平成29年1月17日20日

Jan 16. 2017 かごしまんまだより

【野菜セットが冬らしく重く充実してまいりました】
いやあ、ここ数日は本当に寒いですね。鹿児島でも朝は氷点下で霜が降りています。でも台風16号と天候不順そして暖冬の影響でずーっと不作・高騰が続いていた鹿児島野菜が、やっとここ数日グッと気温が下がったのでググーンと育ってくれて、野菜セットに今季初の白菜をお入れすることができました。
暖冬は私たち人間には過ごしやすいですが、冬野菜には大打撃だったのでホッと一息です。しかし嬉しい悲鳴!冬野菜の時期は、段ボール箱に詰めるのが大変!野菜が大きくて重いので梱包泣かせです。
「白菜め、この野郎ぅ・・・」とちょっぴり思いながら奮闘して詰めていってます。
寒いこの時期はあったかい鍋で白菜や大根やニンジンやネギをハフハフしながら食べたくなりますね。これは私達の本能が旬の野菜の栄養で身体を温めて体調を整えて免疫力を高めたいと欲しているからです。自然の力は本当に不思議で、冬野菜は身体を温めるものが多いです。また冬は風邪になりやすい時期ですが、風邪に効く金柑やミカンなどの柑橘類が収穫期なのも、自然の偉大さと不思議を感じますね。
スーパーには季節や産地を問わず色々な野菜が並び、現代人の私達は旬を忘れてメニューを決めてから野菜を選んでしまいがちです。今は旬ではない野菜も時期をずらして栽培して収穫できるようになりましたが、それは農薬のおかげです。旬をずらした野菜は気温や虫や細菌に弱くて農薬を多く使用しないと綺麗な野菜にはならず売り物になりません。例えば白菜やキャベツは暖かい時期に作ると虫が元気よく食べますし日光と暖かい気温のため葉が黄色く焼けたり溶けやすくなったりします。適切な時期でないので野菜も疲労するのか栄養価も低いことが多いです。『旬の野菜が身体に良い』には実に多くの理由があるのです。
そして本来の自然な野菜の食べ方は、『旬の野菜を食べ続けること』です。でも既に『野菜の旬』も知らない人が多い現代。実はこのことが現代人の抵抗力が弱く病気が増えている原因の一つではないかと推測しています。それは、旬の野菜セットを食べ続けているお客さんから「医者に行く回数が激減した」という声が多いからです。私も母子でそう実感しています。以前はぜんそくや皮膚疾患や風邪などでお医者さんにしょっちゅう行っていました。しかし年々私も子供達もお医者さんに行く回数が減ってきています。
冬野菜は身体を温め、春野菜は老廃物を排出するデトックス効果が高く、夏野菜は身体を冷やしてくれたりミネラルや水分補給をしてくれたりゴーヤ等の苦みの中に夏バテ防止成分があります。秋は芋などのでんぷん質が多い野菜で冬に向かってエネルギーを蓄えます。旬の野菜はその季節の人間の体調を整える役割をしてくれているのですよね。自然の力って本当に凄いな、と日々実感します。
かごしまんまの野菜は無農薬・減農薬栽培が多く、硝酸態窒素を低くする(化学肥料不使用が多い)栽培をしているので、より身体に安全でエグミや苦みも少なく身体の調子を整えてくれます。そして多くの野菜がかごしまんま周辺の栽培なので、超新鮮で野菜の力や栄養がスゴイままお届けできるのです。これからも自然の神様に感謝しながら旬の身体が喜ぶ野菜をお届けしてまいります。
『旬の野菜からメニューを決める食生活』をどうぞ楽しんでいってくださいネ。
かごしまんまでの買い物が楽しく、届いた野菜や食材はいつもワクワクするようなものであり続けるように。
おうちごはんが幸せなものになるように。冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。
どうぞ同じ空の下、今年も明るく前向きに一緒に色々な防御を頑張ってまいりましょう。

Edit by 山下 理江

平成29年1月11日13日

Jan 10. 2017 かごしまんまだより

【社会人失格なぶっ倒れ方をしてすみませんでしたっ!】
年末は大変ご迷惑をおかけしました。1年で一番発送量が多い発送日の前日に体調を崩すという、経営者として、いや、社会人として大失格なことをやらかしてしまってすみませんでした!
この、絶対休んではいけない2日間を休んでしまった為、27日の発送分を終わらすことができず、28日に発送させて頂いたお客さんには大変申し訳ございませんでした。
25日の夜中から体中がポッカポカとなって寝苦しいなあ、と思っていたら26日の午前中から身体中の節々が痛くなり悪寒がして39度の熱が出てきて動けなくなりました。(インフルエンザかもしれない・・・)と思いながら早退させてもらいました。発送日当日も動けず、納品書へのメッセージ書きを終わらせたところで無念のリタイア。次の日やっとのことで医者に行ってインフルエンザの検査をしたところ、陰性でインフルエンザではありませんでしたが、こんなにインフルエンザ並みの辛い症状の風邪は初めてでした。しかも1年で一番休んではいけない日に!神様は何という大試練をくださったのでしょう。あ、いや、本当にすみませんでした。

