2023 January

2023年1月後半号

Jan 17. 2023 かごしまんまだより

【自然栽培の大豆・麦生産者 マルマメン工房さん】
かごしまんまから車で山道を走ること約1時間。
霧島の山あいの小さな田畑の中に、マルマメン工房さんがあります。
ずっとリスペクトしていた大豆生産者さん。先日、ようやくお会いすることができました。
代表の増田さんは福岡県のご出身。建設関係の仕事を辞めて地元を飛び出し、世間を見てまわろうとあちこち放浪して27歳で霧島に辿り着いた時には所持金ほぼゼロ。霧島市役所の職員の方の紹介で、有機農業をしている方と出会い、住み込みで有機農業や地域活動を手伝ううちに農業や食や環境に深く関心を持つようになり、ついに2010年にご自身も霧島の地で大豆や麦の有機農業を始めました。2017年には、継承者のいなかった古い木製の製粉機の購入をクラウドファウンディングで成功させます。有機JASを取得しながらも各商品に有機JASマークをつけていないのは、有機よりももっと自然に近い栽培をしているからだそう。すごい方ですよね。
お会いして開口一番「僕も(かごしまんまの小豆計画を)ずっと気になっていて、よく『小豆も作ってください』と言われることがあるので、そろそろ小豆栽培やりたいな〜、かごしまんまさんと会いたいな〜と思っていたんですよ!」と嬉しいお言葉を頂きました。
優しいお人柄の増田さん。敷地内を色々案内して説明してくださいました。
小豆生産に通じるようなお話もたくさんありました。
「人からよく『鹿児島でなぜ小麦や大豆を?』と言われるんですが、鹿児島で作ったっていいじゃん!昔はみんなどこでも作っていたんだから」
「鹿児島は味噌やあんこなどの手作りが盛んな土地柄なのに、原材料である大豆や麦を作る人があまりいないよね」
「一人じゃ無理だから、生産仲間を増やしたい。機械も共有したり貸出し制度にしたりして工夫していきたい」
「自分一人で終わるのではなく、自分の子供や他の人が繋いでいけるような道をつくりたい。そのためには自分だけ儲けて終わるのではなく、みんなが持続できるような仕組みにしなければいけない」
どのお言葉も、私が周囲に言われてきたこと、私が考えてきたことと、めちゃくちゃ共通していて、増田さんのお話を聞きながら、涙が出そうになりました。が、変な人と思われないようグッと堪えましたよ。
ひとりじゃないんだ、増田さんが前を走っている、大丈夫、私もやれる!そんな心強さを頂いて帰途につきました。
そしてマルマメン工房さんの商品をかごしまんまでも取り扱いさせて頂くことになりましたヨ。
まずはなんといっても節分豆!
「大豆にも色々な種類があって色々な色や味があるんですよ。それを楽しんでほしいです。それぞれに含まれる栄養素も違います。ポン菓子機で丁寧に作りましたヨ」と増田さん。栽培から商品製造まで全て増田さんです。
長引くコロナ禍に、異常な物価高。どんどん上がっていきそうな電気代や税金。気分が暗くなりがちな今日この頃。
今年の節分は、この霧島産の自然栽培カラフル大豆で気分を盛り上げて、邪気やコロナを追い払っちゃいましょう!
そしてなんと!今年からかのや姫小豆の生産もやってくださるとのこと!!
鹿児島での豆生産のスペシャリストである増田さんに小豆を作っていただけるなんて!めちゃくちゃ楽しみです。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年1月前半号

Jan 17. 2023 かごしまんまだより

【2023年もどうぞよろしくお願いします】
なんだかあっという間に2022年が過ぎ去っていったように思います。
2022年は『ここ鹿児島で小豆を生産してあんこをつくろう!』という目標をただひたすら実行していった1年でした。
いつものように資金力ゼロからのスタートでしたので、まずは商工会や銀行や補助金関係に熱いアプローチをかけるところから始まり、企画書や経営計画書をつくり、計画を進めながら、補助金や融資申請を出し続けました。
計画はどんどん進んでいく一方で、補助金には落ち続け、銀行からの融資もなかなかうまく進まず、焦る日々。
あまりにずっと胃が痛むので胃カメラも飲みましたがいたって健康体・・・。
やっと補助金が通り、銀行も融資に乗り気になってくれ、順調に進んでいくと思いきや、今度はあらゆるものの値上げの大波に巻き込まれました。
さらには各種法の規制により「浄化槽を大型にしろ」「排煙窓を設置しろ」等々、有難くご指導されて、急に高額な出費が続くという、胃と心臓に悪いことの連続でした。
しかし何もないところから新しいなにかを生み出すことはとても面白いです。
特に農業に関わるにあたって、まず心掛けたのは『来年もまた続けたくなる農業を』。
日本の農業は、機材は借金を重ねて購入し、人材は自分の家族と外国人実習生を使い、作物は市場で安く買い叩かれてしまうのが現状です。重労働な上にリスクばかりで儲からない。後継者は激減し、高齢化が進んでいます。
この現況で新しく小豆生産に挑戦し来年以降も続けて頂くには、専用機材はこちらで提供し、栽培については講習会や随時相談を受けて伴走し、そして買取り価格を市場よりかなり高くすることだと考えました。
これらを実行するにはどうしても国からの補助金や銀行からの融資が必要だったので、無事に通った時は本当にホッとしました。
市報の広告欄で生産者募集をし、生産講習会を開催し、生産者グループLINEを開設して状況を報告し合い、収穫期に入った今は、購入した脱穀機が各生産者さんの畑をまわっています。
小豆の鞘の様子を語ったり脱穀機を借りにきたりする生産者さんの嬉しそうな顔を見ると、こちらもとても楽しい気分になります。
これからかごしまんま倉庫を改修して、2月には乾燥機と選別機と重量計を設置予定です。
生産者さんたちが代わる代わる来て、これらの機械を使ってピカピカの小豆にしてくださることでしょう。
5月には製餡所も完成し、生産者さんたちがつくってくれた小豆でいよいよあんこ製造スタートです。
「鹿児島で小豆?聞いたことないよ」という世間の常識を、これから数年かけて「鹿児島には、かのや姫小豆があるよね」という認識に変えていく。それが今の私の夢であります。
続けたくなる農業を。これを常に忘れずに。農家さんへの感謝をいつも胸に。
鹿屋の農業が盛り上がるよう、2023年も頑張って参りますよー!
皆さま、旬の野菜セットを食べて応援、何卒よろしくお願い申しあげます!!

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。
同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江