かごしまんまだより

2023年9月前半号 かごしまんまだより

Sep 6. 2023 かごしまんまだより

【素晴らしきスペシャルティコーヒーの世界 其の三】
スペシャルティコーヒーという概念が生まれる前、一般的なコーヒーの味わい方は『苦味・コク・香り』が主で、『酸味』は主流ではありませんでした。むしろ酸味は劣化の味として嫌う傾向もありました。
しかしスペシャルティコーヒーの世界では、コーヒーの持つフルーティな酸味を楽しみます。
よくわかるのが柑橘系の酸味。グレープフルーツやレモンのような香りや余韻です。
スペシャルティコーヒーに慣れてくると、ブルーベリーやストロベリーのようなベリー系の酸味もわかるようになります。
ゲイシャという品種はパイナップルやバナナのような香り高いフレーバーで世界中のファンを魅了し高い評価を得ています。
まるでフルーティな紅茶を味わうかのような世界ですが、スペシャルティコーヒーの持つフレーバーはとても繊細で、目を閉じて自分の鼻や味覚を研ぎ澄ますことで感じられる世界でもあります。
コーヒーが持つこの果実感は、浅煎りのほうが焦がした苦味が少ない分わかりやすくなります。
また、淹れたてよりも少し冷めていくことで感じられるフレーバーもあり、とても奥が深いです。
フレーバーの分類としては、このフルーツ系の他に、チョコレートやヘーゼルナッツのようなナッツ系、キャラメルやはちみつのような甘み系があり、コーヒー豆ごとの説明に記載してあるので、それを感じられるかどうかを確認するのもスペシャルティコーヒーの楽しみ方の一つです。
一杯のコーヒーと丁寧に対話する豊かな時間が生まれます。
最初は少ししかフレーバーを感じられなくても、慣れてくるとわかるようになってくるフレーバーも出てきたりするので、スペシャルティコーヒーにハマる人が増えてきています。
つまりスペシャルティコーヒーとは浅煎りの豆で酸味を楽しむのが醍醐味であり、昔ながらの喫茶店で楽しむ深煎り焙煎豆コーヒーとは全く別のコーヒー文化であるといっても過言ではありません。

[スペシャルティコーヒー豆の説明の例]
Ethiopia/Dawit Girma         ←国/銘柄
地域 Gedio, Yirgacheffe Suke     ←地域だけではなく農園を明記することも
標高 1,950-2,100m          ←標高が高いところは美味しい産地であるシルシ
品種 Wolisho         
精製方法 Natural            ←Natural(果肉のまま精製)/ Washed(水洗いして果肉を除去)
ローストレベル Light Roast      ←Light Roast(浅煎り)/Dark Roast(深煎り)
フローラル、パイナップル、ライチ
爽やかな南国のフルーツを想わす果実味  ←感じられるフレーバー(全てが毎回出現するわけではない)
後味にほのかに乳酸っぽい風味を感じる

スペシャルティコーヒーにも深煎り豆はありますが、初めて楽しむ方はまずは浅煎り豆(Light Roast)を楽しむことをお勧めします。
なお、コーヒーに砂糖を加えるとフレーバーがわかりにくくなるのでノンシュガーで飲むのが一般的です。
コーヒー豆は細かく挽くほど苦味が出るので細挽きよりも中挽き〜粗挽きがお勧めです。
自分で淹れる場合は、沸騰したてのお湯ではなくいったんコーヒーケトルなどの別の容器に移し替えて90℃前後に下げたお湯で淹れることが苦味を低減します。1湯目は全体を湿らせる程度に注いでから充分に30〜40秒ほど蒸らしをすることで良い酸味やフレーバーを感じやすくなります。
コーヒー器具やマグカップを研究したり、お気に入りのものに揃えていったりするのも、大きな楽しみの一つであります。
スペシャルティコーヒーの扉を開けると、そこには豊かな時間が待っています。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年8月後半号 かごしまんまだより