【スタッフのみきちゃんが産休に入り、せなちゃんが退職します】
かごしまんまの創生期を支え続けてくれたスタッフのみきちゃんとせなちゃんがしばらくかごしまんまを離れます。みきちゃんはかごしまんまの発送がスタートして2か月後の平成24年5月から来てくれて助けてくれました。3月に出産のため、2月から産休・育休に入ります。私もみきちゃんもおっちょこちょいであたふたした1年目を送っていましたが、その年の年末にせなちゃんが入社してくれました。せなちゃんは選考時、10人以上もの入社希望者の中でひときわキラリと光っていた宝石に見え、即せなちゃんに決まりました。おちょこちょいの先輩二人のミスをいつもカバーする仕事ぶりと作業効率の良さは、20歳以上も年下なのにいつも尊敬していました。このたび、せなちゃんは本日11日をもってやりたいことのためにかごしまんまからはばたくことになりました。
二人とも、丸4年以上もかごしまんまを支えてくれたとても重要なスタッフでした。20歳だったせなちゃんは24歳になり、20代だったみきちゃんも30台に突入して4年の重さを感じます。
みきちゃんは妊婦なのに、せなちゃんは最後なのに、二人とも年末年始の発送を全力で頑張ってくれていました。この二人を心から尊敬し、誇りに思います(ソノコロ ワタシハ ハズカシクモ ブッタオレテマシタ)。
とってもとっても淋しくなりますが、ベテラン選手に育った翔君と、新スタッフの恵さん、そしてまた新しい人をこれから迎えてこれからも頑張ってまいります。どうぞみきちゃんとせなちゃんにエールを送ってくださいネ。

遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年も美味しくて安全な野菜と食材と、そしてあったかくなるようなココロを共にお届けしてまいります。
周囲の感覚や考えとの温度差、理解してもらえない悩みや苦しみなどまだまだ抱え続けていくかもしれません。調べれば調べるほどつらくなってしまう現状に何度も暗い気持ちになるかもしれません。
でも、かごしまんまでの買い物は楽しく、届いた野菜や食材はいつもワクワクするようなものであり続けるよう、おうちごはんが幸せなものになるよう、これからもこれまでと同じ気持ちでやってまいりますから、どうぞ一緒に頑張って今年も明るく前向きにやってまいりましょう。

