2015 May

平成27年5月26日

May 25. 2015 かごしまんまだより

かごしまんまには毎日のように皆さんからツイッターやメールやご注文時のメッセージ欄に、お礼や応援のメッセージが届くのですが、4月以降は特に「久しぶりに〇〇を料理して食べられました」というお声を多く頂くようになりました。
「初めての焼きそば、早速、注文したモヤシや豚肉、野菜と炒めて、おいしくいただきました。焼きそばを家庭でつくったのは久しぶりです。めんがもちっとして、美味しいですね!」
「311以降、大丈夫かな?と思いながらも恐る恐るブラジルの鶏肉しか食べていませんでした。久しぶりに安心で美味しい鶏モモ肉を食べられて幸せです。」
「中揚げ、あっさりしていて美味しいですね。久しぶりに家族で頂きました。」
「パクチー、こちらでは関東産のものしか手に入らなくて食べられませんでした。かごしまんまさんのパクチーはスーパーのものよりずっと生命力があって力強くて香りがいいです」
「新しいもやしになって本当においしいです。しかも種類が増えて嬉しい。地元で手に入るのは栃木産のですし他の通販では売ってないので助かります」
「黒豚肉、故郷の鹿児島で良く食べた味でした。こちらで同じ味が食べられるとは、感激です」
「お肉と焼きそば、初注文です。楽しみにしています♪
「普通の主婦目線も忘れない新商品開拓、ありがとうございます。かごしまんまさんのお仕事には、いつも『心』や『あたたかさ』を感じて、時に厳しい、時に孤独な被ばく防御の日々に、癒しをもらっています。」
「九州産の強力粉、待っていました!パン作りに外国産のを使っていますが、ポストハーベストが気になり九州産を探していました」
まだまだたくさんの嬉しいメッセージを頂いているのですが、ここに載せきれません。

皆さん・・・・。311以降ここまで本当にがんばって我慢してこられたのですね。
ふと思い出します。311後に鹿児島のこの地に保養に来た時、スーパーや生協にデーリィの牛乳、「九州産小麦の焼きそば」、「九州産大豆の納豆」や豆腐、「鹿児島県産安心咲鶏モモ肉」や「鹿児島黒豚の無塩せきウインナー」や油揚げがたくさん売られていて安心したこと。それと同時に、私と同じように悩み苦しんでこういう食材を探し求めているママたちのためになんとか届けてあげたい、と決意した日のこと。最初の1~2年の、赤字となかなか商品化できない挫折と原発再稼働を止められない無力感に苦しんだこと。でも多くの応援メッセージに支えられ続けて頑張れていたこと。少しづつ商品もお客さんも増えてきたこと。少しづつ、お客さんが西へ住所変更していっていること。
移住した方も移住できないで苦しんでいる方も移住しない選択をした方(選択せざるを得ない方)も、立場や状況は本当に十人十色。どういう生き方の選択が正しいかなんて答えは出てきません。でもどの方も日本にいる以上、家族を守るべく本当に頑張っていることがメッセージだけでなくご注文内容からも伝わってきます。
これからは焼きそば、たくさん家族に作ってあげられますね、311前と同じように。
みなさんの喜びのメッセージを頂くたびに、私の心にも虹がかかります。
かごしまんまをやってきて本当によかったです。ありがとうございます。皆さんとのご縁に感謝です。
少しづつではありますが、これからも皆さんの「我慢してきた食材」を商品化できるよう、頑張ってまいりますね。ですから、たとえ自分の周囲には同じ思いや考えの方がいなくても自分を信じて、TVや新聞からだけでなく自分から情報をとりにいって、淡々と『できる範囲で』自衛してください。チェルノブイリの現在を鑑みても、日本もおそらく長期戦です。決して無理せず、時には自分を許しながら『できる範囲で』やっていきましょう。

