2014 August

平成26年8月26日(火)

Aug 26. 2014 かごしまんまだより

卵に関してお問い合わせがありました。「殻が薄く、白身が水っぽくべちゃーっとしている」ということでした。これはかごしまんまの卵の生産者が解放鶏舎というブロイラー鶏舎よりも自然な状態で鶏を飼育しているからです。解放鶏舎は気温も湿度も自然なままなので、酷暑の鹿児島の夏場は、人間もそうであるように鶏も餌より水をよく飲んでしまいます。すると殻が薄くなり卵の中身も水分が多いものになってしまうのです。自然な状態で飼っているのでこのような現象が起こるのです。どうぞご安心してお召し上がりください。
さて、先週の野菜セットには無農薬栽培で頑張っている元気なおばあちゃん、新馬場さんの葉物が入りました(火・水曜日は小松菜、金曜日はチンゲン菜)。ぐるめ畑さんのように虫一匹入らないような立派なメッシュ付ビニールハウスでの栽培ではなく、普通の畑での無農薬栽培なので鹿児島の夏場の葉物は本当に難しく、ほうれん草は暑さにやられ溶けが入って壊滅状態、小松菜・チンゲン菜も病気や溶けはなかったのですがひどい虫食い状態でした。お届けしたお客様のうち何人かの方からは「虫食いが酷い」とお叱りのメールを頂きました。たしかに今回の新馬場さんの野菜は、市場では誰も買い取ってはくれないと思います。スーパーや八百屋の店頭では本当の価値よりも見た目と価格重視だからです。でも安くて見た目がいい野菜は、手間暇をかけずにきれいな野菜にするために農薬がたくさん使われています。虫の全盛期である夏に、自然栽培で虫が食べない野菜はとても不自然です。ですから多くの農家さんは夏には暑さと虫に強いネバネバ系の野菜かゴロゴロ系の野菜しか作らなくなります。キャベツやホウレン草、小松菜などの葉物は暑さに溶けたり虫に食べられまくったりしてなかなかできません。それでもかごしまんまユーザーのために新馬場さんは夏の葉物野菜の無農薬栽培に挑戦してくださっています。すごい虫食いで、新馬場さんもとても申し訳なさそうでしたが、野菜自体は病気にもならず元気でとても美味しかったし、なによりこの暑さの中で頑張ってくださった新馬場さんの野菜を「虫食いが酷いから買い取りません」とは私はとても言いたくありませんでした。
ぐるめ畑さんやヘルシーリーフやフリフリリーフのように整った設備で無農薬・減農薬栽培ができる生産者さんもいれば、限られた農機しかない中で我々消費者の安全のために頑張っている新馬場さんのような農家さんもたくさんいます。安全なものが食べたいけど見た目が悪いのは買わない・食べないというのは、私はおかしいと思います。生産者さんが我々のために作ってくださっているのです。見た目が酷い、というだけで野菜の買い取りをしなかったらどうなってしまうのでしょう。生産者は安全な野菜を作るのをやめ、手間がかからず見た目がきれいな農薬漬けの野菜をつくるようになるでしょう。もしくは農業から人がどんどん離れていくことでしょう。それが今の日本です。だって生産者もまず所得を生み出さねば生きていけないのですから。
ですから、これからもかごしまんまの野菜セットにはたまに虫食いがたくさんある野菜が入ることがあります。
本当に安全な食を守り続けていくには、生産者も消費者もお互いの事をもっと想像し合い愛と思いやりを持つ、という関係が非常に重要です。生産者が消費者を家族のように思えば、農薬や添加物をたくさん含んだ野菜・食材をつくりません。消費者が生産者を家族のように思えば「きれいさ」を過剰に追求しません。そうして本当に安全でおいしい食材が消えずに続いていくのです。かごしまんまはその橋渡しをするためにかごしまんまだよりやツイッター等で情報発信し、生産者には放射能防御や減農薬・添加物・GM防御への理解を話していきます。
どうぞご理解ご協力をよろしくお願いします。