Edit by 山下 理江

平成28年12月27日

Dec 27. 2016 かごしまんまだより

【設立5周年を振り返って】
今月の26日で、かごしまんまは登記から丸5年目を迎えます。そこでちょっと今回は私のプライベートを含め5年間を振り返らせてください(すみません!)。
私は生まれも育ちも千葉で、結婚して家族4人で普通に暮らしていました。2011年3月の原発事故以来ずっと買い物や子供達の行事や給食に悩み続けていたさなか、両親(定年退職を機に数年前に鹿児島へUターン移住していた)から連絡がありました。父に膵癌が発覚し転移もしているということでした。余命数か月。背中を押されるように、大好きだった千葉の家と夫から離れて鹿児島の両親の家に母子移住しました。夫のボーナスから借りたなけなしの50万円を資本金に株式会社かごしまんまの登記をしたのが2011年12月26日。1か月後、銀行から融資がおりて『かごしまんま』が始動しました。それまでずっと建築業界にいて、食品業界は初めてで知識もなにもない状態からのスタートでした。注文や送料の仕組みづくりや農家さんや生産者さん探しに日々追われ、最初の野菜セットの発送ができたのは2012年3月中旬で、忘れもしません、5セットでした。その5セットの発送を「よかったね。これで安心してもらえるね」と見送ったあと、父は自力で歩くことができなくなり間もなく亡くなりました。4月9日のことでした。最初の発送を父に見せることができてホッとしたのを覚えています。
父が喜ぶような気がして、葬式当日も休まず野菜セットの発送をしてから葬式に出ました。移住する前から応援してくれていたパンドォルのヒデさんが、私のツイッターで知ったのか葬式会場に駆けつけてくれたのを見た時には涙が止まりませんでした。
発送日の1週間前に注文を締め切って注文分だけ生産者さんに発注するシステムにした事で、お客さんには待って頂くことになりましたが、生産者さんが余裕を持って商品を用意できるので超新鮮なものを届けられるようにしたと同時に、在庫を持たないので赤字が出ないというメリットがあります。また、送料を無理して会社負担にせず、ポイント制も消極的にしたので、それらで利益を圧迫しないため少ない資金の中でも運営できました。
そういう時代に逆行した通販サイトであるにもかかわらず、ツイッターの中で多くの方が応援してくださり、注文してくれたお客さんも次々に喜びや応援のツイートやブログを書いてくれたりしたおかげでだんだんとお客さんが増えてスタッフの人数も今では私を入れて5人になりました。
何もかも初めてで手探りで始まった『かごしまんま』。最初の頃はノウハウもなくてミスが多く、たくさんの方に迷惑をおかけしたり、このまんまだよりで業務や新商品のご相談も何度もしてきました。お客の皆さんからアドバイス頂いたり応援し続けて頂いて、顔が見えなくとも人と人との交流のありがたさに感謝の5年間でした。
生活環境も激変していきました。父が亡くなってオババと子供達と一緒に住むことに無理が出始め、自立して母子で貸家に住むようになりました。人生観の変化で、残念ながら大好きだった夫とも一昨年離婚しました。
でもそんな中でも5年間『かごしまんま』をやってこられたのはただただ皆さんのおかげです。つらい時でもツイッターやお客様の声やメッセージを読むたびに元気になれました。お客さんの悩みやつらさもたくさん共有しました。ご注文時のメッセージと納品書のメッセージとのやりとりやメールは文通のようになっていますね。お客さんと売り手側というボーダーを越えて、顔は見えないけれど同じ気持ちで生きている同志としてお互いに支え合って5年間やってこられたのだなあ、と思います。心から、心から感謝です。皆さんの5年間はいかがでしたか?かごしまんまからの段ボールは小さな幸せをお届けできていたでしょうか?これからも同じ思いの皆さんがいるかぎり、決してあきらめず前向きに希望を持ってやっていきますね。心から、 ありがとうございます 

Edit by 山下 理江

平成28年12月13日

Dec 12. 2016 かごしまんまだより

【今年も気がつけば師走ですね】
今年の目標は2つで、1つ目は鹿児島の美味しい料理酒(黒酒)の商品化です。皆さんが鹿児島の黒酒を年末年始に煮しめに使ったりお屠蘇にしたりできたらとっても喜ばれるのではないかな~、とずーっと考えていました。そして6月から準備を始めましたが、酒類の販売は税金が関係してくるので提出書類が多く、事務所の土地建物の登記簿謄本も必要でしたので謄本を取り寄せてみると、なんと事務所が登記簿上『農地』で所有者が故人(父)のまま、かつ父が使用していた頃は農地で納屋だったので表示登記もされていなかったことが判明。そこからが長かったのです。まず所有者を相続の手続きをして変更するのに1か月。建物の表示登記をするのに1か月。農業委員会に農地転用の申請をするのに1か月。宅地転用後もオババが畑用灌漑用水を使用する為にちょっと農地を残すことになって土地の分筆をするのに1か月。5か月くらいかかって事務所の土地建物の登記簿謄本がまっとうなものになって、それから一般酒類販売の許可申請を先日やっと提出できました。既に順調ではないのですが、これから順調にいけば3月位に商品化が出来そうな気がします。
2つ目の目標は、冷凍食材の商品化です。餃子、焼売、ニュージーランド産のコーンやミックスベジタブル、タコ焼き用のタコぶつ切り、アイス、さつま揚げ用のすりみなど色々商品のめどは立ってきましたが、まだできていないものも多くて・・・。
・・・両方の目標とも年末年始には間に合いませんでしたね、すみません!
今年もおせち用に商品化できたのは例年とほぼ変わらず。放射能と添加物を考慮すると、なかなかOKなものは見つかりませんでした。加工品は本当に悩ましいです。お問い合わせするも「うちは国の基準値以下の安全なものしか扱っていませんので安全です」とか「国産です、としか言えません」というお言葉のメーカーも多く、気持ちが凹んでしまうこともしばしば。いや~、私達ってホントマイノリティですね~。原発事故からあと3ヶ月で6年。世の中、なんにも気にしていない方々が大半ですもの。ますます生きにくくなっていくような気もしています。周囲との温度差で、苦しく思うこともたくさんありましたね。でもこの生き方をするようになって、シンプルな食材で自分で手作りするようになり、どんどん美味しいものがわかるようになって、ますます『おうちごはん』の幸せがわかるようになってきた、という方も多いのではないでしょうか。
旬の野菜を食べ続ける生活のおかげで、お医者さんに行く回数が減ったというお声もたくさん頂きました。今年の夏もよく私達はゴーヤを食べ続けましたね。うちの子供達はゴーヤに慣れたおかげで、いつのまにかピーマンや春菊なんぞは屁の河童、という感じで食べられるようになっていました。慣れってすごいです。
今年もたくさんの嬉しいメッセージやツイートをありがとうございました。皆さんのこの応援や喜びのお声のおかげで、今年も頑張れました。
チェルノブイリの現在を見ても、ハンセン病や水俣病等の歴史を紐解いても、やはり放射能被害の可能性や国の対応というものに私は不安や疑問を感じずにはいられません。同じ思いの皆さんがいるかぎり、決してあきらめず前向きに希望を持ってやっていきますね。来年も皆さんがかごしまんまでお買い物をするたびに、かごしまんまの野菜や食材を食べるたびに、「安心だなあ。楽しいなあ。幸せだなあ。」って思って頂けるよう、やっていきますね。同じ空の下、見えない手をつないで共に頑張っていきましょう。
って、あれ?もう締めくくりの言葉っぽくなっちゃいましたね。気が早くてすみません!