Edit by 山下 理江

平成27年5月19日

May 19. 2015 かごしまんまだより

かごしまんまでは仕事中にラジオがかかっているのですが、今日はラジオのパーソナリティが「青梅は金属の棒で落とすのではなくできれば竹などで落とすのがいいと言われています」と話していました。鹿児島ではこの時期は梅の収穫方法がラジオで普通に流れてくるほど梅ジュース(梅シロップとも言います)・梅酒・梅干しづくりが盛んです。
【商品へ込められた願い(青梅・金柑・本葛・馬油編)】
かごしまんまでは主に日常的な食材や野菜を商品化するように心がけておりますが、たまに異色な食材も商品ラインナップしています。青梅、きんかん(現在は収穫期でない為販売していません)、本葛、馬油がそうです。これらは決して日常的に必要なものではありません。今回はその青梅、きんかん、本葛、馬油に込めた願いをご紹介します。
私達は311以降、被曝に気を付けて生活しています。
疲れた時や体調不良または風邪をひきそうな時にドリンク剤や漢方薬などを薬局で探すと、やっぱり何も買えないでいることが多いのではないでしょうか。「このドリンク剤はどこの水で作られているのだろう?」「この漢方薬の薬草はどこで栽培されたものだろう?」「この保湿クリームはどういう原料でどこの工場で製造されているのだろう?」そういうことを考え始めるとスーパーで食材を選ぶ時と同じように悲しくつらく孤独になります。私もそうです。でも九州・鹿児島県産のもので昔ながらの梅ジュースや金柑の甘露煮、本葛、馬油を家に常備するようになってからは本当に安心できるようになりました。
東日本に住まわれている方から「疲れやすくなった」「電車内アナウンスで急病人が出たという放送を聞いた」「風邪などひきやすくなった」という声をしばしばお聴きすることが多くなってきました。
放射能汚染地となってしまった現在の日本で生きるなかで、良好な体調でいるために、または少しでも体調不良になりそうな時の手助けになればいいな、と願いを込めて商品化しているのがこれら青梅、きんかん、本葛、馬油なのです。
梅ジュースは風邪や肉体疲労に効くと言われています。
金柑も喉や風邪にいいそうです。
本葛は有名な漢方薬の葛根湯の主原料と同じ葛根のでんぷんなので、日本では昔から薬代わりとして重宝されているものです。
馬油は天然の保湿クリームです。
これらが納得できる原料と産地なので安心感がまるで違います。
そして自分で頑張ってつくった梅ジュースや金柑の甘露煮の愛おしさは格別です。
意外にも簡単にできてしまうものです。つくる過程も面白さがあります。そして子供たちには母の味の記憶のひとつとなることでしょう。
本葛でつくる葛湯も、漢方薬の葛根湯よりはるかに安くて飲みやすくて美味しくて体が温まります。
『心から安心できてしかも身体の不調に効く』、そういう思い込みがまた精神的にもとても良いのかもしれません。
最近では体調がおかしいなと思ったらこれらを頑張って飲んだり食べたりして体調を整えるようにしているので、風邪をあまりひかなくなりました。
梅ジュースや金柑の甘露煮は母が作っていたので早くから商品化していましたが、本葛や馬油はかごしまんまのお客様から教えて頂き商品化したものです。心から感謝いたします。皆さんこれからもどうぞご指導ください。
さあ、今は青梅が旬(6月初旬位まで)です。この時期を逃すと梅ジュースは作れません。今まで手作りしたことがなくても大丈夫。簡単なレシピをお付けします。今年は頑張って梅ジュースを手作りしてみませんか。

