2023 November

2023年11月前半号

Nov 7. 2023 かごしまんまだより

【年末年始商品についてお知らせ】
宮崎県の2022年のシラス漁獲量は641tで、1964年以来、58年ぶりに千tを下回ったというニュースが今夏ありました。
宮崎・鹿児島両県のシラス不漁は深刻です。
シラスは成長すると『かえり』と呼ばれるサイズになって煮干しとして加工されます。
さらに成長すると唐揚げやオイルサーディンなどにして食べられる『イワシ』になります。
つまりシラスが獲れないということは、『かえり』もないので田作りも絶望です。
ギリギリまで待ちますが急に魚が増えるということはまずないので、今年は煮干しや田作りはほぼ欠品が確定です。
また『当たり豆』はメーカー製造終了となりました。
今年は魚系のおせち材料の欠品が多くてすみません・・・。

しかし!なんと吉開の蒲鉾さんの紅かまぼこが復活です。
数年ぶりに吉開の蒲鉾さんの紅白かまぼこが楽しめますね!
かごしまんまでは今年は12月いっぱい吉開の蒲鉾さんのかまぼこをお届けします。
この機会にぜひ完全無添加・長崎県産エソ100%・大分県産板使用のかまぼこを思いっきり楽しんでください。
お正月のおせちにご使用の場合は、賞味期限の関係上12月29日出荷(30日か31日お届け)のみとなります。

年末年始商品ではないのですが、無添加オール九州産の即席味噌汁や無塩せきウインナー、非遺伝子組換え飼料飼育の牛乳、大分県産原木栽培乾燥椎茸の商品化が実現できそうです。

【小豆計画について】
ついに2011年からの夢だった『九州産小豆の粒あん』が発売できました!!
地元のこだわりの和菓子・洋菓子屋さんやパン屋さん・お寿司屋さん・レストランに試食してもらうと『小豆の味わいがしっかりしている』『濃厚な味を楽しめた』と非常に高い評価をいただいております。
しかもかのや姫小豆は農薬使っていません。固定種の植物の強さには驚くばかりです。
安心安全な粒あんをどうぞ思いっきり楽しんでください。
年末年始は丸餅と一緒に楽しむのがおすすめですが、パンに塗るのもめちゃめちゃ美味しいです。
九州産小麦・かのや姫小豆のあんぱんも、商品化に向けて試作を繰り返し中です。
こちらもどうぞ楽しみにしていてください。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年10月後半号

Nov 7. 2023 かごしまんまだより

【端境期】
10月は野菜の端境期(はざかいき)。どの野菜も小さく少なく苦しい時期です。
夏野菜は旬の終わりで固く小さく少なくなり、冬野菜はまだ旬の始まりで小さく少ないためです。
特にキュウリやミニトマト・トマトやピーマンなどの1年中ありそうな野菜の、植物本体が軒並み老化して収穫量が激減して高騰しています。
ほうれん草やキャベツなどの冬野菜も少しずつ出始めましたが、まだ暑さが残る鹿児島では大きくならず虫もたくさんいるので穴だらけ。高冷地栽培の盛んな熊本野菜を仕入れたりもします。
あと数週間ほどで気温がぐっと下がり、冬野菜も元気に大きく育ってきますので、しばしご容赦ください。