Edit by 山下 理江

平成28年12月6日

Dec 6. 2016 かごしまんまだより

【再商品化した吉田自然農園さんの乾燥ローリエから学ぶこと】
公園に落ちている枯れ葉のような葉っぱが、小さなジッパー袋に入って今回お届けした商品と一緒に段ボールの中にいたと思います。これが無農薬の乾燥ローリエです。今回ご注文の方全員におまけとしてお入れさせて頂きました。落ち葉のようにシミが酷くてびっくりされたのではないでしょうか。市販されている一般的なローリエはシミひとつないので、私も吉田自然農園さんからこのローリエをもらった日は衝撃を受けました。全然違いますからね。
吉田自然農園さんは、去年このローリエを商品化してくれましたがその後ストップしました。私は「月桂樹の葉にも収穫時期があるのだろう」程度にしか考えなかったので、特に吉田さんに商品中止の理由を聞くことはしませんでした。そして今年もシチューやカレーが恋しい帰結になってきてお客さんから「吉田自然農園さんの乾燥ローリエが欲しい」というリクエストの声が出てきたので吉田さんに聞いてみてはじめて、中止の理由を知ることができました。
吉田さんが乾燥ローリエをやめた理由、それは自然農法で作る乾燥ローリエは、市販のシミひとつないキレイな乾燥ローリエとは見た目がかけはなれて違ってしまうことによるものでした。
吉田さんによると、「本格的な乾燥ローリエは、月桂樹の若芽や新葉を使うのではなく、木に1年以上ついている葉を使うので、自然農法の場合はどうしても葉が1年の間に色々な自然状況にもまれてシミやキズだらけになってしまう。それで乾燥ローリエを作るので、シミやキズが少ないものを選んでいたらとてもできない。
でもこれらシミやキズがあっても香りや効能に一切問題はなく、カビではないので安心して普通に乾燥ローレルとして使えるのだけれど、都会の人たちはわからないでしょう・・・。だから供給を中止したの」
ということでした。
たしかに調べてみると、木に1年以上ついた葉を使うのが本格的な乾燥ローリエでした。自然栽培でしかも日本の四季を乗り越えたらシミのない葉は無理な話ですね。
このことを知って、市販のシミひとつないキレイなローリエは一体どのくらい農薬をかけられているのだろうという思いになりました。
それで私は吉田自然農園さんに申し出ました。「吉田さん、もう一度この乾燥ローリエを商品化してください。今度は無選別で、このシミだらけ・キズだらけのまま商品化しましょう。きちんと商品説明しますから。きちんと解説すれば、逆にこのシミやキズが商品の安全性を証明する付加価値ではないでしょうか」

キレイな野菜・キレイな果物が『良いもの』という価値観は、私たち日本人の間にいつのまにか生まれ、しみついていったのでしょう?キレイな野菜=虫や菌が食べられない野菜=農薬がかかった野菜であることがほとんどです。キレイで無農薬・減農薬の野菜は手間暇がかかったり資材や機材の費用がかかったりしますので大量生産も安価にもそうそうできることではありません。
今回みなさんのおうちに鹿児島からはるばるやってきた乾燥ローリエ君をじっと見つめて、どうぞご家族で色々想像したり考えたりしてみてください。そしてぜひ安心なこのローリエ君であったかいカレーやシチューをつくってみてくださいネ。