Sep 6. 2023 かごしまんまだより

【台風の爪痕】(すみませんコーヒーの続きは次回)
沖縄九州には台風6号が、東海や近畿・中国地方・四国には台風7号が各地を襲った8月でした。
店頭で野菜の種類や量が少ないのはその影響です。供給量がグッと減った野菜を全国で取り合っている状況であります。
かごしまんまの野菜も量が少なかったり欠品があったりしております。
暴風雨により多くの花が落ちたり本体が倒されたりするので、台風後の1ヶ月程度は野菜全体の供給量が回復しません。
皆様には少しガッカリな気持ちにさせてしまっていることと存じます。心苦しいですが、これが台風後の現実です。
酒井さんのニラ畑も台風にかなりやられてしまいました。台風が来なければ1袋に30本入れてお届けしていく予定でした。ところが台風で半分以上が折れてしまったりなぎ倒されたりしたため、台風明けの出荷日は半分の量しかお入れすることができませんでした。出荷できた分も、ニラは葉が長細いため台風の猛烈な暴風雨で多くの葉が折れてしまって見た目が悪くなっているものが多くてお届けするのは心苦しかったです。
しかし酒井さんはかごしまんまのために無農薬無化学肥料栽培でつくってくださっております。見た目が悪い量が少ないという理由でお断りすると、全て廃棄処分になり、酒井さんの収入を奪います。そういうことの繰り返しが離農の原因になります。きれいな野菜だけが現実ではありません。自然の一部である野菜は、自然と共に変化します。
どうぞ私達のために安心安全な野菜を作ってくださっている生産者の方に想いを寄せて、台風後は仕方ないよね、と野菜の変化にご理解くださると幸いです。
井之上さんの自然栽培ゴーヤも、その多くが台風の暴風雨で傷みが見受けられました。
ゴーヤは吊り下がってなる野菜なので、雨が続くと下部の先端に雨が集中してしまい、ずっと濡れた状態になるので傷みが出やすくなります。特に長雨や台風の後は多くのゴーヤに傷みが発生します。こちら鹿児島では、傷んだ部分を包丁で大胆にカットして店頭に並んでいたりもしますが、カットすると時間の経過とともにそこも傷みやすくなるため、かごしまんまでは傷みが多少あってもカットせずにお届けするようにしています。
ゴーヤの傷みは、数日程度では周囲に広がることはあまりありません。調理時に傷んでいる部分をカットしてお使いくださいますようお願い申し上げます。
また、中のタネが真っ赤になっていたらこれはピーマン同様、熟して甘くなっているだけなのでおいしく食べられます。
ぐるめ畑さんは台風からビニールハウスの骨組本体を守るため、すべてのハウスのビニールを剥がして野菜を犠牲にしました。なのであと1ヶ月ほどは収穫できない、との連絡を受けました。
上村農園さんはビニールハウスのビニールを剥がさない決断をしました。「剥がしても野菜が犠牲になる。ビニールが破れたり骨組が壊れたりしたところだけを直していくように決めました」とのこと。勝負師ですね。結果、今回は幸いそんなにビニールが破けることがなかったので通常通りの納品ができています。葉ネギの生産者さんも同様でした。
消費者の私達の理解と協力が、生産者の皆さんを支えます。
また数週間経過すれば葉物野菜をはじめ多くが復活してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年8月前半号 かごしまんまだより

