2022 February

2022年2月後半版

Feb 15. 2022 かごしまんまだより

【原材料の秘密その③ 食品表示法】
食品表示法の改正により、原材料表示が変わりつつあります。
色々ありますが大きなポイントは3つ。

重量割合上位1位の原材料の原産国または製造地を表示
『人工』『合成』『化学』『天然』の文字を削除
原材料の『/』以降を添加物とする

主原材料はどこの国でつくられたものかがわかるようになりますが、日本で作られたものは全て『国産』や『国内製造』となります。都道府県表示もOKですが、『国産』表示が主流になります。
そして添加物の欄は原材料とは別に『/』以降に表示され、人工的化学的なもの由来なのか天然なもの由来なのか分かりにくくなります。
また、商品に『〇〇無添加』や『〇〇不使用』の表示もガイドラインの策定が進められています。
これは『人工』や『合成』や『化学』という言葉が、無添加表示のためだけに使用されているからだそうです。

さあ、商品選択サバイバル時代の幕開けです。
消費者にとって表示してほしいものが、法律の改正によって表示してはいけないことになってまいりました。
『人工』や『合成』『化学』『天然』『無添加』『不使用』というワードを、国家が法によって抹殺しようとしています。
まだインターネット上の販売画面には食品表示基準の規制は及びません。
しかし消費者庁は『食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇親会』を10回ほどやっています。同様の規制がされるのも時間の問題です。
なので、かごしまんまも今までのように詳しすぎる原材料表示ができなくなると予想されます。
消費者側に添加物や遺伝子組み換えやその表示に対しての知識がないと、身体に悪いものが入っているかどうかを見抜けなくなる世界にどんどんなっていきます。法のチカラで、みんな良さげな商品になってしまうのです。

これまでかごしまんまだよりでは、3回にわたり『原材料の秘密』シリーズで特集してまいりました。
今後、かごしまんまも法規制に従って原材料表示をしなければならなくなりますが、どうかみなさま、この『原材料の秘密』を記憶にとどめてください。
原材料表示が変わっても、かごしまんまはこれからも添加物や遺伝子組み換えや農薬などがなるべくない食材を選んで商品にしていきます(お菓子や総菜・おせち等の一部商品はご了承ください)。

どう嘆いてもこの国の流れは変わりません。消費者の私達自身がもっと知識をつけて賢く変わっていかねばなりません。がんばってまいりましょう。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2022年2月前半版

Feb 1. 2022 かごしまんまだより

【原材料の秘密その② アミノ酸と甘味料】
今後、原材料表記を簡潔化するにあたり、皆さんにぜひ知って頂きたいことを、かごしまんまだよりに書く第2弾です。
10年間、色々な商品規格書を見てきて経験的に知り得た事実です。

原材料欄でよく目にする『アミノ酸』。これはいったい何でしょうか。
生物学でいうアミノ酸は、タンパク質を構成する物質です。アミノ酸を補給するサプリやドリンクもあります。
しかし食品の原材料欄にあるアミノ酸は、いわゆる『味の素』といわれるL-グルタミン酸ナトリウムと5‘-リボヌクレオチドニナトリウムの配合物の『うま味調味料』です。
これはもともと『化学調味料』とも言われてきましたが、「サトウキビ等の自然由来のものを発酵させてつくるので、化学合成的な添加物ではない」とうま味調味料協会(味の素社等が運営している)が主張し、近年では『うま味調味料』という言葉を推進してきました。
うま味調味料は、インターネットで検索しても危険なのか危険ではないのか結局よくわかりません。『安心・危険ではない』を説明するサイトの多くは製造メーカー側だったりします。
しかしながら商品の原材料表記欄に『うま味調味料』や『化学調味料』と表記せず、一般人には栄養素と混同しやすい『アミノ酸』という表記をするところに姑息さを強く感じます。
個人的には、この『うま味調味料』がたくさん使われている食品や外食屋さんの味は、いつまでも舌に残って不快感があります。そう感じる人は少なくありません。またこのうま味調味料やアジシオを普段使いする人は、本物の出汁や本物の調味料の味が物足りなくなったりわからなくなったりする傾向があります。
なるべくなら無化学調味料の食材を選択したいと思いますが、メーカー側の理由として、品質の安定化や低価格で提供するための必要手段であることも多いので、非常に難しいところでもあります。
かごしまんま商品を見比べても、うまみ調味料使用の加工肉類と無添加の加工肉類とでは、価格も量も倍以上違います。
ご予算やご利用シーン等によって使い分け頂ければ、と思います。

甘味料について。甘味料は種類が膨大です。
しかし前回のまんまだよりに記載したように、基本的には粗糖や黒糖以外はあまり身体に良いものではありません。
上白糖や三温糖・グラニュー糖などは加工助剤を使用しています。果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料の原料には遺伝子組み換え由来原料や化学的なものが含まれています。キシリトールやトレハロースなどの健康っぽいイメージの甘味料も実は遺伝子組み換え由来原料からできています。ステビアや甘草は自然由来原料であるといわれますが、これらが入っているものを食べるとやはり口の中や舌にいつまでも残るような感じがありますね。なるべく摂取しないほうがいい、と思いますが、これらも糖度や品質の安定そして低価格や低カロリーで提供するために使用されることが多いです。
かごしまんま商品も、やむなくアミノ酸や甘味料が入るものがあります。
かごしまんまの商品化において、死守しているラインは『サッカリンを使用しているものは商品化しない』です。加えて甘草やステビアも極力避けます。これら3種の甘味料は味覚を狂わせます。・・・実は、鹿児島の甘い醤油にはこの3種全てが入っています。これがほんと悩みの種で、鹿児島のソウルフードの多くを商品化できない原因であります。

Edit by 山下 理江