【金曜日出荷のみにさせて頂いてから】
おかげさまで週の前半は小豆計画事業に専念できるようになりました。
月曜日に小豆の選別や準備作業をして、火曜日に粒あんをつくって真空パック詰めをし、とうとう10月11日の水曜日、地元の野菜直売所に初納品できました。
感慨深くて、嬉しくて、写真を何枚も撮ってしまいました。
かのや姫小豆の粒あんであんぱんをつくって頂いているベーカリーカフェさんから「粒あんが急になくなってすぐ必要!なるべく早くお願い!」という注文FAXが来た数時間後には、車で届けることができました。
地元の和菓子屋さんやパン屋さんに、小豆計画のパンフと粒あんの試供品を届けて回ることができました。
事業再構築補助金事業の完了報告書づくりも本腰を入れることができて、ただいま佳境に入っております。
膨大な資料集めと報告書のオンパレードですが、時間的余裕ができたのでじっくり取り組むことができます。
事業スタートの今は金銭的には非常に苦しいですが、時間のゆとりができたことで焦りや不安がグッと軽くなりました。
なにより、皆さんからたくさんの応援を頂いていることが頑張れる原動力になっております。
本当にありがとうございます!
かごしまんまHPからも粒あんが買えるように、いま商品ページを作り込み中です。
渋切りを最小限に抑え、栄養分と旨味成分を最大限に残した、小豆と粗糖だけのシンプルな粒あんです。
お水にもこだわって、スペシャルティコーヒー店でもよく採用される浄水器エバーピュアを通した水で小豆を炊いています。
私たちはあんこづくりの初心者で下手クソ。そのぶん色々こだわりました。
「九州産小豆のあんこが食べたいなあ」。かごしまんまを利用してくれる皆さんがずっと思っていた夢。
動き始めることができました。
本当にありがとうございます。
通販事業も、変わらずこれからも頑張ってまいります。
どうぞよろしくお願いします。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年10月前半号

Nov 7. 2023 かごしまんまだより

【火曜出荷を休止致します】 (先日のメルマガと同内容です)
2011年より皆様の応援で続けられてきましたが、物価高と電気・ガス・ガソリン代値上げが始まって急激に売り上げが激減していきました。
ここ数ヶ月は金融機関や親族からの借入で会社存続できている状況で、それも限界に達しつつあります。
今月の存続も危険な状況ながら、事業再構築補助金事業による『小豆計画』を始めており、会社を廃業することも困難な状態にあります。
さらには小豆計画事業による建築費や機械類費用も値上げや追加変更が多く当初の予定金額を大幅に上回り、銀行融資の審査やり直しに半年以上費やしてきました。
5月に製餡所が竣工しましたが、増額融資が決定するまで機械類が入らず、工事関係業者の方々に返済を待って頂く状況が続きました。
9月末にようやく融資の全てが決済され、やっと各方面にお支払いできて製餡を稼働させることができました。
地元の生産者さんや和菓子屋さんそして多くの応援に支えられて、初めての製餡で老舗和菓子屋のお彼岸おはぎや人気カフェのあんぱんに採用されました。
しかしながらかごしまんま通販事業へのご注文数が激減しているこの状況下では、週2回の出荷日を維持しながら小豆計画事業を進めることがどうしても困難になってしまいました。
注文数の減少と燃料費高騰で、各生産者さんに負担がかかるようになり、その配送負担を軽減するために各生産者さんのところまで商品を取りに行ったり代わりのものを探しまわったりすることに多くの時間が取られ、私が全く営業活動できない状況に陥ってしまいました。
かごしまんま通販事業は、私の人生をかけた命そのもので、
『同じ気持ちを抱えながら生きている同志の皆さんの買い物代行をさせて頂いている』
という使命と責任を常に持って運営してまいりました。
熊本地震の際にはなぜか弊社に皆さんから多くの応援と寄付金のお申し出が殺到し、半ば背中を押されるようにして被災地へ必要物資を運んだり、支援活動団体のサポートをしたりという貴重な体験をたくさんさせて頂きました。
そして皆様が何年もずっとご注文くださっていること、たくさんのメッセージやメールを頂くこと、欠品や不良品や配送事故へのお許しやご理解をくださることなど、色々なことが救いや励みになってこれまでやってこられました。
かごしまんまを通じて、皆様からいつも応援されていることを感じてきた12年でした。

しかし岸田首相が発表した経済対策において、インボイス制度や消費税・ガソリン税など税金制度に対する見直しはありませんでした。
これらを見直さなければ、国民の苦しい生活は変わらず、農家や個人経営者の多くはますます苦しくなっていくことでしょう。
大企業が少ない田舎では、中小零細企業や個人経営で生きている人が圧倒的に多いのが現状です。
ここ数年の厳しい経済状況に取引先も廃業したり規模を縮小したりして、幾つもの素晴らしい商品が消えていきました。
しかし田舎に元気がなくなれば食料自給率がどんどん低下し、いざという有事に日本がどうなってしまうのかは歴史も物語るように明白です。
かごしまんま通販事業は、地域の生産者さんからの農産物や食材があって、成り立つ事業でございます。