Edit by 山下 理江

平成28年11月29日

Nov 28. 2016 かごしまんまだより

再掲【パン類が九州産小麦に変更になります】
めったに流さないメールマガジンにて先日お知らせしましたが、かごしまんまのパン類の主原料の小麦粉を12月2日発送分から九州産に切り替えます(現在はカナダ産)。
九州産小麦粉のパンは、かごしまんま設立当初からの悲願でした。しかし九州産小麦粉は他の小麦粉よりも高くてグルテンが少なめなため、普通はパン屋さんでは使用しません。少な目の水分でよく膨らむ海外産小麦粉が扱いやすく安価なので主流です。パン屋さんは地元でパン屋を経営しながら発送日にかごしまんまのパンを作ってくれています。地元の一般的なニーズは『手作りで美味しくて買い求めやすい価格帯のパン』です。一方、放射能や農薬や添加物をなるべく避けて安全なものを食べたい私達のニーズは『九州産でなるべく添加物のないもの』です。パン屋さんがかごしまんまのニーズに合わせると、地元の一般的なニーズに応えられず経営に影響してくるのは想像に難くありません。つまりかごしまんまのパン類の小麦粉を九州産にすると、パン屋さんは九州産小麦粉のパン類と普通の海外産小麦粉のパン類の両方を作らねばなりません。それに見合う注文量がなければ手間の負担と材料のロスがかかりパン屋さんの経営がたちゆきません。九州産小麦粉は水分を多くしないとよく混ざらない、グルテンが少ないせいか膨らみが弱めなので小麦粉の量を多く必要とする、という特徴があります。このため普通の海外産小麦粉のパンに比べて九州産小麦の場合は労力も原料費も上がります。その差、食パン1斤につき原価でおよそ100円でした。・・・高いですね・・・。本当にすみません・・・。大手のパンがスーパーの目玉商品として100円で買えてしまう世の中で、1斤400円を越える食パンはどうだろう?という迷いも正直あります。しかし、パン類は子供達が大好きなもの。特に安全に気を遣いたい。そう強く思う私自身がいました。思い切ってやってみようと思います。嬉しいことに、水分も小麦分量も増えるので味もグレードUPします。
海外産の小麦粉は、船便で数か月かけて海を渡って日本にやってきます。その間、虫やカビが発生しないように殺菌剤や防カビ剤や防虫剤等の薬をかけられたり混ぜられたりします。これをポストハーベストと言います。薬を使用しなければ、小麦粉は虫が発生します(井之上さんの無農薬栽培の小麦粉がそうで、よく虫が発生しています)。野菜や果物も同様で、海外産の農産物は輸送に時間がかかるため、殺菌剤や防カビ剤や防虫剤等の薬を使用してずっときれいなままを保ち商品価値が下がらないようにしています。一般的に農薬はなるべく収穫日から遠ざけて使用します。収穫日の〇〇日前までに使用、と記載があるのはこのためです。しかしポストハーベスト農薬は収穫後の施薬なので、毒性が高く残っている可能性があるのです。
国やメーカーは判を押したように『国が決めた基準値内だから大丈夫』と言います。しかしこの基準値も、単体での摂取の場合であって複合的な摂取量や子供・妊婦への影響やどのくらいの小麦摂取量が基準になっているのかも明確ではありません。この国の数々の公害等の歴史等に照らし合わせても、安心の基準は国にゆだねるのではなく自分自身で調べて判断していかねばならないと思います。
また、九州産小麦を消費することが国内の農業を応援する第1歩だと思います。
不自然に綺麗で虫やカビひとつない輸入農産物より、虫がいるような農産物の方が本当の安心安全です。
今回の改定ではまだ薄力粉を使用するパン類・ケーキ類は九州産小麦にすることができませんが、将来的に九州産にできるよう、無理ない範囲で一歩一歩やっていきます。これからもどうぞよろしくお願いします。