Sep 6. 2023 かごしまんまだより

【猛暑と感染症とつき合う2023夏】
コーヒーのお話の予定でしたが、急遽表題のテーマにしました(コーヒーの続きは次回)。
実は7月中旬にコロナに感染しました。当時、鹿児島は沖縄に次いで全国で2番目に多い感染者数でした。
数日間の高熱後、2週間以上も倦怠感や頭痛そして息苦しさに悩まされました。
回復途上で、身体が猛烈に欲した食べ物があります。
スイカ、バナナ、みかんジュース、オクラ、モロヘイヤ、パッションフルーツ、うなぎの蒲焼、海苔、梅干し、おにぎり。
どうしてこれらを異常に食べたくなったのでしょうか。ちょっと調べてみることにしました。
まず言えることは、バナナとみかんジュースとおにぎり以外は全て旬の食べ物です。
旬のものに含まれるミネラルが、その季節の身体へのダメージを回復する作用があることは昔からよく知られています。
スイカやバナナにはカリウムをはじめ各種ビタミン類が含まれます。カリウムには細胞の浸透圧や酸・塩基均衡の維持や、神経刺激の伝達・心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きがあります。
猛暑や感染症による脱水と戦った身体を回復する働きをするのが、このカリウムなのです。
オクラやモロヘイヤやツルムラサキ等の夏野菜のネバネバには、ペクチンという水溶性食物繊維が含まれており、胃腸の粘膜を保護したり腸内環境を整えたりする働きがあります。暑さや感染症で弱った胃腸の回復を助ける栄養素がこのネバネバです。
パッションフルーツやみかんジュースや梅干しには、疲労回復に効果があると言われる天然のクエン酸やビタミンCが豊富。
うなぎの蒲焼や海苔には、亜鉛が豊富に含まれています。
特に亜鉛には、免疫力の向上、貧血の改善、うつの緩和や味覚障害の症状を治す働きがあります。
コロナ症状で特徴的な味覚障害を改善する働きがあるのですね。だから無性に海苔やうなぎの蒲焼を食べたくなったのでしょう。
うなぎにはその他にも疲労回復や代謝に役立つビタミン類やたんぱく質・鉄分・カルシウム・DHA・EPAなど多くの栄養素が含まれます。食欲が減退する夏に土曜丑の日があるのは、昔の人の知恵なのでしょう。
コロナからの回復期に急激に欲した食べ物は、やはり必要な栄養素がたくさん含まれておりました。
人間の身体って本当にすごいですね〜。
夏の旬野菜はゴロゴロネバネバしていて、あまり人気がありません。
しかし実はこれら夏のものを積極的に摂ることこそ、夏の身体の理にかなっています。
ゴーヤには夏バテや強い日差しからの疲労回復に役立つモモルデシンやビタミンC・カリウム・葉酸が含まれます。
中医学の世界で重宝されている冬瓜には、カリウムやビタミンCを多く含み、夏の疲労やむくみを軽減する働きがあります。
ヘチマやナスにもカリウムや葉酸が含まれます。葉酸は造血ビタミンとも呼ばれ、貧血の予防改善に効果があります。
つまり猛暑で受けたダメージや感染症からの回復期には、カリウムや葉酸やビタミン類・亜鉛が有効で、本能で身体がそれを知っていて、なぜか猛烈に食べたくなるというメカニズムなのでしょう。
いやあ、人間の身体って本当にすごいですね(2回目)。
東洋医学の考え方に『天人合一思想』があります。人体は天地自然に相応した統一体である、という考え方です。
自然界の陰陽の変化に従って、植物・動物そして私達の身体の陰陽も変化していくと考えられ、季節の食べ物こそがその時期の五臓六腑を調節する機能を持っていると、昔の人は経験で学びました。
薬膳の基本も、四季の変化に合わせて補養すべき五臓を養う『薬食同源』です。食べるものが私達の身体を変化させます。
私も季節の野菜を積極的に食べ続けることで、より敏感にこういうことを感じられるようになったな、と実感しています。
今年は猛暑かつ感染症も猛威を奮っております。自然界と波長を合わせるゴロゴロ・ネバネバ夏野菜を積極的に摂って免疫力・回復力をより上げて、どうぞ元気にお過ごしください。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年7月後半号 かごしまんまだより

Jul 31. 2023 かごしまんまだより

【素晴らしきスペシャルティコーヒーの世界 其の二】
スペシャルティコーヒー(以下SP)について、前回ちょっと熱く語り過ぎてしまいました。
今回は美味しいコーヒーの淹れ方です。
コーヒーの風味は
1)お湯の温度 2)挽く豆の粉の粒度 3)粉の量 4)抽出時間 5)抽出量
この5つがとても大切です
特にお湯の温度は非常に重要です。
まずは簡単に気楽に、お湯の温度を気にすればよいドリップバッグコーヒーから楽しんでみましょう。