この夏は全国的に台風や豪雨が多かったせいで野菜が高騰しつつある模様です。
特に夏は南の野菜が不足します。もちろんレギュラー選手のキャベツやニンジンやホウレン草や大根は九州では一部の高冷地でごく少量しかできずなかなか手に入りません。
夏野菜は夏バテを軽減するミネラルがいっぱいです。好き嫌いせずに旬の野菜を頑張って召し上がってくださいネ。

Edit by 山下 理江

平成26年8月19日(火)

Aug 18. 2014 かごしまんまだより

お盆休みはいかがお過ごしでしたか。ゆっくりできましたでしょうか。お仕事で忙しかったでしょうか。
私は商談をしに千葉に行って参りました。
色々なスーパーを廻って、野菜の動向も見ました。
店頭では佐賀県産のタマネギや鹿児島県産のオクラ、熊本県産のピーマンも店頭に並んでいましたが、やはり関東・東北の野菜が主流でした。果物は千葉県の梨まっさかりで、あとは福島や山梨の桃がたくさん並んでいました。もやしや牛乳・乳製品、納豆・豆腐、ハム・ウインナーなどの加工肉も関東産が主流で、たまに関西の商品がありました。
賞味期限の長い乾物やお菓子、調味料などは鹿児島のスーパーの商品ラインナップとさほど変わらない感じでしたが、醤油・味噌だけは鹿児島と千葉では全然ラインナップが違いますね。
鹿児島の醤油は甘味料が必ずと言っていいほど入っていたり、味噌も必ずと言っていいほど麦が入っていたりします。関東で親しまれている味とは全然違うので、千葉の店頭にはあまり九州産のものがなく、九州のスーパーでは逆に地元産の醤油と味噌で棚が埋め尽くされています。
ざっと見たところでは、千葉のスーパーでは主に野菜・果物と日持ちしない加工品が関東・東北産であることがわかりました。鹿児島のスーパーではもちろんそれらは九州産が主流です。他の商品はどの地域の店頭でも全国同じように流通しているように感じました。

・・・でもたったそれだけの違いでも、九州へ保養に行くこと・移住することの意味は非常に大きいと思います。空気や大地や水の違い、毎日必ず必要な食材を気にせず買えるということが、どんなにか精神的に救われることでしょう。今からの保養や移住は遅い、という意見もありますが、私は遅いなんて全然思いません。何年かかっても、どんなに短期間であっても、保養や移住の意味は絶対あると思います。精神的に解放される、ということがどんなにか救いになるか、どんなにか笑顔になるか、はかりしれません。
かごしまんまから届く段ボールを開けるそのホッとする瞬間を、ぜひ西へ南への保養や移住においても感じていただきたく願っています。家族や周囲と苦しんだり悩んだりケンカしたりすることも無駄ではないと思います。諦めずに、ご家族にとって最善の方法を模索し続けていってください。

さて、冒頭で「商談をしに」千葉に行って来た、と申し上げました。
そうです♩  千葉のとあるスーパーの店頭にかごしまんま商品を置いてもらう商談です。全部の商品とまではいきませんが、少しでも貴方の身近にかごしまんまがあって食からの応援ができればな、と願っています。
早ければ来月あたりから貴方のそばにかごしまんま商品がやってきます。
すみません、今回は千葉エリアが中心です。
私も諦めずに少しづつ広げていきますので、貴方も貴方の思うことを諦めずに頑張ってください。幸せの形や基準は、人それぞれの心の中にあります。心から応援しています。

この夏は全国的に台風や豪雨が多かったせいで野菜が高騰しつつある模様です。
特に夏は南の野菜が不足します。もちろんレギュラー選手のキャベツやニンジンやホウレン草や大根は九州では一部の高冷地でごく少量しかできずなかなか手に入りません。
夏野菜は夏バテを軽減するミネラルがいっぱいです。好き嫌いせずに旬の野菜を頑張って召し上がってくださいネ。
(今日も暑苦しくてスミマセンッ!!)