Edit by 山下 理江

平成28年11月15日

Nov 14. 2016 かごしまんまだより

【まだまだ野菜の高値は続いています】
先週のまんまだよりは野菜の異常すぎる高値が主題でした。地元の野菜直売所には、ほんの少しですが葉物野菜が出始めてピークを過ぎた感もありますが、まだまだ野菜の高値は続いています。やや大きめのキャベツが入ってきていますが、価格は例年の1.5倍。しかも11月は旬真っ盛りなはずなのに…(涙)。
あまりに野菜の高騰が続くので、これから多くの生産者さんがいっせいに出し始めて急激な下落が起こることも予想していたのですが、どうやら今後も厳しい状況が続く気配も出てきました。
といいますのも、今、タマネギの苗がどこにもないんです。タマネギは3月位に新玉ネギが出始めるので、今が苗を買って植え付ける時期なのですが、どこも売り切れ。タマネギは家庭菜園クラスであっても、本来なら300株は欲しいところ。それが今年は園芸店に開店前から並んでもひとり100株ずつしか買えないそうです。家庭菜園好きのおババ(我が母)が大変困っておりました。どうやら今年はタマネギの苗の生産地も多くが台風や天候不順でやられてしまって不足状態になっているようです。先日はそのことが新聞にも取り上げられていました。
・・・ということは、来年の新玉ネギの高騰は確定ですね・・・(大泣)。
今の日本の農業は本当に危機的な状況だと考えます。関東など都市部に人口が集中し、農業は田舎に任せられている現状。しかし田舎では過疎化が進んで若者は都市部へ流出し、生産者はどんどん高齢化しています。
先日、近所の生協へ買い物に行ったら卵のコーナーに張り紙がしてありました。『養鶏農家さんがひとり廃業されたため、卵の供給数が不足しています』と。
農業は自然や生き物と向き合う職業です。野菜一つを作るにしても、その畑の土壌の性質やその土地の気候など色々試行錯誤して、その畑に合った品質の野菜を安定してつくれるようになるまで10年かかるといいます。
畜産業も、良い卵や肉質にするために飼料や育て方を何年も何年も試行錯誤していきます。
梅や栗や柑橘類、梨、リンゴ、ブドウなどの果樹から収穫する作物はさらに大変です。植樹してから安定して収穫できるようになるまで10年以上かかり、収穫作業も果樹園の維持も本当に重労働です。そして収穫期以外のシーズンの収入がないので、副業をしなければ生活が成り立ちません。
そういう大変な苦労を重ねている中で、ひとたび野菜や鶏・豚・牛に病気が広まると全部ダメになることもあります。鳥インフルエンザ、口蹄疫、原発事故等がそうですね。手塩にかけて育てたものがいっぺんにダメになる。国からの補償もないに等しい。そりゃ、廃業していきますよね・・・。
そうしてひとりの農家さんが廃業したら、そのぶん供給不足になって徐々に値段が上がっていきます。
多くの人たちにその関心がないまま、日本の農業は着実に衰退への道を進んでいっています。
「野菜が高いから、安い冷凍野菜や輸入野菜を買おう」・・・そんな特集を組んだTV番組もあるようです。
消費者が付加価値を評価せず安くてきれいな野菜だけ求めていけば、自国の農業が絶えていき、農産物を輸入に頼るようになるのはそう遠い未来ではありません。そしてもし戦争や紛争や世界的な不作がおきたときには私達の食料供給は止まりかねない、という危険性がすぐそこまでTPPと共にやってきています。
野菜が不作で高い時の今こそ、全ての生産者さんへの思いやりを持つことがとても重要な気がします。
高くても、小さくても、少なくても、穴があっても、曲がっていても、色が悪くても、全体的に腐っていたり傷んでいたりしなければ買って応援し、悪い部分をカットして、大切に『大地の恵み』を頂こうではありませんか。

Edit by 山下 理江

平成28年11月8日

Nov 7. 2016 かごしまんまだより

【今秋の野菜状況は異常ですね・・・】
いつもだったら6~8玉入りのキャベツ段ボール箱に、今日(11/7)はキャベツがなんと21玉も入っていました。こんなに小さなキャベツが市場からはいってくるなんて初めてのことです。しかも小さくても未熟ではなくちゃんとしたキャベツです。つまり、いいものができずなかなか大きくならなかったから仕方なく収穫した、という感じです。そしてひと箱がとても高値!びっくりします。