【苦味を軽減するドリップバッグの淹れ方】
スペシャルティコーヒーでなくとも、おうちにあるドリップコーヒーが美味しくなる淹れ方です。
ブルックスコーヒーやモンカフェなどのドリップコーヒーがありますか?
それをまず封を開いてお気に入りのマグにセットします。
市販のドリップバッグはコーヒー豆の粉の量が少なく、ブルックスコーヒーで9g、モンカフェは8gと少なめなので、マグは200ml程度の小さめにします。素敵なマグカップだと、それだけで気分はリラックスしたりウキウキしたりしますね。
次にお湯を沸かします。
コーヒーの苦味を消すには、お湯の温度を85℃~90℃にすることが大切です。沸騰したお湯で淹れると苦くなります。
とはいっても温度計で測るのは面倒です。そこでいったん沸騰させたお湯を、別のケトルに移します。そうすることでお湯の温度がおよそ90℃になります。
できれば注ぎ口が細くてグースネックになっているケトルがいいでしょう。注ぎ口が細いほうが、お湯の量や位置やタイミングをコントロールしやすいからです(ドバッといかない)。コーヒーの世界ではこれをドリップケトルまたはコーヒーケトルといいます。
さあまずは1湯目。全体が湿る程度(30ml位)の量を注ぎます。細く、そして円を描くように注ぎます。
そして30秒~40秒じっくりと蒸らします。しっかり蒸らすことが美味しくなる秘訣です。
次の2湯目。細く円を描くようにお湯を注ぎ、ドリップバッグから溢れそうになったらストップです。
3湯目は、マグカップの7分目までコーヒーが入ったらストップ。あとはドリップバッグ内のお湯が抽出されて完成です。
抽出されたらすぐにドリップバッグはマグから外します。放置しておくとエグ味が抽出されてしまうからです。
どうでしょうか?苦味やエグ味がなく美味しいコーヒーが完成しますように。

ご自身で豆を挽かれる場合。
苦いなあと感じたら、もう少し粗挽きにしてみましょう。
コーヒー豆は細かく挽くほど苦味が出ます。粗挽きにすると苦味が軽減されます。苦みが特徴のエスプレッソがパウダー状のような極細挽きなのはこのためです。
お店で豆を挽いてもらう場合。
ぜひ粗挽きで挽いていただいてください。苦味やエグ味が抽出時に出にくくなります。
浅煎りで粗挽きの豆は、良い酸味やフレーバーを感じやすく、苦味やエグ味が出にくいため初心者におすすめです。
また逆に苦味が好きな方は、深煎りで中挽きの豆がおすすめ。
次回は品種や焙煎度(深煎りや浅煎り)についてお話ししますね。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年7月前半号 かごしまんまだより

Jun 30. 2023 かごしまんまだより

【素晴らしきスペシャルティコーヒーの世界 其の一】
スペシャルティコーヒー(以下SP)に3年くらい前からハマっています。
ここ鹿児島はSPが盛んで、世界的な大会で活躍する人が出るほどハイレベルな地域。
しかしSPが盛んになり始めたのは世界的にも2000年代で、日本スペシャルティ協会(SCAJ)が発足したのも2003年で、歴史はまだ浅いことがわかります。
さてSPとはどんなコーヒーでしょう。 SCAJのHPではSPを次のように定義しています。
『消費者(コーヒーを飲む人)のカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。(以下省略)』
風味は大切としても、酸味?という方もいらっしゃることと思います。
実は一昔前までのコーヒーは深煎り焙煎が主流で、酸味は劣化の味として低評価とされてきました。
米国では1970年代から大手ロースターの熾烈な価格競争により、品質低下によるコーヒー消費量の低下や小さな生産者さんの離農や失職を招き、これを危惧した人々によりSPの考え方が誕生しました。そしてコーヒー研究が深まるにつれ、丁寧な栽培と精製をして欠点豆を除去した高品質の豆は、焙煎や淹れ方によってフルーティな酸味や豊かな風味や特徴が出現することがわかってきました。
丁寧な栽培と精製は、実は小さな生産者さんこそが実現可能で、少量ロットの買取は小さなバイヤーこそが可能で、丁寧な独自の焙煎や淹れ方は小さなお店こそが実現可能です。小さなお店の独自のコーヒーを消費者が楽しむ。お互いに信頼を築き、毎年気にかけ、お互いを思い合う。この素敵なつながりにSPの真髄があります。なのでお店によっては農園や買取の様子を書いた紙をコーヒーとともに渡してくれます。そこに書かれたことは様々な農産物に通じるものを感じます。
元来コーヒー豆は、大量生産に向いていません。最低気温15℃以上・最高気温30℃以下で1200〜2000mm程度の降水量を必要とし、年平均22℃の高地での生育が良いとされます。この条件に合う土地は世界でも限られており、その多くが赤道を挟んだ南北回帰線の間にあって標高が高い地域でコーヒーベルトと呼ばれ、狭く険しい地形で生産条件が厳しいところが大半です。
ブラジルのコーヒー豆の生産高が世界一なのは、比較的広大な高地で機械化による大規模農業が可能だから。
一般的なコーヒーは、価格競争による低コスト重視なので欠点豆が混入し、それが渋味・泥臭さ・発酵臭・濁りの原因となります。
それに対しSPは、欠点豆を徹底的に排除し美味しさへの飽くなき追求で競う世界です。
バイヤーが生産地に直接赴き、良い生産者と出会い、良い豆を適正な価値で買い付ける。そしてそれが生産者の次の年の生産への意欲につながり、さらに良い豆への原動力になる。バイヤーから良い豆を仕入れたロースターが、その豆の特徴を存分に引き出す焙煎度にして、その管理・淹れる時のお湯の温度・抽出の時間とタイミングにベストを尽くして抽出したコーヒーをカップに注ぐ。コーヒーを飲む人は、その香り、酸味、味わいの中に様々なテイストを感じ、温度が低下するとまた違う風味を発見することができ、豊かな時間を過ごせる、これがSPの世界なのです。
それぞれのSP豆には生産国、生産地の標高、品種、生産者の栽培管理、収穫、精製方法、焙煎度、テイスト等が記してあり、これらの違いによる各コーヒー豆の奥深さや自分の好みを見つけていく面白さがあります。
豆の挽き方、お湯の温度、抽出方法や抽出時間、口に含むときの温度や時間経過によってもSPは全く違う表情を出します。
SPの特徴を引き出す淹れ方ができたとき、コーヒーからは様々な豊かな香りや味が引き出されます。
フローラル、柑橘類の爽やかな酸味、ライチ、桃のような甘味、そしてチョコレートのテイストがわかったときの嬉しさったら!
この豊かなSPの世界を、かごしまんまでもこれから少しずつ皆様にご紹介してまいりますね。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年6月後半号 かごしまんまだより

