平成31年4月19日

Apr 19. 2019 かごしまんまだより

【韓国の水産物禁輸、WTOが容認 日本が逆転敗訴】
世界貿易機関(WTO)の上級委員会は11日、2011年の東日本大震災に伴う原発事故を受けて福島県などの水産物輸入を規制している韓国の措置を不当とした一審判断を取り消し、韓国による輸入規制を認める判断を下しました。2011年の東日本大震災による東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故後、韓国は放射能汚染の懸念があるとして被災県を含む8県産の水産物輸入を規制。日本政府はこの措置を不服として2015年5月、WTO紛争解決手続きによる協議を韓国に要請したが解決に至らず、同年8月にWTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請し、昨年、小委員会は韓国の禁輸措置を不当と判断し、韓国に是正を求めていました。

このニュースに関してTV等は、韓国や中国や台湾などのアジアや一部の国だけが、福島原発事故による放射能汚染の恐れによる東日本の食材の輸入規制をしているかのように報道しています。しかしじっくりと調べていくと、これらの国だけでなく多くの諸外国や地域が規制措置をしていることがわかります。
農林水産省のHPの検索窓に「東京電力」というキーワードを入れると
【東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う諸外国・地域の輸入規制への対応】
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html
というページが出てきます。
そこに (3) 輸入停止措置を講じている国・地域(PDF:238KB)
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/teishi.pdf
というページがありますが、これはざっくりとしたことしか書いてありません。
読者に『輸入停止措置アジアの地域だけだな、とんだ風評被害だ』と思わせる感じです。
しかしその下の (4) 諸外国・地域の規制措置一覧(PDF:581KB)
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/kisei_all_190329.pdf
を開いて読むと、真実が見えてきます。
ぜひ、そのページの資料に目を通してください。なんと、アメリカの輸入停止措置がたっくさん!
牛久沼(茨城県)や成田(千葉県)の美味しいウナギは、アメリカには輸出できません。
タケノコ・シイタケやイノシシ・シカの肉は栃木・千葉産も輸出できません。野生のキノコ類は静岡県産までダメです。そういうものを私達国民は国や自治体から「ジビエ料理を食べよう!」と推進されてモリモリ食べています。
アメリカの輸入停止措置には物申すことが出来ないのに、日本はお隣の韓国を猛烈に批判しています。
そして自国民には「食べて応援」を推奨・・・おかしくないですか?

ニュースでは、「安倍晋三首相は28日、オタワで記者会見し、『WTO加盟国からも判断の妥当性を問題視する声が上がっている』と批判した。会見後、首相に同行している西村康稔官房副長官は記者団に、先にジュネーブで開かれたWTO会合で米国が日本の立場への支持を表明したと明らかにした。」と報道されています。
しかしその米国こそが輸入停止措置をしているのであります。
笑い話でしょうか、これは・・・。

TVや新聞から与えられた情報だけ鵜呑みにせず、自分から調べたり自分で考えたりしないと、
私たちは為政者の都合のいいようにどんどん流されていってしまいます。

これからも、いっぱい調べていっぱい考えていきましょう!

【GWの発送とご注文締め切りにつきまして】
4月27日~5月6日迄ゴールデンウィーク休業致します。この関係で、5月最初の発送日は8日(水)となります。
また、5月10日(金)発送の締切は5月2日(木)となります。ご注意ください。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年4月9日

Apr 9. 2019 かごしまんまだより

【西洋医学は自然の神様とのいたちごっこ】
『ゾフルーザで耐性ウイルスが出たことを受け、日本感染症学会は使用基準を作る。耐性ウイルスが広がると、ゾフルーザが使えなくなるおそれがあるためだ。
国立感染症研究所によると、全国約500の医療機関で無作為に選んだ患者などのウイルスを調べたところ、3月18日時点で解析を終えた113人のうち、今季ゾフルーザ(インフルエンザの新治療薬)をのんだA香港型の患者30人中22人に耐性ウイルスが見つかった。
またゾフルーザをのんでいない83人のうち3人からも検出された。人から人にうつった可能性がある。』
(朝日新聞 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190404-00000050-asahi-sociより)