Edit by 山下 理江

平成26年8月5日(火)

Aug 5. 2014 かごしまんまだより

先週の金曜日の台風は上陸こそしなかったものの、ものすごい暴風雨で運送会社の方がびしょ濡れになってお仕事していました。しかも南国のせいか、バケツをひっくり返したような雨が突然風と共に襲いかかってきたり、そうかと思えば急にやんだりしてコロコロ変化する女心のような天気でした。
今回の台風の被害はなかったのですが、先の台風8号は、平岡農園さんのトウモロコシ畑をなぎ倒し、ぐるめ畑さんのナスやアスパラやホウレン草に大打撃を与えました。せっかく育てた野菜が収穫できなくなる悲しみと痛手は、想像もつきません・・・・。
日に日に顔が真っ黒に焼けていく野菜生産者の方たちが一様に「自然相手だから仕方ないのよ!」と笑うたくましさに、ただただ敬服するばかりです。

さて先日、ツイートで工場見学の報告をしましたが、もうすぐ温泉水の販売を始まります。続けられる価格帯でおいしくて衛生的で水質管理もしっかりされている安心なお水です。
8月中の開始を考えております。お盆明けには野菜セットをご注文の方にはおまけで温泉水おつけする計画もあります(ただし総重量が15kgを超える場合は、かえってお客様に送料ご負担のご迷惑をおかけしてしまうのでおつけできない場合がございます)。今までお水へのリクエストをたくさんいただいてまいりました。やっと実現できそうです。楽しみにしていてください。

先日、ぐるめ畑シリーズの野菜を生産している企業の会長さんにお会いさせて頂きました。
農業部門を始めて以来、野菜に含まれる硝酸態窒素の削減にずっと取り組んできたご苦労を聞かせて頂きました。
化学肥料や有機肥料に含まれる窒素成分が土壌菌によって硝酸態窒素に変化されて初めて植物は窒素を吸収できます。窒素は植物にとってとても大切な栄養素ですが、動物にとっては有害で、体内で血中鉄分と結合して血中酸素の欠乏を引き起こしたり、ニトロソアミン体に変化しがんの原因にもなったりします。WHOも安全基準値を設け、欧州ではほうれん草に含まれる硝酸態窒素量が規制されていて基準値を超えると出荷できませんが、日本では基準値がありません。日本では野菜の基準値はありませんが水に対しては厳しくなり、今年になって初めて水道法水質基準に関する省令等に亜硝酸態窒素が追加され、水質基準も改正されました。これから注目されていくものだと思います。
そういう中での、ぐるめ畑さんの野菜の硝酸態窒素削減への取り組みはとても大変なものでした。農協や国の補助に頼らず、「厳しいと言われる農業でも、安全でおいしい野菜を作りかつ採算をとれる事業にしていく」という強い信念のもと、手探りで硝酸態窒素と農薬の削減に何年も何年も試行錯誤を繰り返したとお聞きしました。硝酸態窒素を測る検査機関も当初なかなか見つからず、自費で検査機械を買ったりもしたそうです。
また、気温の高い鹿児島では収穫後にどんどん野菜が傷んでいきます。それを防止するために畑のすぐそばにプレハブ冷蔵庫を設置し、収穫後40分以内には必ず冷蔵庫に入れて予冷する、ということを徹底するようにしました。ですからぐるめ畑シリーズの野菜は、傷みやすい根元や葉先がいつもシャキシャキして美しいのです。
新鮮でシャキシャキしていて野菜独特の苦みやエグミもなく化学肥料不使用、農薬も7~10割減らした鹿児島県の特別栽培農産物であり、かつ硝酸態窒素を大幅に削減したとても安全な野菜となってぐるめ畑シリーズの野菜は皆様の家庭に届くのでした。
会長さんのお話の中で、特に強く感銘したのは、「企業は嘘をついちゃいけない。一度嘘をついたら自分らに甘くなり、嘘を平気でつけるようになる。急に大きくならなくてもいい。誠実に、こつこつとただやっていけばいい」というお話。私は、涙が出そうになるのをぐっと我慢して聞き入っていました。
(今日も暑苦しくてスミマセンッ!!)

Edit by 山下 理江