皆さん、申し訳ございません。私に時間をください。
小豆計画を通して、鹿屋の生産者さんと新たな農業を創出し、地域の食産業に貢献するための活動時間をください。週の前半を小豆計画に集中させてください。そのために出荷日を金曜日に集約し、火曜日出荷を休止させて頂きたくお願い申し上げます。
そして世の中の状況の変化に応じて、再び必要となれば火曜日出荷を復活させて頂きたく存じます。
このようなことは本来なら1ヶ月前に申し上げることではございますが、なかなか申し上げることができませんでした。 
深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。どうか皆様のご理解ご協力を、心からお願い申し上げます。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年9月後半号

Nov 7. 2023 かごしまんまだより

【小豆計画、製餡始動】
製餡所に全ての機械類がやっと揃いました。いよいよ粒あんづくりのスタートです。
しかしかごしまんまは誰も本格的な製餡をしたことがありません。10年ものあいだ野菜や食材と向き合ってきただけです。大坂屋さんや製餡機械メーカーさんに製餡を多少教わりましたが、不安材料しかありません。
しかし初めて機械で製餡する前日。
たまたま鹿屋の小豆の歴史を知りたくて、1860年創業の老舗和菓子店の富久屋さんに勇気を出して聞きに行きました。すると店番していたおばあちゃんが快く小豆の歴史を教えてくださって、さらにはかのや姫小豆を復活させようとしていることをめちゃくちゃ喜んでくださって、なんとそこの社長さんが製餡指導してくださることになりました。
もー、ただただびっくりです。だって初製餡の前日にですよ、老舗和菓子屋さんに飛び込んだら助けてくれることになった、なんてウルトラ奇跡ですよ。まさに事実は小説よりも奇なりです。

翌日。不安だらけだった初製餡は、一転して和菓子の師匠が降臨したギフトな時間に変わりました。
小豆を扱う手さばきも、餡練り機とピッタリ合う呼吸も、道具を大切にする作法も、師匠の一挙手一投足にただただ感動して、あっという間に50kg近くの粒あんができました。
師匠がいてくださって、本当に助かりました。製餡そのものだけではなく、機械や道具類の洗い方やアリ退治の極意まで、惜しみなく教えてくださいました。
かごしまんまスタッフだけで製餡していたら、と思うとゾッとしました。それほど大変な作業でした。
「どうしてこんなにも親切にしてくださるのですか。本来なら何年も厳しい修行を積むのが和菓子の世界だと思っていました。それをこんなにも惜しみなく教えてくださるなんてただただ感謝です」とお礼を述べると、
師匠はこう仰いました。「だってこんな誰もやらないようなことを借金してチャレンジしようとしてるんだもの。鹿屋の小豆を復活させてうまくいけば鹿屋の地域おこしにもつながる大切なことだもの。応援するでしょ、そりゃ。教えられることは教えますよ僕は。また製餡する時には僕を呼んでくださいね。時間があるときは来ますから。頑張りましょう!」

製餡した次の日。師匠もとい富久屋の社長から電話がかかってきました。
「ねえ昨日のあんこの売り先、決まっているの?決まってないのなら少し買い取るよ。
流通網が発達していなかった一昔前までは鹿屋はみんなこの小豆だったんだから。美味しいってみんなわかるよ。
良い小豆だからお彼岸のおはぎ作るからさ。頑張って売ろうよ」
毎日のように私を涙ぐませる富久屋さんでした。
富久屋さんのおはぎ。それはもう、最高に美味しいおはぎでした。
初製餡はこんな感じでとても記憶に残るものとなりました。
みなさんに九州産小豆の粒あんをお届けできるのも、もうすぐです。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江