『2017年には、抗インフルエンザ薬のタミフルが世界保健機関(WHO)の「必須医薬品」リストで「保健システムに最低限必要な薬」から「補足的な薬」に格下げされています。タミフルは2009年にリスト入りしましたが、その後、大人で症状のある期間を約1日短縮するだけで、入院や合併症を減らす効果はないとの研究が発表されるなど、以前考えられていたよりも効果は限定的との報告が出たため格下げになったといいます。』
(日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09HAE_Z00C17A7CR8000/ より)

インフルエンザにかかると、学校や会社からすぐ『医者に行って診断書を』と言われます。タミフルの消費量も日本が世界一。しかしヨーロッパやアメリカなどでは、自宅で安静に寝て治すよう指導されています。
日本だけがインフルエンザの予防接種や新薬にこぞって群がる状況は少し異常な感があります。年々予防接種率も上がって新薬も出ているのに、近年インフルエンザの流行期が夏から始まったり春になっても終わらなかったり耐性菌がどんどん出ているのは、なんだか自然の神様とのいたちごっこをしているように思うのです。
西洋医学の薬の多くは、人間が人工的につくった化学的な成分でできています。幼児や子供が飲みやすくするための甘味成分も、実は砂糖ではなく人工甘味料。人工的な成分や人工甘味料は、もともと自然界には存在しません。西洋医学の薬は即効性がありますが、自然界に存在しない成分を身体が消化吸収することは生物学的にみてとても負担がかかることです。また、39℃や40℃の高熱時に無理して外出して、しかも病気の人が多い病院にわざわざ行くのも体にとって非常に負担なことです。
痙攣や異常行動、妊婦や乳幼児・高齢者には十分注意が必要ですが、インフルエンザは安静にしていれば自然治癒で治せる病気です。
耐性菌の出現は、自然の神様からのメッセージのような気がしてなりません。

【GWの発送とご注文締め切りにつきまして】
4月27日~5月6日迄ゴールデンウィーク休業致します。この関係で、5月最初の発送日は8日(水)となります。
また、5月10日(金)発送の締切は5月2日(木)となります。ご注意ください。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年4月2日

Apr 1. 2019 かごしまんまだより

【乳製品が4月から値上げ】
ここ数年ガソリン代が急上昇しました。ヤマト運輸も佐川急便もゆうパックも配送料金が大幅に値上がりしました。最低賃金も年々上がっています。原油価格の上昇に伴って各種包材も値上がりしました。
畜産業の生産者は慢性的な飼料代高騰に苦しみ続け、安価な輸入飼料(ほとんど遺伝子組み換え作物である)に頼らざるを得ない状況です。体力的にも経済的にも厳しい畜産業の生産者は、高齢化と後継者不足でどんどん廃業していってます。
とくに乳牛の生産者の経営状況は厳しく、経費の大半を占める飼料が高騰しているのにもかかわらずメーカーからの生乳の買取価格が決められているので、多くの生産者が廃業に追い込まれています。
こうした背景により、全国各地の生産者団体と各乳製品メーカーが生乳取引価格の引き上げに合意していき、前述の燃料費や物流費の上昇もあり、乳製品全体的な値上げとなりました。
乳業の生産者さんのことを思うと仕方ないことではありますが、介護保険もどんどん上がって実質年金受給額は減っていますし、健康保険料や各種税金も少しずつ上がって私たちの可処分所得は減る一方・・・。東日本大震災後は復興税もできましたね。電気料金にもいつのまにか再エネ賦課金や燃料費調整額なるものが。人口が激減しているのに民間企業の手に渡りつつある水道料金もこれから上がらないわけがありません・・・。
新しい年号に『安』の字が使われなかったことに少しホッとしましたが、10月には消費税が10%になります。このままではじわりじわりと多くの人が生活に苦しむ国になりつつある日本。正常な状態の国へ本気で戻す気がある人や党を政治家に選挙のたびに選ばないと本当に取り返しがつかなくなりそうです。
話が主題から脱線気味になってしまいましたが、4月から乳製品が値上がりして本当に申し訳なく思います。
牛乳が入る野菜セットの価格は据え置きいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【GWの発送とご注文締め切りにつきまして】
4月27日~5月6日迄ゴールデンウィーク休業致します。
この関係で、5月最初の発送日は8日(水)となります。
また、5月10日(金)発送の締切は5月2日(木)となります。ご注意ください。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年3月26日

