2020 November

2020年12月前半版

Nov 30. 2020 かごしまんまだより

【蕎麦の麺が短いワケ】
今年ももう師走ですね。年越し蕎麦に絡み【そば】のご注文が増える時期です。
同時に『かごしまんまはそばの麺が短い!』という声も多く頂く時期でもあります。
九州の蕎麦の麺、短くてびっくりしますよね~。手打ちそばの短さはもう皆さんに浸透しましたが、乾麺タイプもブツブツ切れちゃう時があります。
私も2011年まで千葉で生まれ育ったので、初めて鹿児島の蕎麦を食べたときは驚愕でした。乾麺メーカーさんに原因を聞いたところ、九州で収穫される蕎麦は、麺のコシや長さを保つタンパク質が少ないこと、つなぎは添加物を使わないこと、乾燥させるときの乾燥率や天候にも影響を受けるのだとか。
関東の人間からしたら、あの麺の短さはホントにびっくりしますよね。商品説明にまだ詳しく書いていない頃は、『年越し蕎麦なのに縁起が悪い!』とお怒りの声を頂いたこともあります。
でも仕方ないんです。そもそもかごしまんま創業のきっかけが原発事故。放射能を避ける食材や野菜が欲しい、という原点から出発して、一緒に農薬や添加物なんかも避けたいし、できればGM(遺伝子組み換え由来の食材)なんかも避けたいよね、でもそうすると一般的な食材よりも色々な欠点も出てくるよね~、が根っこにありますから。
もし一般的な大量生産のメーカーなら、関東の好みやニーズに合わせて麺を長くする添加物を入れ、見た目を良くしたり長持ちさせたりするため発色剤や保存料を入れることでしょう。
もし一般的な大量生産の野菜生産者なら、野菜に虫がついたり穴が開いたり曲がったりシミができたりしないように農薬を何回も使うことでしょう。手間がかからないように除草剤も多用するでしょう。
九州蕎麦の麺が切れやすいのは、産地を限定していることと添加物を使わないことに起因するように思います。
放射能を避け、産地を限定して添加物や農薬やGMを避ける食生活を続けると、不自由な点も多いですが、原因がわかるとさらにこの生活が愛おしくなりますね。ですから疑問点はどんどんかごしまんまにぶつけてくださいネ!
いかに便利で手軽な食生活が、不自然で不健康かということが見えてきます。
ところで「じゃあなぜ北米産そば粉にした手打ちそばも超短いのだろうか?」という疑問が生まれます。
生産者さんにぶつけたところ、『うちは完全に手打ちだから。切れるに決まってる』とよくわからない回答でした。
おそらく長年培われてきたそば粉の目利きとその土地独特の伝統の作り方が、北米産の蕎麦粉でもあの短さを生み出すのではないかと推測されます。地元にとても愛されている蕎麦なんです。
九州の恵みを頂いている私達は『九州のものはこうなんだ、へえ~』と楽しむこともまた必要なのかもしれません。
かくいう私も九州の甘い醤油だけは全然楽しめません。鹿児島では寿司や刺身も甘醤油で食べるんですよ(涙)。
しかもその甘さの元は天然の砂糖ではなく、サッカリンや甘草といった人工甘味料なんです。
この甘醤油が鹿児島人のソウルフードならぬソウル調味料なので、当初は食材探しが難航を極めました。なにせこの醤油が使用されているだけで人工甘味料という添加物が自動的に入るものですから。またその話は別の機会に。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2020年11月後半版

Nov 17. 2020 かごしまんまだより

【10周年記念・原画付き2021カレンダー】
今年も恒例カレンダーができました。とは言ってもたった1枚の厚紙なんすけどね。
カレンダーを作り始めた理由は、スタッフや私の子供達がまだ保育園生だったから。保育園は、祝日やGWや盆暮れ正月は預かってもらえないんです。やむなく祝日は休みに。月曜日が祝日の週は、火曜出荷を1日ずらして水曜出荷にしておりました。そこでお客さんにも出荷日がひと目でわかるようにしよう!と思い立ったのがきっかけです。
冷蔵庫などに貼っていつでも見れるようなイメージで、A4サイズにしました。
かごしまんまが生まれた2011年は、東日本大震災があって、本当に苦しく悩み続けた日々でしたね・・・。
当時私は千葉県在住で、半日がかりでスーパーを何軒もはしごして野菜や食材を探しました。ガイガーカウンター片手に、色々なところに行っては驚愕して落胆する日々・・・。
鹿児島の両親から送られてくる段ボールには牛乳や野菜やお肉お魚がいっぱい詰まっていて、それはまるで宝物のようで、千葉にいる自分の力ではどうにも手に入らなくて、独りでワンワン泣いたことを思い出します。まもなく父が末期がんであることを知り、鹿児島移住を決意すると同時に『段ボールいっぱいの安心な野菜や食材を、自分と同じ気持ちの人に送る仕事をしよう!』と決めました。
そしてかごしまんまのロゴやマークを、当時同じ串良町内に住んでいた画家の大窪顕子さんに依頼しました。
おなじみのイラストは、『鹿児島の豊富で宝石のような野菜や食材を、ママと子供が安心して食べられますように』という想いを、鹿児島の地形とともにいきいきと表現してくださったものです。
このイラストは大変人気で、よく『どなたが描いたものですか?いいですね~』と言われます。
そこで来年の12月で10周年を迎える記念に、カレンダー裏面に原画を原寸大で載せることにしました。
印刷屋さんのプロ仕様の特殊スキャナで原画の色彩を忠実に表現するようにして印刷しました。
大窪顕子さんの世界観をどうぞ楽しんでくださいネ。
原画の世界観を楽しんで頂けるよう、あえてキャッチフレーズや会社名なども加えず、原画そのものにしました。
原画カレンダーをもっと欲しい!!という方は、ご注文時のメッセージ欄等で枚数をお知らせください。
次回の出荷時に喜んで同梱しますヨ♪
現在、大窪顕子さんは欧州在住です。欧州人のご主人と可愛い赤ちゃんと暮らしております。
インスタなどでぜひ彼女のアートをチェックしてみて下さいネ。
あっという間に月日は流れ、子供達もお留守番できる年齢に。おもいきって来年は出荷日を火・金曜に固定します。
山あり谷あり色々ありましたが、これまでかごしまんまを続けられてきたことに、心から感謝です。
まだまだコロナ禍がどうなるのか全く分からない状況です。
もしかしたらまたおうちごはん中心の生活になるかもしれません。
そこで来年の1月は冬季休業を短くして、1月8日も出荷日にしました。
(※旧カレンダーでは、最初の出荷日が13日(水)でしたがこれも12日(火)出荷に変更になります)
年明けも皆様がなるべく早く安心していつものかごしまんまごはんを食べられますように、頑張りまっせ!!

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江