Jun 13. 2023 かごしまんまだより

【らっきょうのすすめ〜頑張って食べようキャンペーン〜】
前回のまんまだよりで『旬を食べるのが一番!』と力説させていただきました。
野菜セットに入ったとうもろこしも、儚すぎる旬ゆえ本当に美味しかったですね。
さて野菜セットに旬のらっきょうが入ってきました。どうしましょう!困りましたか?らっきょうは苦手ですか?
苦手な人、普段は食べない人も多いのではないでしょうか。でもちょっと聞いてください!らっきょうって実は野菜の中でも効能がダントツで『畑の薬』とも言われるスゴいヤツなんです。
すごい香りなのは、硫化アリル(アリシン)という成分。ネギ類やニンニクにも含まれる揮発性の成分です。おそらく野菜で一番入っていると思われます(りえし体感による)。袋詰めしているだけで目が痛かったんですよ(涙)!強烈です。袋詰めするだけで目が痛い野菜は他に経験がありません。でもこの硫化アリルが効能の宝庫なんです。
らっきょうは紀元前から中国で生薬の『薤白』として『胸痺に効く』とされて重宝されてきました。
胸痺とは胸が詰まって苦しい状態で、心臓系や呼吸器系の不調です。
硫化アリルは、血液をサラサラにし血栓予防する、ビタミンB1の吸収を促進する、強い抗酸化作用や殺菌作用があるので有害な活性酸素やピロリ菌の除去にも効果がある、身体を温め発汗を促す、消化酵素の分泌を促し食欲を増進させる等たくさんの効能があるので、昔の人もそれを経験的に知って生薬として取り入れられていました。
そしてさらにスゴいのは、食物繊維が野菜の中で最も多いんです。ダントツのトップです。なんとごぼうの3倍以上!!
しかもらっきょうに含まれるのは水溶性食物繊維で、腸内の便に水分と共に溶け込んで柔らかくして便通を促す働きがあり、普段から便が硬くて便秘気味の人には特におすすめです。ビフィズス菌の餌になり腸内環境を整える効果もあります。
他にもたくさんの効能があり、総合的に私達の疲労回復を促し、免疫力を上げてガンや生活習慣病の予防や抑制する効果があるのがらっきょうなんです。
日本にも奈良時代に伝来し、江戸時代には既に食用としても親しまれてきました。江戸時代の代表的ならっきょうレシピは、意外にも『煮る』です。江戸時代の人々も、生のらっきょうそのままではやはり食べにくかったのでしょう。
独特の香りと辛味の主体である硫化アリルは、加熱したり水にさらしたりすると抜けていくので食べやすくなります。
水溶性繊維はヌルヌルしていて水に溶けるため、煮込んで汁ごと食べられるスープや味噌汁は理にかなっています。
刻んで味噌汁に入れると、具として入っていることにも気づかないほどらっきょうは気配を消します。
トースターやオーブンで丸ごと焼くのもおすすめ。独特の香りや辛味は姿を消し、甘くトロリとした別のごちそうになります。
苦手な人は、まずは煮たり焼いたりして旬のらっきょうを身体に入れてみましょう。
らっきょう好きな人やがんばれる人には、硫化アリルをほどほどに摂取できる甘酢漬や塩漬・醤油漬がおすすめです。
水溶性食物繊維が溶け込んでいるので、漬け汁も一緒に食べたり、ドレッシングや調味料に混ぜたりして摂りましょう。
超オススメレシピは『刻みらっきょうの甘酢漬』。らっきょうの根をとり皮を剥いて、さっと湯掻いてから(生のままだと辛くて漬け込み時間がかかります)刻んで、酢100mlと粗糖100gに小さじ1杯の塩を入れてよくかき混ぜて溶かし込んだ液に漬け込むだけ。ご飯にかけたりおかずにかけて味変にしたり、タルタルソースの具にしたりと重宝します。
滋養豊富ならっきょうですが、多く摂ると硫化アリルは殺菌作用が強くて胃腸を荒らしますし水溶性食物繊維は便が柔らかくなり過ぎるので注意です。らっきょうは1日に3粒くらいまでの摂取がよい、と言われる所以です。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年6月前半号 かごしまんまだより