Mar 25. 2019 かごしまんまだより

【超高齢化・廃業が進む農業】
先日、取引メーカーさんが「北海道の小豆がどんどん値上がりです。生産者さんが高齢により廃業し、畑を引き継いだ企業が大豆に切り替えてしまって。大規模農業しやすい作物に切り替えるんです」と教えてくれました。
今日の南日本新聞には「鹿児島大学の研究で、桜島大根に血管機能改善効果があると判明し、桜島大根を加工した商品開発が相次いでいる。桜島大根は桜島で200年以上前から栽培され、全盛期の栽培面積は200ヘクタールだった。しかし噴火の影響などで生産者は年々減り、現在桜島内には約30人。その大半が60~70歳代で、栽培面積は7ヘクタールにまで減っている」とありました。
日本の農業就業人口は、2015年では209万人、2017年には181万人と年々大幅に減少の一途をたどっています。30年前の1985年と比べて6割以上も減少しています。65歳以上の割合も年々増加の一途で6割以上、地方によっては7割以上が高齢者であるという状況です。また農業法人化しているところも人手不足に悩み、その多くが外国人労働者に頼っています。
そんな農業の現状で、無農薬や減農薬で野菜をつくっていくことがいかに大変でいかに貴重なことか、私たち日本人はいつ気付くことができるのでしょうか。
10人中7人が65歳以上という生産者さんたちに、ホームセンターで大々的に宣伝している『安全そうな』ラウンドアップ※の危険性をいくら説いても、理解して頂けないばかりか「そんなもの宣伝するわけがないでしょう」と信じてももらえません。

※ラウンドアップ・・・・枯葉剤、農薬。
枯葉剤を散布しても枯れないように遺伝子を組み換えた作物の種子を販売している企業が、販売する枯葉剤のこと。遺伝子組み換え作物とラウンドアップをセットで使うことで、作業効率は劇的に上がるが、次第に土地は汚染し、在来種は育つことができない痩せた土地になるので、生産者がやめたくなっても遺伝子組み換え種子とラウンドアップを買い続けるしかなくなる。ラウンドアップを散布する人にも深刻な健康被害が世界中で出ている(アメリカではラウンドアップを散布し続けて末期がんになった農夫が企業を相手取った裁判で勝訴している)。

そして遺伝子組み換え種子企業や国は、私たちの食品からどんどん『遺伝子組み換え表示』をなくそうとしています。さらにはゲノム編集食品まで流通させようとしています。遺伝子組み換え作物やゲノム編集食品の危険性はよくわかっていません。しかしながら少なくとも遺伝子組み換え作物は、猛烈にたっぷりとラウンドアップなどの有毒な枯葉剤が散布されています。たとえ油や醤油になっていてもなるべく避けるというのが私たち市民にできる対抗策予防策です。遺伝子組み換え作物は油や醤油の原料になっていると非表示でOKという法律のおかげで、既に日本は遺伝子組み換え作物の輸入・消費が世界一ともいわれています。
農業人口の激減と高齢化は、日本の安全な食の危機です。今なにができるのかどうすればいいのか、消費者の私たちも真剣に考えなくてはならない問題ではないでしょうか。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年3月12日

