2015 January

平成27年1月23日

Jan 29. 2015 かごしまんまだより

【ハムの袋が膨らんだ!事件】
先日の発送日、ハムを手にしたスタッフが気がつきました。「いつもは真空パック状態のハムの袋がなんだか空気が入ってぶかぶかしています」。点検すると全てのハムのパックに空気が入った状態になっていました。まだ賞味期限内です。初めてのことにびっくりしながら製造メーカーに問い合わせたところ、「真空パック時の不良か、もしくは乳酸菌発酵が進んだ状況かの原因が考えられます」とのこと。そして「ちょっと食べてみてください。酸味があるようでしたら乳酸菌発酵によるガス膨張です」と言われて、スタッフ全員で食べてみたところ、わずかな酸味を確認できました。
メーカーに急いで報告し、急遽その日の発送分のハムを製造してもらうことになりました。
同じ賞味期限のハムでもその前の発送日の分はなんともなかったことから、何らかの原因でかごしまんまの冷蔵庫でハムの乳酸菌発酵があったのでしょう。とにかくお客様にお届けしなければならないのでメーカーまで高速道路で往復4時間かけてハムを取りに行きました。
メーカーによりますと、賞味期限内であっても温度上昇など様々な原因で乳酸菌の発酵が進むこともある、とのことでした。また、これを防ぐには亜硝酸ナトリウムなどの添加物を入れた『無塩せき』ではないハムをつくることだそうです。もしくは商品に「必ず加熱してお召し上がりください」と記載するか。
いやいや、ハムは生で皆さん食べたいですよね~。それに無塩せきだから安心して子供達にも食べさせられるのですよね。
添加物を入れる理由、というのは必ず存在します。それをあえて無添加で作る生産者側の苦労や食の安全へのスピリッツに心から敬服します。無添加で作る、というのは常に品質変化へのリスクが伴います。今回のように賞味期限内であっても何らかの原因で全ての商品がダメになってしまうこともあります。メーカーにとっても小売りである弊社にとってもお客様からのクレームや事故は本当につらいです。それでもなお、添加物をなるべく入れない安全な食材を消費者へ提供する姿勢。無農薬や減農薬で頑張る農家さんたちの姿と重なります。
メーカーからの説明を受けた帰り際、頭を下げてお願いしました。
「これに懲りず、これからもずっと無塩せきのハムを作ってください。よろしくお願いします。お客さんみんな御社に感謝していますから、九州産の無塩せきのハムやウインナーに。」
メーカーの人も笑顔で返事をしてくださいました、「はい!また何かあったらご相談してください。これからもよろしくお願いします」。
乳酸菌発酵が進んだハムでも(商品としてはダメですが)加熱すれば食べられる※、とのことでしたので、その日はスタッフ全員でぶかぶかのハムを持ち帰り、ハム祭りをしました。
※ 乳酸菌は100℃で加熱すると数秒で死滅し、また低温・冷凍状況下では冬眠状態に入るそうです。
そしてその日からかごしまんまのハム・ウインナー・ベーコン置き場は、冷蔵庫の中でもより一層低い温度が安定する吹き出し口付近になりました。
保存料や膨張剤、発色剤を添加すればコストを大幅に下げられてしかも賞味期限が長い加工肉が製造できます。砂糖ではなく人工甘味料にすればほんの数滴で安定した糖度の安価な九州産醤油やつゆや漬物ができます。
でもそれらは本当の意味の安全ではないと思いますし、私達の舌の味覚を狂わせます。
かといって完全な無添加・無農薬の食材や野菜は日常使いの価格ではなくなって続けられなくなってしまう・・・・この難しいバランスをうまくとっていけるような食材を供給していけるように、これからも生産者と協力して頑張っていきます。

Edit by 山下 理江

平成27年1月20日

Jan 19. 2015 かごしまんまだより

【ツイッターやお客様の声は生産者さんも嬉しく読んでいます】
「かごしまんまのケーキセットでケーキ作りました」「かごしまんまの葉っぱ付ニンジンでふりかけつくりました~」「まんまバーガーでこんなハンバーガーつくりました~」というツイートは、生産者さんもとってもとっても嬉しいのでよく読んでいます。
関東から一家で移住してきてぐるめ畑さんで働いているFさんは葉っぱ付ニンジンのあまりの大好評っぷりに「これからもニンジンは葉っぱ付にしてあげたい!」といきいきとして仕事していました。しかし元旦に降りた霜で多くのニンジンの葉っぱが傷んでしまったので、今回は泣く泣く葉っぱをカットしてのご提供です。
パンドォルのヒデさんの奥さんは、食パンやケーキについてのお客様のツイートを必ず読んでRTしています。
生うどんつちやさんも「つゆがなくても麺だけでこんなに喜んでいただけるなんて」と嬉しそう。平岡農園さんに東京からお嫁に来たえっちゃんも、パクチーがおもいのほか好評で幸せそうです。
生産者さんは普段はお客さんからの反響に触れる機会があまりありません。ですから皆様からのツイートやお客様の声、メッセージはとってもとっても嬉しく読んで、そして仕事へのエネルギー源になっています。特にツイートはみなさんよく読んでいます。ありがとうございます。
仕事への一番のモチベーションはお金ももちろんですが、一番は『その仕事によってそれが誰かの役に立ち、誰かが喜んでくれること』だと思うのです。
どうぞこれからも生産者さんに「こんなふうにつくったよ~」「おいしかったよ♪」を伝えてくださいますようお願い申し上げます。

