2021 August

2021年8月後半版

Aug 15. 2021 かごしまんまだより

【多田りんご園さんが開園】
今年も日本最南端の本格りんご園『多田りんご園』さんが開園しました。前回のまんまだよりに記載したとおり、多田さんは84歳というご高齢なので開園するのかどうかこの時期は毎年ちょっとドキドキしながら待っています。ホッとしました。
「秋映(あきばえ)」という九州の気候に適した美味しい品種が収穫期になり次第、かごしまんまホームページに商品アップしますね。
毎年大人気のこの秋映りんご、小さくて表面にひび割れがあって見た目が悪かったりしますが本当に美味しいんですよ~。多田りんご園さんでは「つがる」もありますが、秋映の美味しさったら!!その土地その土地に合った品種の方が美味しいのは、どの青果でも同じですね。
このりんご、誰が収穫するって、そりゃ私です。だって多田さんは84歳なのですから。
そのうえ多田りんご園さんは宮崎にあるので遠い遠い。私が直接行って1個1個ていねいに収穫しています。
表面にひび割れが出てきたくらいの方が実は蜜が多くて甘くパンパンに美味しさが詰まっている証拠です。
小さくて見た目が悪いのに美味しくて、ホント色々びっくりなりんごです。どうぞ今年も楽しんでくださいネ。

【新商品うらばなし】
『化学調味料・人工甘味料無添加 焼えびめんつゆ』
鹿児島では、えびを殻付のまま焼いて乾燥させた干しえびでじっくり出汁を取って雑煮を作る風習があります。
強烈なエビ感があり、いつもの煮物やつゆがグレードアップします。慣れないうちは、隠し味として使うと料理の味に深みが出ます。

『宮崎名物 肉巻きおにぎり』
あたたためるだけで小腹を満たしてくれる便利食。本来はあたためてから食べるものですが、加熱調理済みなので、自然災害やコロナ禍のいざという時に常備しておくのもいいなと思って商品化しました。
メーカーご協力のもと原材料を詳しく開示していますので、それぞれの判断基準でお選びください。

『ルピナス会の梅干し』
お待たせしました!裏年(うらどし)の去年は在庫がすぐ尽きてしまって、お待たせし過ぎて皆さんの首を長くしてしまいましたね。今年は梅の表年(おもてどし)で豊作でしたので、良いものがたくさんできましたヨ。

『手づくり田舎みそ(麦味噌)』
お母さんと息子さんのお二人で、大きな鍋やザルや木の蒸し器を使って、大きなヘラを使って手作りしている味噌です。麦味噌ですが、そんなに甘くないのにコクがあって懐かしいような味でイチオシです。
便利なプラカップ入り。ぜひ一度ご賞味ください。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年8月前半版

Aug 2. 2021 かごしまんまだより

【高齢化】
今年も山下ぶどう園さんが開園しました。7月25日~お盆くらいまで。このほんのわずかな期間のために、山下さんは1年間大切にぶどうを育てます。巨峰以外のぶどうも何種類かあり、頭上のぶどう棚から数えきれないほどたくさんの色々なぶどうがたわわに垂れ下がっていて、圧巻。まさにぶどう王国です。
「お久しぶりです!今年もお元気そうですね~!」と声をかけると、山下さんは「もう年だからいつまでやれるかわからんよ」と少し寂しそうな笑顔でした。
山下ぶどう園さんも、秋に始まる多田リンゴ園さんもご夫婦で経営されており、共に70歳~80歳というご高齢。若手従業員さんもいません。いつ廃業されてもおかしくない状況です。
実は今、このような状況の生産者さんが日本には大勢います。野菜に比べ、果物の多くは木になるものなので栽培にもお金になるまでにも時間がかかるもの。そして旬が決まっており、収穫期が短め。肉体労働が多く、機械や資材は高額です。苦労して栽培しても台風や大雨などでだいなしになることもあります。機械類や資材の支払いだけが残ってしまいます。なのでもともと生産者数が少数なうえ後継者がいないことが多いです。
近年、果物の価格は上昇傾向にあります。もちろん資材や燃料や配送費などが高騰したことも原因の一つですが、主原因は先に述べたような生産者の高齢化と後継者不足によって廃業が多くなったことによる、供給量の激減なのではないだろうかと推測しています。
このままでは10年後20年後は国産フルーツがさらに貴重な存在になっていき、普通の人には手が届きそうもない価格の高級品になっていることでしょう。
私たちにできることは、買い支えることももちろん大事ですが、こういう問題に声を上げてもっと農業が持続しやすい仕組みになるように政治を動かすことも大切だと思います。

【小豆プロジェクト】
あちこちに相談しまくっていたら、ある日電話がかかってきました。
「自家消費用程度だが、ここ鹿屋で代々ずっと小豆を作っている方がいる。その方が小豆プロジェクトのために小豆を作ってもいいよと言ってくれている」
さっそく連絡を取りました。
りえし「ありがとうございます!お願いします。最高品種の丹波大納言の種をこちらで用意します」
生産者「それじゃ、嫌だ。つくらない」
りえし「へ?」
生産者「うちの小豆のほうが、大納言よりはるかにおいしいもん。うちの種でだったら作ってもいい」
りえし「(むむむ・・・予想外の展開だ。丹波大納言でそろえたかったが、小豆は各地に在来種がある品種。もしかしたら実際に丹波大納言よりも美味しいかもしれない。なによりこの人は鹿屋の貴重な小豆生産者。ここで破談になったらもったいない。ええい、ここはこの人の主張を受け入れて賭けてみよう!)
・・・わかりました、それでは今までの小豆でお願いします!」

皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江