Mar 11. 2019 かごしまんまだより

【東日本大震災から8年】
311から8年目を迎えました。皆さんの胸にはどんな思いが巡りましたか。
津波や原発事故により避難生活を余儀なくされている人は依然として約5万2千人に上ります。
プレハブの応急的な仮設住宅での暮らしを続ける人も3418人。
東北の過酷な寒さ暑さの中での慣れない暮らしの長期化により、孤独死も増加傾向にあると言います。
一方で、東京電力福島第1原発事故の被災者の切り捨てが進んでいます。
無償住宅支援や営業損害への賠償、精神的賠償など、主要な損害賠償は原則打ち切られました。
住民らの申し立てた裁判外の紛争解決手続き(ADR)も次々と打ち切りになってます。国の原子力損害賠償紛争解決センターの和解案に対し、1年~2年以上も放置したあげくに拒否という答えを東電が出し続けているのです。
こうした被災者切り捨ての一方で、日本原子力発電が再稼働を目指す東海第2原発をめぐり、東京電力ホールディングスが1900億円を融資・債務保証する計画案が明らかになりました。被災した老朽原発をあと十数年運転させるために、東電はじめとする各地の5電力会社合計で3000億円もの支援を行うというものです。
東京電力は、原発事故の賠償を迅速に行うためなどとして国が資金を出して救出したはずです。
被災者切り捨てを進めている東電が、原電の原発再稼働を支援することにはまったく道理がありません。
(2019年3月9日しんぶん赤旗15面記事より)
一方で、東北の甚大な津波被害を忘れたかのように、日本各地での沿岸開発が進んでいます。
例えば宮崎市の沿岸は、延床面積では九州最大規模のイオンモールをはじめ、各企業の大型店舗が次々とオープンし、新しい住宅やマンション・アパートの建築ラッシュです。ここ一帯は1m級の津波が来たら全て床上浸水や壊滅的な被害を受けると予測されています。しかしながら、TVのインタビューにおいて宮崎市による回答は「どこに住むかは、いつも最終的には住む人の意志ですから」とし、都市計画等の変更や行政指導等の予定はありません。インタビューを受けていた住民も、津波のことはどこか他人事のようでした・・・。
国や地方自治体は決して市民の生活を守ってくれる存在ではなく、私たちは自己防衛するしかありません。
どこに住むべきかどの地域が災害時に危険なのか、防災の点から検討するときには、『ハザードマップ』が役に立ちます。津波や洪水時にどこが床下浸水などの被害を受けるか、地図に色分けしてあるものです。危険な地域はだいたい赤やオレンジで塗られています。ハザードマップは各市町村役場に必ず置いてあり、その多くは無料で配布してくれますので、ぜひ自分の市町村のハザードマップは1枚持っておくことをお勧めします。
鹿児島の川内原発周辺の自治体では、どこまでヨウ素剤を配るべきかどのように配布すべきか議論が盛んです。
しかしながら津波も原発も、高台に逃げたりヨウ素剤を飲んだりすればいい、というものではありません。
『その時』にはもう住むべき家も土地も失っているということに、私たちは全力で想像力を働かせるべきです。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年3月5日

Mar 4. 2019 かごしまんまだより

【どんどん春シフトへ】
鹿児島は先週からグッと暖かくなって菜の花があちこちで満開です。
『菜の花』はアブラナ科の花の総称で、キャベツ、小松菜、大根、白菜、ブロッコリー、チンゲン菜、水菜、ターサイ、からし菜、フダンソウ、カリフラワー、かぶ、ラディッシュ・・・冬野菜の多くはアブラナ科です。
このアブラナ科の野菜が今の時期の温度や日の長さに反応して、いっせいに『とう立ち』を始めています。
『とう立ち』とは野菜生産における用語で、生長点(茎頂分裂組織)に花芽ができ、その後、花芽が発育して開花へと進む現象です。
つまり、アブラナ科の皆さんは今、無性に菜の花を咲かせたいのであります。
それを『とう立ちが始まる』といいます。
とう立ちが始まると、アブラナ科の皆さんは中心部分から少しずつ固い柱状のものをつくり始めます。
花となる茎をつくって、高くそびえ立たせてミツバチさんや蝶々さんたちに見つけてもらって花粉を運んでもらうためです。そうして受粉され、アブラナ科の皆さんは種子をつくることができます。
とう立ちが進むと、アブラナ科の皆さんは固くなり過ぎて、われわれ人間が食べることはできなくなります。
今週の大根と白菜がとう立ちの初期です。若干中心が固かったり蕾があったりしますが、全て問題なく食べることができます。詳しくは、裏面の各野菜の説明欄もご覧ください。
もし包丁が立たないほど固い部分が大きくありましたら、すみませんが個体差でとう立ちが進行したものですので、どうぞ遠慮なくご連絡くださいませ。