Jun 13. 2023 かごしまんまだより

【物価高や円安の今こそ、旬のものを食べる食生活を】
今年はかつてない物価高や円安に直面し、日本の脆弱さが露呈しました。
日本の食料自給率は38%と言われています。しかし種子や肥料やビニール資材や燃料、飼料やヒナなど、農業・畜産業に関するものの大半が輸入に頼っており、実質的な自給率は10%未満であろうとも言われています。
もし今後、コロナ禍やウクライナ戦争のようなことが起きて輸入がストップしたら、日本の農業自体が成り立たなくなるうえ食材すら手に入らない状況に陥り、あっという間に都市部から飢餓に陥るだろうとも言われています。
さきの第二次世界大戦中も、農地がある田舎部は自給自足できましたが、農地がない都市部は食料調達を配給制や闇市に頼るしか手立てはありませんでした。
10年以上農家さんと関わって実感するのは『自然に逆らわず旬のものを自然のままつくって食べるのが一番』ということ。
旬のものは土に負担がないから化学肥料がいらない。野菜や果物に負担がないから農薬や燃料がいらない。
しかし自然のままつくると、大きさがさまざまになったり曲がったり変なカタチになったり傷跡やシミがついたり虫の穴が開いたりします。ときには虫やカタツムリも野菜や果物にくっついてきて、シンクやまな板の上で発見されます。
それらを私達が受け入れるかどうかに、いま日本の農業の運命が差し掛かってきていると言っても過言ではありません。
最近、サラダにカエルが混入していたニュースが話題になりました。
カエルがいるなんて、農業の観点からだけで考えればめちゃくちゃ良い野菜のサラダではないですか!
カエルがいるってことはその野菜には虫がいました。虫がいたってことは強い農薬がかけられなかった野菜だという指標。
たしかにカエルや虫やカタツムリは気持ち悪いです。しかしそれは良い野菜にとっては自然なことなのです。カエルや虫が出ないサラダにするために、農薬散布を増やし、異物混入防止のために新たな機械や人件費を投入すべきでしょうか?それではお金のない農家さんや会社は廃業の道を選択するでしょう。違います。サラダや野菜の中に発見したカエルや虫は消費者がそっと外に放してあげればいいだけ。そのあと野菜をよく洗えばいいだけです。
収穫前の有機栽培レタスにはたくさんカタツムリや虫がついているものです。よく洗って出荷しているので私達はそれを知らないだけです。野菜に生き物がいることは自然なことで、仮に少し食べてしまっても問題ありません。
しかし農薬はひとつひとつの野菜にとって微量で安全上問題ないとされても、それがあらゆる野菜で蓄積され続けたらどうなるのか全体的な解明はされておりません。メーカーのデータや国の基準は都合の良い数字でしかありません。
有機栽培・自然栽培野菜中心の農業を社会が必要とするなら、その社会は農業にもっと寛容にならなければいけません。
市場でそれぞれの野菜に厳格な規格があるのも農業が衰退している一因です。その規格に合わないと値がつかないか『規格外』として安値で叩かれたりします。それなら農薬や化学肥料をどんどん投入して、F1種子による均一な野菜を大量につくるほうが農家さんの生活を守れます。しかし今は物価高に円安。農業を続けられず廃業する方が激増しています。
また季節をずらした野菜をつくるのは特に農薬や化学肥料や燃料を大量に使います。このまま物価高や円安が続けば、季節外れの野菜は今後ますます高値になっていくことでしょう。
四季に適した旬のものには、その時期の動物の身体に必要なものが入っており、旬を食べるのが一番健康に良いです。
冬野菜のニンジンや大根やキャベツを、夏に食べるのは農薬の面からも栄養の面からもあまり良くないことです。
さあ、今日も旬のワイルドな野菜を思いっきり楽しんで食べましょう!
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年5月後半号 かごしまんまだより

