平成26年9月2日(火)

Sep 2. 2014 かごしまんまだより

かごしまんまがある鹿屋市は、山が多い鹿児島の中でもめずらしく平野が広がる地域で、畑や田んぼがそこら中に広がっているところです。しかしこの時期の周辺の畑は芋、芋、芋、芋畑ばかり。暑過ぎて葉物野菜がうまく育たないのです。日差しや熱で溶けてしまったり、虫や病気にやられてしまったり・・・。そんな鹿屋市でぐるめ畑さんや吉田自然農園さんは元気な葉物野菜を作ってくれて本当にすごいなあ、とただただ感心し感謝するばかりです。

【果物をなかなか取り扱えない理由】
今の時期、こちらではスーパーに行くと鹿児島産のスイカ、福岡産の梨やブドウなどがあります。ちょっと前まではマンゴーもありました。こういう果物もかごしまんまのみんなに届けたいなあ、といつも思います。実際に、かごしまんまがスタートした始めの2年間は果物セットも商品にありました。でも問題がたくさんあって、今は休止しています。
まず、気温が高い九州では果物の生産は標高が高く木陰が多い山の中になり、生産地がかごしまんまから遠い場所になります。少量でも配送してくれる生産者がなく、発送の度に果物を取りに行かねばなりません。スタッフが少ないかごしまんまではこれは難しいのです。市場から買い付けた果物ですと鮮度も落ち、生産者の顔が見えないので産地や農薬情報とか詳細が不明です。なるべく生産者から直接仕入れたいなと思っています。
次に、おいしい果物ほど輸送に弱いという欠点があります。熟す前に収穫すれば固いので輸送に強いです。でも美味しくありません。熟した果物は糖度が高く美味しいですが、繊細でちょっとの振動にも弱いです。ですから専用の緩衝材やトレーなどを使うことになるのですが、これの発注が百~千単位。色々な商品を扱うかごしまんまにとってそれぞれの果物に対する色々な緩衝材やトレーの在庫を抱えられる場所も金銭的余裕もありません。
またヤマト運輸さんに聞いてみたところ、スイカは卵と同じく輸送中に大変割れやすいもので、輸送時にはガムテープなどでぐるぐる巻きにして破裂しないようにし、さらに緩衝材をたくさん敷く方がよい、とアドバイスされました。そんなことをしていたら段ボールがスイカと新聞紙だけで満杯になってしまいますね。
みなさまに安全で安心な九州・鹿児島のおいしい果物を届けたいなあ、といつも思っています。でもなかなか実現できないのはこのような事情によるのです。
また、冷凍が必要な肉類や魚類も、冷蔵便商品と同梱できないのでお客様に冷凍便費用を新たに負担してもらわなければいけなくなるのと、かごしまんまに大型冷凍庫を導入しなければご注文量に対応できないため、なかなか商品化にふみきれません。
逆に、えびせんや海苔せんなどのフワフワしたお菓子系は、重量はないけど体積があってかさばって段ボール内での場所をとるので商品化するのをためらいます。
これらのために段ボール箱が2つになって送料が加算されるのはなんだか違うな・・・・と思うわけです。1週間分の必要な野菜や食材を中心に段ボール箱につめて欲しい・・・と願うのです。
物流というのは本当に難しいですね。九州のものを、遠くの関東や東北に安く早く無事に届けるのは本当に難しい。
運送会社のドライバーさんのお仕事ぶりを見ていても、卵が無事に関東や東北に届くのが奇跡に思えるくらいです(本音だしてすみません)。
このようにリクエストされる全ての商品を取り扱うのは難しいのが現状ですが、今できるかぎりのせいいっぱいのことをしていきます。そしてかごしまんまを利用してくれる皆さんの買物ジプシー解消の、少しでもお手伝いをさせて頂いて、少しでもホッとして頂けたらそれで幸いです。
家族のために安全な食や場所を探し求めて日々苦労しているのに、周囲の無理解や心無い言葉に傷つくことがたくさんあると思います。でも決してひとりではないです。同じ空の下、全国に仲間がたくさんいます。気負わず明るく気長にやっていきましょう。スタッフ一同、心から応援しています。

Edit by 山下 理江