今は鹿児島でもスーパーだけでなく温泉の生産者直売コーナーでも小さめの白菜が598円、キャベツが398円、レタスが298円という価格です。しかも数も圧倒的に少ないので店頭がさみしい感じです。
しかし生産者さんが決して悪意を持って価格を高くしたり出し渋ったり小さな野菜を出したりしているわけではありません。なぜなら野菜は収穫期になれば待ったなしで収穫せねばならず、鮮度も命。ストックなんて根菜類くらいしかできません。収穫したらすぐ市場に出さないと売り物にならないのです。収穫できないから出せない。収穫量がないなら価格を高くしないと、生産者さんの生活が成り立ちません。簡単に述べますと、いつもはキャベツ6000玉で生計を立てていたところ、不作で2000玉しか収穫できなかったとしたら、1玉あたりの価格を3倍にしないと生活がたちゆかなくなってしまいます。
台風16号が通過していった地域(主に九州)の野菜は壊滅状態。北海道や東北の野菜の一大供給地域も台風や洪水でやられてしまいました。被害を免れた地域もなぜか今秋は野菜の成長が悪くてなかなか大きく育たないのです。天候不良と言われていますが、今年はそんなに天候が悪かったようには思えないですが、たしか全国的に1月はたくさん雪が降って、ここ鹿屋市でも数十年ぶりに積雪がありました(1月24日)。
こんなに全国的にダメな年はなかなかないのではないでしょうか。
加えて農業従事者人口の減少。肉体的にキツく自然に左右され収入が安定しない農業。若者離れはとまりません。
日本の食料自給率は確実に下がっていっています。
例えばイチゴ。昔は専用のスプーンでたくさん潰して牛乳と砂糖をかけて食べませんでしたか?今のイチゴは高価でとてもそんなことできません。苺スプーンの存在を知らない人も多くなってきましたね。トマトも梨もぶどうも昔はこんなに高くありませんでした。需要に対して供給が低下しつつあることが主原因の一つだと思います。
こんな日本の状況で、TPPによって海外の安い野菜や米が大量に入ってきたら、多くの農家さんは辞めてしまうのではないかと危惧しています。(かごしまんまのお客さんは価値観が違いますが、)世間一般では『見た目がキレイで安い野菜』が売れるからです。海外から入ってくる野菜は例外なくみんな見た目がキレイです。なぜなら日本へ到着した時に品質が悪いようでは日本側に買い取ってもらえません。輸入野菜は消費者へ届くまでの日数がかかるので途中で品質が劣化しないように農薬が通常よりも多く使用されているとみていいでしょう。根菜類や米や小麦粉など比較的日持ちする農産物は、輸送コストが低い船便でやってくるためさらに日本へ到着するまでに時間がかかります。その間に虫が発生したり腐ったり品質が悪くなったりしないようにするにはやはり農薬が使用されます。遺伝子組み換え作物などももっと入ってきやすくなることでしょう。冷凍食材や加工品になっていない限り、輸入作物で無農薬や減農薬ものは非常に数少ないと思われます。
今秋の野菜の状況の異常ぶりは、そう遠くない未来の日本の農業・食糧の序曲のような気がしてならないのです。

Edit by 山下 理江

平成28年11月4日

Nov 2. 2016 かごしまんまだより

【冷凍食材についての進捗状況報告】
冷凍食材の商品化を目指して数か月前から取り組みを始めています。どういう冷凍食材があればいいのか、PB食材(かごしまんまオリジナル)と既存の市販食材の両方を商品化していくのがいいのか、またはどちらを商品化していくのがいいか、皆さんから色々なご意見・アイデアをたくさんお寄せくださり、本当にありがとうございました。PB食材の商品化を希望する声、PB食材と一般商品の両方を取扱い、なるべく買いやすい価格設定にして欲しい、でも無理しないで、との声が多かったです。感謝と有難い思いでいっぱいです。
冷凍庫設備の融資もおりて設置工事も10月末にできました。
目標は年末の発送までにスタートすることです。
検討の結果、まず一般食材から商品化を始めたいと思います。PB食材は商品化までに時間がかかるからです。
お弁当食材の商品化を夢見たことがきっかけでしたが、まずは年末年始や休日の食材の商品化から実現しそうです。骨付き鶏肉とか丸鶏とか鶏ガラとか炒飯やコーンやミックスベジタブルやカットマンゴーなど。
どれも比較的買いやすい価格帯でご提供できそうですが、餌のGM有無や農薬や添加物などをこだわりとおすことは非常に難しいこともわかりました。ここ鹿児島は、それら食の安全に対しての意識がなかなか難しいものがある土地柄。理由の一つにおそらく九州の醤油独特の甘みがあります。九州の甘い醤油のほとんど全てにはサッカリンや甘草・ステビアなどの人工甘味料が入ります。また、さつま揚げ等の加工食品には人工アミノ酸(グルタミン酸ナトリウム・代表的商品名は味の素)を入れる傾向があります。そして畜産業界が不景気と飼料・燃料高騰で非常に厳しく、こだわりの飼料にする余裕が全然ありません。業界事情にかごしまんま基準を合わせることは本当に厳しいなあ、と改めて実感しています。スーパーで何も買えなくて大きくため息をつく・・・。商品開発でもいつもそれを繰り返しています。
完璧な食材はなかなか見つかりませんが、かごしまんまができる現状で一番いい食材を商品化していきます。必ずどの商品も原材料表示を詳しく記載します。それを判断材料にして購入するかしないかを各自ご判断してご注文ください。
また、PB食材の研究開発も続けていきます。ただ、かごしまんま脱脂粉乳(スキムミルク)を商品化してみてわかることは、PB商品はどうしても売価が高くなる、ということが課題です。
脱脂粉乳も九州産が全くないのでオリジナル商品化しましたが、メーカーから届いた25kg袋を詰め替えしていくだけのものなのにパッケージ代や機材・人件費を入れていくと市販品の倍の価格になってしまいました。
何度もメーカーにリクエストしましたが、生クリームも脱脂粉乳も一般消費者向けの小分けタイプの商品化は実現しません。かごしまんま脱脂粉乳はいつも賞味期限の関係で廃棄処分にするものも多い赤字商品です。なんだか悔しいしバカらしいなあ、と感じます。私達はただ、九州産で安心安全な食材が欲しいだけなのに、なぜこんなにも無力で苦しいのでしょうね・・・。
でもめげずに頑張っていきますよ~!だってかごしまんまはみんなの冷蔵庫を幸せで一杯にする食の砦です。
周囲に理解されなくて、子供のおやつや給食に悩んで、茶話会のケーキやお茶に悩んで、PTA主催の焼きそばやおにぎりに悩んで、修学旅行や運動会や遠足で悩んで、入院先の食事に悩んで、会社のおつきあいや親戚との集まりに日々悩んでいる皆さんの食の砦ですからね。希望を捨てずに同じ空の下、共に頑張っていきましょう。