アブラナ科の皆さんのとう立ちが進んでできる蕾は、『菜花(なばな)』といって、春のごちそうでもあります。これは本当に旬が短いのでなかなか市場には出回りません。また、多くの生産者さんがとう立ちが進む前に収穫物を市場に出してしまうので、そもそも菜花が商品として市場に出回るのは数が少ないのが現状です。
かごしまんま敷地内のおババ菜園の小松菜も、とう立ちが進んで菜花が収穫できておひたしにして食べています。

スーパーの一般的な野菜はいつも状態が良くて大きさも均一できれいな野菜ばかりですが、本当の野菜の姿は、他の植物と同じで時期ごとに少しずつ違ってきます。かごしまんまは産地や生産者さんを限定しているので、旬の初めは小さくて葉っぱ付きで柔らかく、旬の終わりになると大きくて固めで葉無しの野菜になっていきます。
それも含めて、かごしまんまの野菜を楽しんで生産者さんを応援して頂けたら幸いです。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月26日

Feb 25. 2019 かごしまんまだより

【沖縄県民投票と辺野古基地について思う】
24日に行われた辺野古の新基地建設の是非を問う沖縄県民投票は、移設に反対する票が賛成票を圧倒的に上回りました。昨年9月の県知事選で移設反対を掲げ、当選した玉城デニー氏の得票数約39万6千票も越えました。
しかしながら安倍首相は「真摯に受け止める」と言いながら工事を中断することすらしていません。
米国務省当局も辺野古の推進姿勢を崩していません。
しかも辺野古基地一帯はかなりの軟弱地盤で、支持層までなんと90mもの深さがあり、杭が7万6699本も必要であることがわかりました。90mまで杭を打ち込める作業船は国内に存在しないばかりか、世界でも深さ90mまで地盤改良した実績はないとのことです。また、仮にこの量の杭打ちを1年で終わらせるとしたら1日に210本も打つ計算になります。これだけ大量の杭打ちをするためだけにどれほど巨額の設備投資をしなければいけないのでしょうか。それらは全て国民の税金なのです。
しかもこの杭の主な材質は砂。90mの砂でできた杭は剛性を高めるので、基地の地盤沈下には耐えられるかもしれませんが、鉄鋼と違って粘性がないため、巨大地震による横揺れにどこまで耐えられるのか『世界でも実績がないために』不明なままです。杭打ちしても埋立地の液状化の危険性は0にはなりません。杭打ちしたところが耐えるだけです。軟弱地盤に建設しようということ自体が無理な話なのです。
『未来のことは後回し』なこの計画は、原発計画と同じ構造で、すでに破たんが明らかですね。
また、多くの国民が懸念しているようにサンゴやジュゴンなどが生息する世界でも有数な自然を破壊する行為でもあります・・・。
県民投票の結果や国の対応は、誰もが予想していたことでしたが、現実のものとなると残念で仕方がないですね。そもそも県民投票は5市長の反対で全権実施すら危ぶまれていました。『投票』という市民の権利を奪う行為は許せません。そして民意を示しても権力側は改めない現実・・・。
今回の投票率は52.48%にとどまったそうです。これはちょっと残念でしたね・・・。
投票に対し、非常に印象深いツイートがありました。「反対でも賛成でもいいんだよ。でもさ、県民投票に行きなよ。そして「賛成に○」って書くんだよ!自分の思ったことを書くこと。それがすごい大事なことなんだよ!」
関心の低さは権力側に好都合となり、国民が知らない間にどんどん重要なことが強硬手段で決められていきます。
私たち国民は、何度も何度も民意を示していくことが非常に重要です。
『投票』はそのための最重要な手段であり、かつ国民の権利でもあります。
失望を繰り返しても諦めず、声を上げ、選挙のたびに『投票』へ行きましょう。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。ご理解ご了承お願いいたします。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月22日

