫力も高まります。さあ根菜類をモリモリ食べて『旬スイッチ』を感じてくださいネ。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2020年9月後半版

Sep 17. 2020 かごしまんまだより

【台風通過後は野菜の端境期】
特別警戒級といわれた台風10号は、九州接近前になんとか勢力を弱めてくれたので被害もそれほど大きくなくてホッとしました。かごしまんまも数時間ほど停電したくらいですみましたので、台風直後の8日の出荷も無事にできました。しかし舞台裏では大変なことが起こっていました。なんと最寄りのヤマト運輸さんが出荷日もずっと停電していたのです。急遽同じ市内の別営業所のヤマト運輸さんに集荷となり、ドライバーさんたちが本当に頑張っていつも通りの出荷を支えてくださいました。
大きな被害がなかったとはいえ、野菜にとっては大きな打撃となりました。
数年前の台風時にビニールハウスのビニールをはがさずに耐えようとしたところ、骨組みごと大きく曲がって大損害を負ってしまったぐるめ畑さんは、今回の台風では早々にビニールをすべてはがすことを決定しました。
ビニールをはがして骨組みだけにすれば、骨組みが損傷せずに済み、台風通過後に再びビニールを張りなおしてハウスを復活させられるからです。しかしビニールで守られていた水菜や小松菜は、それがはがされたためむき出しの状態になって暴風雨にさらされて壊滅状態になりました。水菜や小松菜の栽培期間は苗から最低でも2週間はかかります。ぐるめ畑さんの葉物野菜の再開は23日出荷分からの予定です
サンフィールズさんもビニールをはがしたので、きゅうりがしばらくお休みです。オクラは台風による強風で擦れ傷が多くできてところどころ黒ずんでしまい、育たずいつもより小さめです、すみません。
上村農園さんはギリギリまで考えてビニールをはがさない決断をしました。強風でビニールの一部が破れ、小松菜や山東菜が泥だらけになってしまいましたが、台風後もなんとか無事に出荷し続けてます。
井之上ファームさんのかぼちゃは豪雨により水没して全滅しました。
市場仕入れのナスやピーマンも、台風後はかなり傷や黒ずみが目立ちます。雨により水を多く含んで傷みやすくなっています。もしくは強風から守られたラッキーでキレイなものが倍の価格となって出荷されています。ゴーヤやヘチマなどのつる性植物の野菜の多くは木ごと倒れたり落ちたりしてダメになってしまい、市場から消えてしまいました。
ニュースでは九州各地の野菜や果物が雨や強風でダメになったと報道されており、だいぶ色々なものが高騰していたり、店頭が品薄になっていたりします。
季節も夏の終わりなのでこうして夏野菜は消えていき、9月いっぱいは野菜の種類が少ない端境期(はざかいき)で、苦しい数週間です。鹿児島ではない九州野菜や冬瓜・生姜やビーツなど補欠選手もセットに入ります。すみません。しかし今年は特にコロナ禍なので栄養や免疫力が欲しいところ。冬瓜君・生姜君やビーツ君は私たちの身体にいい働きをしてくれますヨ♪
10月からは気温が下がってきますので、徐々に秋野菜が出てきて秋色にシフトしていきます。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2020年9月前半版

Sep 3. 2020 かごしまんまだより

【夏の終わりと秋の始まり】
猛暑にコロナに息苦しかった夏でしたが、秋の気配も感じてきました(とはいえ鹿児島は10月末まで暑い)。
収穫しても収穫しても毎日ものすごい勢いで伸び続けていた空心菜やゴーヤやモロヘイヤがいよいよ終わりです。
ゴーヤは大きくならず数も増えなくなってきたら収穫終了のサイン。空心菜の場合は花芽がつくと葉や茎が固くなって終了。モロヘイヤの種子やサヤにはストロファンチジンという毒が含まれるので、つぼみや花を見つけたら強制的に収穫終了です(つぼみや葉や茎には毒は含まれません。1996年長崎で、牛に花が咲いた後のモロヘイヤを食べさせて3頭死亡した事故があります)。
オクラは10月位まで収穫できる品種ですが、これからはアントシアニンの影響で赤く色づくものが多くなり、繊維が固く食べられないものが混じり始めます。また台風が来れば擦り傷が増えてきます。
にんにくも玉ねぎもまだあるにはあるのですが、3月に収穫した貯蔵ものなので夏の暑さで多くに傷みが出て皮をむかないと中身がどうなっているのかわかりません。しかし皮をむくと貧相になるし傷んだ部分を取り除く手間も大変だし・・・で販売終了です。生産者さん自身は、これらを屋根の下の涼しく風通しのいい場所に吊るしておき、傷んだ部分を取り除きながらまだまだ長く食べつないでいきます。
冷蔵庫に入れておけばもつのではないか?と思ってしまいますが、難しいもので、玉ねぎやニンニクや芋類や米類というのは冷蔵庫の野菜室保存にはむきません。多湿により芽や根が出たり、変色したりカビてしまったり、コメはヒビが入って研ぐとボロボロ細かくなってしまったりします。16~20度(つまり春や秋の収穫期の自然環境そのもの)が貯蔵に最適な温度で、しかも多湿だとカビてしまいます。難しいですね~。

秋は台風が心配ですが、もう少し気温が下がってくれば色々な野菜が出てくるので楽しみですね。

さて夏の終わりと秋の始まりのこの時期のお楽しみといえば、日本最南端の多田りんご園さんのりんごです。
9月いっぱいくらいまで、土日を利用して車で往復2時間半かけて私と子供達で収穫しに行ってます(多田ご夫妻はご高齢のため、もっぱら収穫も運搬も私達母子ですwww)。
九州では栽培が大変で生産者さんも高齢化が進みどんどん激減しています。多田さんご夫妻も杖をつきながら歩いています。小さめでキズやヒビもあり値段もやや高めですが、九州最南端のりんごの味は意外なほど格別です。
特にヒビ割れが表面にあるものは「はじけるように熟して甘いですよ~」というサイン。シャクシャク爽やかな甘さを楽しんでください。そして農薬をほぼ使っていない(特に実には全くかけておりませんしワックスがけもしておりません)ので、ぜひ皮ごとシャクリと味わってください。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江