Edit by 山下 理江

平成27年5月15日

May 14. 2015 かごしまんまだより

今年の大隅半島は気温の乱高下が激しく記録的な大雨にも見舞われて、多くの畑の野菜がダメになりました。特にキャベツや大根が姿を消してしまっていましたが、連休が開けて今回は久しぶりに野菜セットへキャベツを入れることができました。しかしなんだか天気図を見ると大きな丸い台風がまた近づいてきているような・・・・。一難去ってまた一難です。
【生産者さんそれぞれで違う農薬の避け方】
今回の野菜セットにはワイルドな無農薬野菜作りでおなじみの新馬場さんの山東菜とチンゲン菜が入っています。初めて新馬場さんの野菜を見る方にはその虫の穴の多さにびっくりさせてしまうと思います。すみません。でも丁寧に洗って虫の穴が開いている葉も気にせず調理して食べてみてください。露地で太陽をたくさん浴びて無農薬で育った野菜の美味しさったら!!力強い大地の味にもびっくりされると思います。
これはかごしまんま専用に新馬場さん(推定70歳・女性)が無農薬で育てている野菜で、「虫食いだらけなので、かごしまんまで買ってもらえないと直売所に出しても売れ残ってしまうのよ」だそうです。
人間にとって美味しいと感じる野菜は、もちろん他の生物にとってもごちそうです。ですから本来野菜は虫が食べて当たり前。でも虫が食べた野菜は見た目がとても悪くなってお店では売れ残っていきます。自然界にいる大量の虫を1匹づつ手で殺していくには無理がありますし人件費がかさみます。そこで一般の農家さんは虫を殺すために畑に一斉に農薬をかけます。すると虫食い穴や病原菌と戦った跡(シミ・キズ)のない綺麗な野菜が安くお店に並びます。見た目がきれいで安い方がお店では売れていきます。
でも虫が食べられない野菜が本当に美味しい野菜でしょうか?本当に安全な野菜でしょうか?私は違うと思いますので、農薬をなるべく使わない生産者さんがつくる野菜を食べたいですし皆さんにもご提供したいと思います。
実は「農薬が嫌いな生産者さん」にも色々個性があります。新馬場さんや井之上養豚さんのように『自然界と共存する畑(いわゆる草ボウボウ畑)』で野菜づくりをされる生産者さんもいれば、ぐるめ畑さんや旭信興産さん(ヘルシーリーフとフリフリリーフの生産者)のように『野菜には虫1匹近寄らせるもんか』で野菜作りをされる生産者さんもいます。ぐるめ畑さんは防虫網戸付の最新型ビニールハウスで完全防御、旭信興産さんはエアーカーテン付の出入り口がある衛生的な植物工場にして虫から完全防御しています(ここだけのヒミツですが旭信興産の社長さんは虫が大っ嫌いw)。また吉田自然農園さんは『虫があんまり来ない品種』での野菜作りをされているので、カラーふだん草とかアシタバとか珍しい野菜が出てくるのです。
同じ「農薬嫌い」でも生産者さんによって色々個性が出る野菜作りで、本当に面白いですね。
余談ですが、農薬を普通に使用する生産者Aさんと減農薬栽培する生産者Bさんとの畑がお隣り同士になってしまうとお互いに悲惨です。なぜならAさんの噴霧する農薬は、風に吹かれて農薬嫌いなBさんの畑に降り注いでしまいますし、逆にBさんの畑で元気に生活する虫さんたちもAさんの畑にどんどん飛来してしまうからです。
そのため生産者さんは、お隣りさんがどのような農法でどのような農薬を使用しているかも重要な関心事です。
ちなみに井之上養豚さんとぐるめ畑さんはお隣り同士でとても仲がいいのですが、かたや虫と共存する畑と、かたや虫1匹入れない完全防御ハウスが隣り同士に存在しているのをこの目で見た時には言葉が出ませんでした(笑)。この時の写真はかごしまんまHPの生産者紹介【井之上養豚】さんの記事に掲載してあります。

安全な食をお届けするため、生産者の皆さんもこのように頑張っています。どうぞみなさんも今の状況や現実を悲観せず、でも思考を閉ざさず、前向きに、自分にできることを一歩づつ、同じ空の下、共に頑張っていきましょう。決して一人ではありません。たしかに私達は少数派ではありますが、全国に仲間がたくさんいます。
無理せず・あせらずに、でも一歩一歩です。