May 29. 2023 かごしまんまだより

【西さんの色彩選別機が故障】
大人気の西さんの無農薬栽培米シリーズが今、残念ながら全て販売休止中です。
西さんの米の色彩選別機が故障したからです。
「なぜ色彩選別機が故障するとお米を出荷できなくなるのですか?
カメムシ被害粒や石ならかごしまんまのお客さんはご理解してくださっていますよ」
と私が聞くと、
「いやあ、うちは黒米も扱っているので、どうしても混ざってしまうんですよね。
なぜか茶色の粒もある一定の割合で出るんです。それカメムシじゃないと思うんですよね。
あと黒米など他の品種が入っているともういわゆる『事故米』といって米屋さんで買い取ってもらえないんです。
選別機が非常に古いものなのでメーカーに部品もなくて困ってしまいました。
夏期講習代が入ったら買おうかなー」
と西さんはため息をついておられました。
えっ?夏期講習?ん?とみなさんは思われたでしょう?
実は西さんは小中学生向けの塾も経営されているんです。
「塾は主に夜の仕事だから、昼間はヒマで〜。耕作放棄地を持っているから米を作ろうと思って農家も始めましたw」
と。マジですか。タフだな〜
塾の先生が農家もやっているなんて、ここ鹿児島でも聞いたことがありません。
今の時期は特に忙しく、昼間は田植えをして夜は小中学生に勉強を教えているそうです。
かごしまんまにも小豆用の色彩選別機があるので、田植えが落ち着いたら一緒にそちらを使ってみることになりました。
いずれにしましても、しばしの間は西さんのお米シリーズが休売となります。
みなさん本当にすみません。

【2023年の梅は裏年か】
梅や柑橘類の木は、その地域でいっせいに豊作の年と不作の年を毎年交互に繰り返していく傾向があります。
豊作の年を表年(おもてどし)といい、不作の年を裏年(うらどし)といいます。だいたい毎年交互にやってきます。
今年2023年は、どの農家さんに聞いても梅の実があまりなっていないとのことで、おそらく裏年だと思われます。
市場に青梅が出始めましたが、表年だった去年とは違いやはり高値です。
去年私が収穫した自然栽培の梅の木も今年は実があまりなっていないので、今年の青梅は市場仕入れとなります。
販売時期も短いと思います。
梅ジュースや梅酒を仕込む予定の方はお早めのご注文をお願いします。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年5月前半号 かごしまんまだより

May 29. 2023 かごしまんまだより

【鹿児島ではフェリーが交通手段】
ゴールデンウイークはゆっくり過ごせましたでしょうか。
私は、枕崎や指宿に行って『舟人めし』や『揚げたてコロッケ』を楽しみました。
鹿児島は、鹿児島湾を挟んで大隅半島と薩摩半島に分かれます。
なのでフェリーが交通手段としてメジャーで、桜島フェリー・垂水フェリー・フェリーなんきゅうのなんと3航路!
電車があまりない鹿児島では、人々は日常的にフェリーを利用し、
高校生も定期券で毎日乗って通学していたりしています。
特に桜島フェリーは桜島噴火時の避難経路として防災もあり、
24時間運航しています。
今回、私は地図の③のフェリーなんきゅうに乗って枕崎と指宿に
行ったのですが、このフェリーがまあとんでもなく揺れるんです。
湾内ですが太平洋にも面しているので大海原の木の葉状態。
揺れに揺れるので、船内ではまともに歩けないほど。
船酔いに耐え抜いて食べる『だいとく食堂』の舟人めしはサイコー!
枕崎のかつおとその本枯節を贅沢すぎるほどに使ったお茶漬け。
鹿児島に来たらぜひ枕崎の舟人めしを食べてください。
あとなぜか指宿はコロッケの激戦区。
ぜひ『肉の上高原』さんのアツアツコロッケで悶絶してほしいっ!
いつかぜひ鹿児島に遊びに来てくださいね。
海も山も美味しいものもたくさんあります。