Feb 21. 2019 かごしまんまだより

【買い物は社会をつくる大切な1票~福山の壺酢・黒酢】
週末、福山町の坂元醸造さんの黒酢レストランに行ってきました。
福山町は、江戸時代後期からアマン壺を使用した壺酢づくりが盛んなところです。
アマン壺は高さおよそ60cmの壺で、米と麹と水を中に入れて、海風と日が当たる絶景な場所に100個以上ずらりと並ばせ、1年~5年もの間じっくりと熟成させて米酢をつくりあげます。
福山町とその隣の垂水市は、鹿児島湾に面し周囲を山に囲まれ冬は暖かく霜が降りることも稀で、夏も海風で涼しく温暖な気候。
そしてこの一帯は25000年前にできた姶良カルデラ壁で、良質で豊富な地下水が蓄えられており、酢づくりには最適な土地です(かごしまんまの温泉水ふじさきも、この一帯の地下水なんです)。
福山町の伝統製法で作るこの米酢のことを1975年に黒酢と命名したのが、坂元醸造さんでした。
黒酢と同じ製造方法で熟成期間を少し短くした『つぼ酢』をかごしまんまでは販売しています。
しかし戦後は安価な合成酢や安価な穀物(輸入トウモロコシや輸入米など)を使用した醸造期間が非常に短くて安い酢の台頭で、多くの生産者が廃業していきました。
伝統製法で作られた良い酢や酒は、伝統製法ゆえに時間も手間もかかって価格も高くなりますが、天然のアミノ
酸や有機酸など様々な良い成分が含まれています。こういうものが、私たちの日々の健康の土台になっているのですけれどね・・・・。
黒酢レストランは、地元の旬の野菜や食材と本物の黒酢をふんだんに使用していて、本当に身体全体から美味しい!と思うような味でした。
もっと多くの人が『安い』という価値よりも『本物』という価値を大切にして、1回1回の買い物という選挙で『本物』という1票を選んでいける世の中になってほしいな~、とあらためて強く思った一日でした。
そのためには国民全体の可処分所得を多くして、生活が豊かになって景気が良くならないといけないですね。
消費税増税なんて本当に愚策です。

もし鹿児島を訪れたら、ぜひ鹿児島湾に面した国道220号をドライブして福山町の壺酢畑を眺めてくださいネ。
とても素朴で、そして桜島と海が雄大で、心が癒される景観です。

【3月22日(金)は発送がお休みです】
前日が祝日の為、生産者やメーカーがお休みになるので発送がありません。
ご理解ご了承お願いいたします。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月15日

Feb 14. 2019 かごしまんまだより

【買い物は社会をつくる大切な1票です】
20~30年前はまだコンビニも少なくてショッピングモールもなく、街には商店街とイトーヨーカドーやダイエー・西友・ニチイといった大型スーパー、そして主要都市の駅前にはデパートがある、という時代でした。
商店街には八百屋・肉屋・魚屋・洋品店・文房具店・書店・飲食店・団子屋・お茶屋・駄菓子屋・金物屋・電気屋・靴屋・布団店・写真屋・家具屋・・・色々な専門的な個人店がありました。
しかし今は、幹線道路沿いにはイオンモール、コンビニ、回転ずし、ファストフード、ファミレス、ユニクロ、ABCマート、紳士服の青山、ダイソー、ニトリ、ツタヤ、ケーズデンキ、ヤマダ電機などの全国展開の大型店舗が並び、全国どこも同じ風景。
安くてきれいで賞味期限が長い食材、安く早くすませられる飲食店、安く使い捨てできるモノがすぐ手に入るようになりました。
消費税をはじめ各種税金や物価が上がって可処分所得が減り、多くの人が『安くて手軽なモノ』しか選べなくなってしまった、というのも大きいと思います。
気が付けば今は商店街の多くは閉店してシャッター街と言われるようになり、昔の大型スーパーやデパートの多くも閉店していってます。
このままいくと、私たちの衣食住は大企業の商品のみしか選択できない時代が来てしまうでしょう。
私たちの雇用も大企業に集約されていくでしょう。
しかし大企業は利益追求の猛者で、より低い原料費・人件費・経費を常に追求しています。
つまり『安くて手軽なモノ』は、コスト削減のために農薬やGMや化学合成物質や抗生物質や薬品などが多く使用されたり、人件費が最低限に抑えられたりして提供されています。