Edit by 山下 理江

平成27年5月8日

May 7. 2015 かごしまんまだより

GWはお休みを頂きまして誠にありがとうございました。
私の連休は雨のキャンプ3連泊という修行のような毎日でしたが、皆さんより一足早く【九州産小粉100%使用の焼きそば】や【九州産小麦粉100%使用のゆでうどん】を調理したり、子供達と【佐賀県産特別栽培米の白玉粉】でおやつをつくったりと、食材はオールかごしまんまで調達できた喜びと安心感に満ちたキャンプを過ごせました。食に安心できる、って本当に心が落ち着きますね。なぜ私達はこんなに苦労しているのでしょう・・・。
この【九州産小麦粉100%の生麺シリーズ】はただ手軽で便利なだけではなく、一般的な同等商品よりもかなり添加物が少なく抑えられていてしかも小麦粉が九州産なのに安くて美味しいんです。すごい。メーカーさんに敬服します。(※焼きそばに付属の粉ソースは原料詳細を追えず、茨城県産となります。)

【1つの食材が商品化されるまで(修正・加筆)】
例えば、A会社さんのお豆腐。これを商品化させるにはまずお問い合わせです。皆さんと同じようにドキドキしながら電話で原材料の産地を問い合わせます。それからA会社さんの営業さんにお話を伺います。賞味期限の短い豆腐をどうやって配送するかが一番の問題です。A会社さんが自社のルート配送を持ち、その配送ラインにのることができればコスト的にも鮮度的にもベストです。近くなら私が取りに行けばいいのですが、遠いと宅配業者に依頼するしかなくなりコスト面と鮮度(賞味期限)の問題が出てきます。極端な話、1個しか豆腐のご注文がなくても送料をかけてかごしまんままで豆腐を運ばねばなりません。特に豆腐やもやし等の日配品は賞味期限が短く、野菜のように発送日ごとに新鮮なものを仕入れなくてはいけません。「遠方の日配品をいかにロスなく安く新鮮に仕入れるか」これが小さな会社のかごしまんまには一番の課題でした。
具体例であげますと、以前のメーカーさんのもやしは宅配便で配送してもらっていましたので、例えばお客様からのご注文が10個しかない発送日でも常に箱いっぱいの量である30個を発注していました。そうして余った分は「おまけ」として使いました。つまり、もやしは赤字の日が多くて本当に苦しかった商品でした。しかも傷みやすいので企業としてはもやしを販売中止にした方がいいくらいでした。しかし千葉にいた身として「九州の安全なもやしが食べたい」という皆さんのお気持ちは痛いほどわかっていたのでなんとか続けてきました。このメーカーさんにも大変お世話になっていましたので、今のもやしに切り替えるのはとても心苦しかったです。しかし新しいもやしは、メーカーさん独自の物流網にのって注文した分だけ新鮮な状態で発送日の早朝にかごしまんまに納入されるので、本当に安心でかつロスがなくなりました。
また、せっかくいい商品があっても問屋さんを通してしか仕入れられないメーカーさんもたくさんあります。今までは、できたばかりの小さな通販会社であるかごしまんまと少量の取引をしてくださるような問屋さんはなかなかありませんでした。しかし少しづつ実績を作りお客さんも増えて地元の信頼を得るようになってからは、物流網を持つメーカーさんとも取引できるようになり、様々な食材の商品化が実現できるようになったのです。

これは、ひとえに応援し続けてくださっている皆さんのおかげです。スタッフ一同、心より感謝いたします。
これからも何度断られても壁や問題があっても諦めずに商品化できるよう頑張っていきますので、どうぞみなさんも今の状況や現実を悲観せず、でも思考を閉ざさず、前向きに、自分にできることを一歩づつ、同じ空の下、共に頑張っていきましょう。決して一人ではありません。たしかに私達は少数派ではありますが、全国に仲間がたくさんいます。無理せず・あせらずに、でも一歩一歩です。

Edit by 山下 理江