他の日は、ひたすら『かのや姫小豆』の選別作業をしていたりえしでした。
製餡所建築も完成に近づいてきました。今月は機械類が入り、いよいよ試運転をします。
小豆計画(小豆プロジェクト)という名でインスタもHPもあります。ぜひのぞきにきてくださいネ。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2023年4月後半号 かごしまんまだより

Apr 24. 2023 かごしまんまだより

【生活応援&生産者さん応援 野菜定期便500ポイントキャンペーン】
各種野菜セットの定期便3回で
もれなく500ポイント進呈します!
4月14日から6月30日迄の出荷期間限定です
(※2023年4月15日から7月3日迄のお届け日)
4月14日〜6月30日期間中の3回出荷が条件です。

現在継続中の皆さまも3回達成で、ポイント進呈いたします(エントリー不要です)。

ポイント付与日は7月5日予定です。 定期便や一部の商品・送料以外で、かごしまんまでのお買物にお使い頂けます。
普段使いの旬野菜が多いことで定評あるかごしまんまの野菜セット。
旬野菜を継続的に摂ることで「医者いらずになった」というお声をたくさん頂いてまいりました。日頃の感謝を込めて生活応援キャンペーン開催です。

生産者さんの安定生産も応援できます。これを機会にお得な定期便をぜひお試しください。
 

【ゴールデンウィークについてお知らせ】
4月29日(土)~5月10日(水)はゴールデンウィーク休業とさせて頂きます。
休業前の最終出荷は4月28日(金)(4月21日13時ご注文締切)
休業明け初回出荷は5月12日(金)(5月5日13時ご注文締切) となります。
出荷日の変更やキャンセル・追加変更は、各出荷日の1週間前の13時迄は何度でも可能です。ご連絡ください。
ご不便をおかけし申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

【もっちりあげ 終売のお知らせ】
リピーターが多い『もっちりあげ』。これも残念ながらメーカーさんが5月で製造終了を決断しました。
人員不足で、主力の納豆・豆腐の生産の安定化を図るためやむない決定とのことです。本当にすみません。
『買い物は投票活動である』と言われますが、ここ20年の不景気で選択肢自体が急激に減少し、お店はどこの都市も似たような企業の大型店舗ばかり。商品もコスパが良い大量生産品ばかりになってしまいました。
九州産大豆の豆腐や納豆も激減しました。原材料表示を見ると大半が輸入大豆で、国産自体が少なくなっています。
政治が人口減少対策や食糧自給率問題を先延ばしにしてきたこと、安くて都合の良い人材の非正規雇用者や外国人実習生を増やして経済を持たせてきたこと、消費税はじめとした様々な増税に加えてガソリン・光熱費や物価の高騰など諸々な問題が折り重なって、現在の日本を重く直撃しています。
10%という高額な消費税を決める政治には関心を持たないけど、イートインコーナー使用やレジ袋代は惜しんでマイバッグを持参する。節約をどんなにしても、生活に最低限必要な日用品すら1000円買えば100円も消費税として国にとられていく毎日。低所得者ほど年間所得のおよそ1ヶ月分をまるまる消費税等の税金に取られてしまうような仕組みです。
それなのに社会保障が豊かになった実感はいっこうになく、年金支給額は下がり続け、受給対象年齢も上がるばかり。
政治が決めたことにNOと行動せずおとなしくしていたら、いつのまにか息苦しい国になってしまいました。
かたや年金支給対象年齢が2年上げられることになると国民全体が怒りでデモや暴動で全力抗議するフランス人。
我々日本人ももっとNOとはっきり行動しなければ、防衛費増強を目論む政権にまた消費税を上げられてしまうでしょう。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江