【顔が見える近所のお店】
今はあらゆるところに大型スーパーマーケットがあって何でも買える時代です。
私は一昔前の、八百屋さん・魚屋さん・肉屋さん・豆腐屋さん・米屋さん・パン屋さん・駄菓子屋さん・乾物屋さん・酒屋さん・花屋さん・・・という個人商店が元気な街が大好きです。子供の頃、母に頼まれて一人でお使いに行くと、八百屋のおじちゃんが「おう、りえちゃん。今日は何が欲しいの?メモを見せてごらん」と声かけてくれて一緒に野菜を選んでくれました。そして会計の時に「りえちゃんお使いに来て偉いからこれオマケね!」と人参を1本くれたりしました。お店の人がお客様の顔をひとりひとり覚えていて、それだけでなくそれぞれの状況や家族構成などもわかってくれるような関係のお店もあったりして、買い物はコミュニケーションの場でもありました。魚屋さんでも、母が「煮付けに勧めてくれた魚、すっごくおいしかったわ。ありがとう」と言うと魚屋さんも「でしょう!俺が言うんだから間違えねぇよ」とゴム製の長いエプロンをひるがえしながら嬉しそうに答えたりしていました。その土地に根を下ろして、顔と顔が見える商売をしているからこそお金と商品の交換だけではないコミュニケーションがありました。
もう日本はそんなコミュニケーションを大事にするような個人商店が元気な時代ではなくなってしまいました。
大型スーパーが台頭し、そして『オマケ』は『ポイント』に変わっていき、『声をかけてくれる近所のお店のおじちゃん』は姿を消して、無言の『商品陳列係』や『レジ打ち係』になりました。
かごしまんまはインターネット通販なので、『顔が見える近所のお店』からは対極の位置にある販売形態なのですが、『いつも声をかけてくれたりオマケをくれりする近所のお店のおばちゃん』でありたいと願っています。

Edit by 山下 理江

平成27年1月14日

Jan 13. 2015 かごしまんまだより

新年からのご利用に心から感謝いたします。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【山下家の正月】
りえし「やったー、おせちだ♪煮しめだ♪・・・あれ・・・この昆布巻・・・かんぴょう・・・?」
おババ「かんぴょうなわけないよ!かんぴょうだと理江に怒られるから割り干し大根で巻いたんだよ(怒)。かんぴょうは絶対栃木とか中国だからダメだって理江が言ったんだよ」
りえし「ああ(今回は、)覚えていてくれたんだ、ありがとう。(恐る恐る)・・・で。昆布は・・・?」
おババ「理江がくれた長崎産だよ(怒)!北海道産と違って薄いからふやかすのに苦労したわ、まったく。中身も(うるさく言われるから)魚じゃなくて鶏肉にしてんだよ」
りえし「うおおおお~!ありがとう!!」

おババ(母)は放射NOではありません。関東の親戚や知人から届く深谷ねぎや梨をモリモリ一人で食べます。ただ、娘(私・理江)のためにOKなフードとNGなフードを覚えています。NGな原料のフードはつくっても私が食べないし私が子供にも食べさせないからです。必然的に放射ノウハウを蓄積していきました。
そうしておババと3年間住んで、やっとこのお正月のおせちで安心できました。
皆様からすればこんな羨ましい理解力(?)のおババともまあ色々ありまして、決して仲が悪いわけではないのですが、台所は他人に任せられないおババの気性等まあ色々ありまして・・・・(以下、自主的に省略)。子供達をもっとのびのび育てたくて歩いていける距離のところに私と子供2人で独立して住むことにしました。この年末年始休みはただただ引っ越しとその片付けに追われました。
先日スーパーを覗いてみると、熊本産と福岡産の七草粥用の「七草セット」が売られていました。「千葉にいた頃は生活クラブで買っていたなあ」と懐かしく思いだしながら購入しました。
さっそく新居で子供達と一緒に台所に立ち、一緒に七草を水洗いし、一緒に包丁で刻み、一緒におかゆを作りました。千葉にいた頃、当たり前にそうしていた日々のように。普段はしぶしぶ野菜を食べるような子供達がなんとあっという間にペロリと七草粥を茶碗1杯たいらげました。とってもとっても幸せなひとときでした。311があって、そして父が膵臓癌になって、鹿児島のおババの家に住み込んでからずっと子供にも私にも居場所がないような感覚の日々でした。母子で独立してよかったなあ、と心から思いました。

同時に決意したことが1つあります。それは、この七草粥をつくる幸せを来年は全国のかごしまんまのお客様にもお届けしたい!1年がかりで頑張ってやってみよう、ということです。
野草はすぐ萎れてしまうので7日の夜までに全国にお届けするにはギリギリ5日の朝に生産者からかごしまんまに届けてもらって、5日の午前中にすぐに全て発送しなければなりません。かごしまんまでは5日はまだ正月休みです。私とおババと子供達とで発送作業できるように包装も簡素化して、なるべく安く提供できるようにヤマト運輸さんと送料の交渉をして、冬だから通常便で・・・・色々構想(妄想?)が膨らみます。
来年の1月7日の虹に向けて、頑張っていこうと思います。
よーし、今年もやったるでー!なんて意気込むりえしでありました。
神様からの御用と思って、今年も日本の食を守るべくスタッフ一同、真摯に誠実にやってまいります。

Edit by 山下 理江