Edit by 山下 理江

平成28年10月28日

Oct 27. 2016 かごしまんまだより

台風16号が九州中に被害をもたらした影響が続き、今の鹿児島のスーパーでは、キュウリが1本120円、キャベツが300円、白菜が半分や1/4で500円、レタスもワンコインの500円です。ほうれん草や小松菜などの葉物は姿を消し、買い物に来た主婦がため息をついてうろうろしています。
台風が多くのビニールハウスや畑の作物を破壊していったからです。でもかごしまんまの野菜セットが(もやしやみかんやカイワレが入るにしても)続けていけているのは、ひとえに生産者さんと野菜セットを買い続けて下さっている消費者の皆さんのおかげです。
例えば今回の深ネギは、平岡農園さんが台風の前に深ネギを葉の半分位まで土中に埋めて守りました。完成しているネギ畑に入り、ネギを守るように土を50cm近く被せていく。これはすごい重労働な作業です。また、平岡さんは台風シーズン前にインゲン畑の周囲にエンバ(飼料用麦の一種)を植えて台風からインゲンを守りました。
そういう野菜はもちろんこういう今の時期には本当はかごしまんまに野菜を卸すよりも市場に出した方がずっと高値で売れます。それでもかごしまんまに卸してくださるのは年間を通してずっと一定価格で買い続けているからです。例えば今は野菜の高値が続いていても、台風後はずっと穏やかな天気でそこそこ雨も降っているのであと1~2週間もすれば野菜がワッと出てきます。1度に野菜がたくさん出てきたら今度は値が大暴落し始めます。そういう値が下がった時でもかごしまんまは一定価格で買い取ります。こういうのを契約栽培農家さんといいます。契約栽培は、不安定な農産物価格を安定させてまとまった売り上げになるので、生産者さんにとっても大きなメリットです。ですから、値が高騰した時も暴落した時も一定価格でまとまった量を買い続けることは、とても重要です。
それと共にもう1つ、市場の価値観ではなく契約栽培には『減農薬栽培を推奨する価値観』が非常に重要になっていきます。それは、かごしまんまのために作ってくれた野菜なので、変な形でも、大きさがまちまちであっても、虫の穴があっても虫がいても、旬の始まりであっても終わりであっても(補足:旬の始まりは野菜が小さく柔らかい・旬の終わりは野菜が大きく固い)、腐っていたり傷んでいたりしているものでなければ常に買い取るということです。そうすることで、相手が困っているときはお互い助け合う信頼関係が構築されていきます。それが実現できるのも、ひとえに定期便の方や定期的に野菜セットを買い続けて下さる消費者の皆さんのおかげです。本当に本当にありがとうございます。

【レンコンにつきまして】
レンコンがしばらく続いておりますが、単独での商品化へのお問い合わせをよく頂きます。すみません、レンコンの単品商品化は実現がかなり難しいです。といいますのは、レンコンはその名のとおり蓮の根で、粘土質の水田でないと育ちません。火山灰でできたシラス台地の鹿児島ではまず無理で、九州でも佐賀県など産地はごく限られてきます。レンコンはソーセージのようにつながった状態で箱に4~5kg入って市場からの仕入れとなります。注文が少なくても最低でもこの1箱を取らねばならず、また、箱ごとの仕入れになってくるのでロスが多いため、単品商品としては現在は取り扱うことができません。美味しくて気管支系統や胃腸、美肌にも良いとされているレンコン。秋の今だけ野菜セットに入っています。どうぞ今週もお楽しみくださいませ。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江