口永良部島の大噴火や桜島による影響を心配された多くの方々から励ましのメールやメッセージを頂きました。幸い、かごしまんまのある大隅半島には特に目立った影響はありませんでしたが、噴火で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
国は口永良部島の避難が長期化する恐れもあるとして仮設住宅の検討を進めているようです。
建築士としては、仮設住宅というものは建築確認もいらないまさに「仮設」で、住むにふさわしいとは到底言えない最低なものだと考えています。千葉に住んでいた時に仕事柄、311の仮設住宅の設計図を見たことがあります。外見は一見すると普通の長屋に見えますが、実はただ屋根と柱と床材と壁材があるだけで、断熱材もなく窓も単板ガラス、資材も設備も広さも最低です。もちろん防音もされていませんから隣人のくしゃみや話し声は丸聞こえです。断熱材がないので、夏は屋根からの輻射熱で家の中にいても熱中症になる危険があり、冬は凍死の危険性があるほどです。断熱材がない家で冬にストーブを炊くと結露がものすごく発生します。しかも単板ガラスなので、窓の結露とカビは床を腐敗させるほどです。「長期化する」とわかっていながら、どうして国はそんな住宅を国民に提供するのでしょうか。そんな過酷な住環境に、311の東日本大震災以降ずっと住み続けざるを得ない方々が今も大勢いるという現実に憤りさえ感じます。
たしかに仮設住宅は緊急性が高いので建築確認などの諸手続きを省略しなければならない事情はあると思います。でも、長期化するとわかっていて建てる「家」なのですから、せめて断熱だけは義務化を望みます。国民の仮設住宅は劣悪なのに、外国の人が1か月ほどしか滞在しないようなオリンピック村は豪華な建築計画があるなんてなんだかおかしな話です。
食材になんにも関係ないお話になってしまいましたね、すみません。
さて、鹿児島の桜島が昭和噴火や大正噴火のような大噴火が起きた場合、現実問題としてかごしまんまからの野菜や食材はどうなるでしょうか。シュミレーションしてみましょう。大正・昭和噴火規模ですと、風向きやタイミングにもよるかとは思いますが、緊急に鹿児島市や霧島市などの桜島に近い生産者からの商品はキャンセルになる可能性があります。これらの地域は降灰が凄すぎて視界不良となって輸送が止まる可能性が高いからです。
かごしまんまからの九州自動車道や一般道のルートは桜島付近を通らないですむう回路が幾つもあるので、その他の地域の生産者からの輸送も止まらないと思われます。よって、商品のお届け自体はおそらく止まることはないかと思われます。
しかし風向きが悪い時期(具体的には秋冬)ですと大隅半島の野菜全体が降灰の影響を受け、最悪の場合はご注文をストップさせて頂くかもしれません。返金等の諸対応はできると思います。しかし・・・
もしもそれ以上の、カルデラが形成されるような破局的な大噴火が九州のどこかで起こった場合は、おそらく1,2週間以内に九州が壊滅してしまうことでしょう。そして1か月以内に日本中は灰雲で覆われ、そのまた数か月以内に北半球全体が灰の雲で覆われ、最悪な場合は3年くらい太陽の光が遮られて冬の世界になるであろうといわれています。
そうなった場合は飛行機も飛べず、原発はおろか日本中のあらゆる機能が麻痺していますので、かごしまんまからのお届けはもちろん返金も困難であると思われます(その時点で私もスタッフもあの世の人になっている可能性が非常に高いです)。そして、太陽光が届かない世界は植物が育たないので北半球を食糧難が襲います。そうなりますと食料自給率が低い日本はまさに破局です。
そしてそういう破局的な噴火は地球の歴史上、数千年~1万年に1度くらいの頻度で必ず起こっている事象であります。皆さんが中学の社会で習った、この大隅半島を覆う「シラス台地」も破局噴火でできた賜物です。破局噴火は、北半球のどこで起こっても、私達全員が破局する危険性をはらんでいます。