2023年8月後半号

Sep 6. 2023 かごしまんまだより

【台風の爪痕】(すみませんコーヒーの続きは次回)
沖縄九州には台風6号が、東海や近畿・中国地方・四国には台風7号が各地を襲った8月でした。
店頭で野菜の種類や量が少ないのはその影響です。供給量がグッと減った野菜を全国で取り合っている状況であります。
かごしまんまの野菜も量が少なかったり欠品があったりしております。
暴風雨により多くの花が落ちたり本体が倒されたりするので、台風後の1ヶ月程度は野菜全体の供給量が回復しません。
皆様には少しガッカリな気持ちにさせてしまっていることと存じます。心苦しいですが、これが台風後の現実です。
酒井さんのニラ畑も台風にかなりやられてしまいました。台風が来なければ1袋に30本入れてお届けしていく予定でした。ところが台風で半分以上が折れてしまったりなぎ倒されたりしたため、台風明けの出荷日は半分の量しかお入れすることができませんでした。出荷できた分も、ニラは葉が長細いため台風の猛烈な暴風雨で多くの葉が折れてしまって見た目が悪くなっているものが多くてお届けするのは心苦しかったです。
しかし酒井さんはかごしまんまのために無農薬無化学肥料栽培でつくってくださっております。見た目が悪い量が少ないという理由でお断りすると、全て廃棄処分になり、酒井さんの収入を奪います。そういうことの繰り返しが離農の原因になります。きれいな野菜だけが現実ではありません。自然の一部である野菜は、自然と共に変化します。
どうぞ私達のために安心安全な野菜を作ってくださっている生産者の方に想いを寄せて、台風後は仕方ないよね、と野菜の変化にご理解くださると幸いです。
井之上さんの自然栽培ゴーヤも、その多くが台風の暴風雨で傷みが見受けられました。
ゴーヤは吊り下がってなる野菜なので、雨が続くと下部の先端に雨が集中してしまい、ずっと濡れた状態になるので傷みが出やすくなります。特に長雨や台風の後は多くのゴーヤに傷みが発生します。こちら鹿児島では、傷んだ部分を包丁で大胆にカットして店頭に並んでいたりもしますが、カットすると時間の経過とともにそこも傷みやすくなるため、かごしまんまでは傷みが多少あってもカットせずにお届けするようにしています。
ゴーヤの傷みは、数日程度では周囲に広がることはあまりありません。調理時に傷んでいる部分をカットしてお使いくださいますようお願い申し上げます。
また、中のタネが真っ赤になっていたらこれはピーマン同様、熟して甘くなっているだけなのでおいしく食べられます。
ぐるめ畑さんは台風からビニールハウスの骨組本体を守るため、すべてのハウスのビニールを剥がして野菜を犠牲にしました。なのであと1ヶ月ほどは収穫できない、との連絡を受けました。
上村農園さんはビニールハウスのビニールを剥がさない決断をしました。「剥がしても野菜が犠牲になる。ビニールが破れたり骨組が壊れたりしたところだけを直していくように決めました」とのこと。勝負師ですね。結果、今回は幸いそんなにビニールが破けることがなかったので通常通りの納品ができています。葉ネギの生産者さんも同様でした。
消費者の私達の理解と協力が、生産者の皆さんを支えます。
また数週間経過すれば葉物野菜をはじめ多くが復活してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江