平成25年3月5日(火)

Mar 5. 2013 かごしまんまだより

無農薬で頑張っているおばあちゃんのところに水菜と小松菜を取りに行くと、いつもなら野菜を既に用意されているのに、まだ水で一生懸命洗っているところでした。どうしたのか聞いてみると、「エカキムシにやられてしまったよ。農薬撒けば一発でいなくなるんだけどね」と言いながら被害を受けた葉っぱを1枚1枚取り除きながら野菜を洗っていました。
エカキムシは別名ハモグリバエといって、字の意味そのままに葉の皮の中に潜り込んで、絵を描くように葉の中身を食べ尽くしていく虫です。被害を受けた葉は、虫によって迷路のような絵が描かれています。
そしておばあちゃんは「見てみて。野菜の側にいっぱい竹の棒にぶら下げた紙があるでしょ?あれで野菜の周りを飛ぶエカキムシを取るんだよ。ハエ取り紙さ。」といいました。見ると膨大な畑の中に無数にハエ取り紙がはためいていました。おばあちゃん一人が1つずつ竹に結わいて土に挿していったものでした。野菜を守ってハエ取り紙は七夕の笹の葉のように揺れていました。

私たちの使う電気も原子力エネルギーを使う発電所でなら1か所建設すれば膨大な量をまかなうことができます。でも太陽光発電をはじめとする自然エネルギー由来発電の発電所は、家庭の屋根の上のパネルもそうですが1つ1つ地道に造っていかねばならず、天候にも左右され、しかも発電量はそう大きくありません。

農薬も原子力もとっても便利。農薬を使えば形も見た目も綺麗でシャキッとしたお野菜が食べられる。原発も1基あれば安定した供給力が得られる。
それに対して無農薬・減農薬のお野菜は見た目が悪いし虫がついている。自然エネルギー発電は1つ1つが小さな発電量で手間がかかるし天候に左右され不便。
でも。安全で安心して子供たちに託せるのはどちらでしょうか。環境や健康を守るのはどちらでしょうか。
ちょっと不便だったり手間がかかったりするけど、自然や健康になるべく負荷をかけない。そういうものを愛おしく思う人が増えれば、日本の農業や未来をより良いものに変えられるのではないかと心より願っております。

この時期、かごしまんまの野菜は桜島からの火山灰を被っています。よく洗ってお召し上がりください。桶やたらいで水をためて野菜を洗うと、底に黒い灰がたまっていく様子がわかります。
かごしまんまの野菜は「見た目」ではなく低農薬、有機農業、季節のお野菜、新鮮さにこだわります。それが体にやさしい自然の恵みだと考えています。なるべく農薬を使用しないので土壌細菌や虫喰いにより穴が開いていたり傷やシミがついていたりするものもありますが、食べても問題ありません。気になる場合はその部分だけ取り除いて下さい。また、形や大きさも様々で綺麗な野菜ではありません。
どうぞご理解、ご賛同くださいますようお願い申し上げます。
もしも野菜が凍っていたり、腐敗、卵が割れていた等ございましたら遠慮なくお申し出くださいませ。
その他の商品も「見た目」ではなく安全性とおいしさにこだわったものが多いです。
一般の商品よりも不格好なものばかり。しかし全て添加物嫌いの私と避難ママみきちゃんが厳しい目と舌で選んだものばかりです。実際に生産する現場まで足を運んで確かめています。
ここなら安心して買い物ができる。スーパーに並ぶ食品よりもちょっと高くなるかもしれない、でもこれが本当の食品の味。そんなものをこれからもずっと変わらず提供し続けていきたいと思います。

Edit by 山下 理江