政治の世界も、大多数の人が関心を持たない間にいつのまにか自民党が強大になり、各種団体はもちろんマスコミにも圧力をかけられるようになり、強行採決や偽装・改ざんを平気で重ねるようになってしまいました。
消費税増税とインボイス制導入、漁業法改正やTPP発効で、小さな生産者さんや個人経営者さんや中小企業が今非常に危機的な状況にあります。
消費活動は選挙と同じで、日々の買い物が大事な1票です。コンビニやイオンモールやファストフード・ファミレスなどを中心に生活していたら、それらが主流の、画一的な社会になっていきます。
本物や良いもの個人店が消えゆく社会。吉開のかまぼこさん廃業のショックは記憶に新しいですね。
日々の消費活動や選挙は私たちの社会をつくる大事な1票。良いお店や良い生産者さんを守る大事な1票。
大企業や大政党に日本が飲まれる前に、私たちの未来を守るために、私たちの1票1票を大切にしていきましょう。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成31年2月8日

Feb 7. 2019 かごしまんまだより

【豊作でも悩みは尽きない】(すみません、先週号の再掲です)
今冬の鹿児島は、いったん気温が下がって虫や菌類がいなくなった後に再び温かい日々が続いているので、どの生産者のどの野菜も豊作で大きくきれいなものばかりです。そして供給過多で野菜の価格が暴落しています。
どの生産者さんからも「お願いです、セットで取ってくれたら助かります」と言われます。
しかし通販は難しく、限られた大きさの段ボール箱に限られた重量で詰めなければなりません。
巨大な深ネギや大根や葉付ニンジンやキャベツ・ブロッコリー・レタス・カリフラワーを同時に野菜セットに入れると通常の段ボールには入らず、一番大きくて長細い段ボール箱になります。この段ボールはヤマト運輸規格では120サイズといって、かごしまんまから関東までの料金で1912円(税込・段ボール代や梱包材含めず純粋なヤマト運輸クール便送料のみ)もするので、野菜セットだけで120サイズで送ると完全な赤字となります。
そこでなるべく120サイズの段ボール箱にならないように、やむなく深ネギや小ネギは折ったりカットしたりして入れて、大きい野菜ばかりではなく小さい野菜もバランスよく入れるように工夫しています。
そんなに高い運賃なら、佐川急便やゆうパックに変更すればいいのでは?というご意見も頂くのですが、佐川急便さんのクール便はヤマト運輸さんよりもかなり高い運賃。そしてゆうパックは、かごしまんまがある鹿屋市には郵便局の拠点に大型の冷蔵設備がなく、大量のクール便対応ができない、とのことでした(涙)。
去年の夏のように猛暑過ぎて不作な時も辛いですが、このように豊作の時もうまくいかないのが農業。国や自治体の補助がないととても維持できません。ヨーロッパの多くの国では農業は国からの補助で守られています。国の食料を支える第一次産業を守り自給率を上げることが有事の際にも非常に重要だからです。
しかし今、日本はその逆を突き進んでいます。TPPでは自動車産業を守って農業分野は切り捨て、漁業法や種子法などの個人経営者を守る法律をどんどん潰しているのが現政権。10月からは消費税増税と共にインボイス制度導入で個人経営者をつぶしにかかろうとしています。
日本の第一次産業の大半は、農業・漁業共に個人経営者であるにもかかわらず・・・。

【さつま芋類は市場仕入れが難しい】
猛暑のせいか、紅はるかや安納芋が今季は不作で例年より早く販売終了しました。
「市場仕入れ野菜でもいいから商品化して」というリクエストも頂くのですが、さつま芋類は品質が生産者によって本当に違い、価格も色々。皮をむいたら変な色だったり、食べたら甘くなかったり。
これはさつま芋が貯蔵の仕方によって甘くもなり悪くもなる作物だから。きちんとした生産者さんは専用の貯蔵庫があってそこで温度と湿度を管理して芋を熟成させて甘く美味しくさせますが、いいかげんな生産者さんはいいかげんな貯蔵方法なので美味しくありません。市場仕入れですと芋の品質がわからないので、美味しくない芋をお届けしてしまう可能性があります。そういう理由で、市場仕入れでのさつま芋は避けています。スミマセン!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江