【原材料の秘密その①】
今後、原材料表記を簡潔化するにあたり、皆さんにぜひ知って頂きたいことを、今回のかごしまんまだよりに書きます。
10年間、色々な商品規格書を見てきて経験的に知り得た事実です。
『商品規格書』とは、その商品について詳細が書かれている説明書のようなもので、通常は製造者側が小売側に提出するもので、一般消費者の目には触れません。そこには原材料情報、栄養成分、製造工程、製造工場所在地、アレルゲン情報等が詳細に記されています。
原材料情報には1次原料のみならず2次原料・3次原料そして加工助剤の、加工国と由来原料やその原産国、食品添加物、遺伝子組み換え、アレルギー物質が記載されています。
しかし商品に記載されている原材料欄で消費者が目にするのは、1次原料のみで、かなり簡素化されたものです。
2次原料以下の遺伝子組み換えや添加物情報は全く分かりません。なので2次原料以下の原料に、遺伝子組み換え原料や添加物が入っていることが非常に多いです。
特に遺伝子組み換え原料。日本は遺伝子組み換え作物の有数な消費大国で、世界1位とか3位とか言われるほどです。
『遺伝子組み換え原料を使用している主な食材』(↓暗記しておこう!)
・植物油・業務用醤油・果糖ぶどう糖液糖・コーンスターチ・醸造アルコール・トレハロース等の添加物
例えばポテトチップス。原材料欄を見ると『馬鈴薯(遺伝子組み換えでない)、植物油、食塩』とあります。わざわざ馬鈴薯に(遺伝子組み換えでない)と記載されているから大丈夫じゃね?とイメージしがちですが、植物油はほぼ遺伝子組み換え由来原料です。食品表示法では『油や醤油は加工工程で分解されるから表示義務はない』 ということになっています。
遺伝子組み換え作物は、超強力な枯葉剤(ラウンドアップ等)等の農薬が大量にかかっている可能性が大です。
また、食塩や砂糖は加工助剤をわんさか使用して作られる代表選手です。
加工助剤においても、製造過程で化学変化したり除去されたりして消失するとされ、こちらも表示義務はありません。
なのでもしこれらも避けたい場合は加工助剤を使っている食品を暗記しておくといいと思います。
『加工助剤を使用している主な食材』
・食塩→自然塩(平釜炊きや天日干し)以外の精製塩 ・砂糖類→粗糖以外のもの
・植物油(菜種油・ごま油・米油・パーム油等)→圧搾搾りではないもの全て ・コーンスターチ ・重曹 ・クエン酸
例えばマシュマロ。原材料欄には主原材料がコーンスターチとありますが、それが遺伝子組み換え由来原料かどうかほとんどの製品において書いてありません。なので我が家では産地製造地問わずマシュマロはめったに食べません。
もしもマシュマロの原材料欄に『コーンスターチ(遺伝子組み換えである・亜硫酸水等の加工助剤を使用)』と詳しく記載されていたらどうでしょう?おそらく食べなくなる人が続出して売れなくなるのではないでしょうか。
今、我が国の法律は食品表示をもっと簡素化しようという方向に動いています。[合成]や[人工]の用語も削除されます。売れなくなるような表示はどんどん削除されていく傾向にあります。そんなご時世に抗って日本一詳しい原材料表記を目指していましたが、売上げ激減には対抗できませんでした・・・。会社存続のため、少し簡素化することをお許しください。
かごしまんま10年の信頼と期待を裏切らないよう、今後も『りえし的安全基準』の基礎はブレないようにしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
2022年1月後半版
Edit by 山下 理江