平成25年3月19日(火)

Mar 19. 2013 かごしまんまだより

鹿児島では今、菜の花があちらこちらで満開です。休耕中の畑、田んぼ、古墳のような丘、道端、山のあぜ道、あちらこちらに菜の花が咲き乱れています。菜の花からは菜種油がとれるので、鹿児島では戦前あたりまでは菜種油づくりが盛んでした。しかし戦後、生活がどんどん豊かになり安くて便利なものが溢れていくにつれて、手間がかかる菜種油づくりは衰退の一途をたどりました。今では鹿児島県内でも菜種油を製造しているところは数件となってしまいました。
また、小豆やニンニクや小麦なども鹿児島でつくっているというとびっくりされる方も多いですが、これらも年々収穫高が減ってきていています。手間がかかるものを育てても販路がないからです。そしてどんどんサツマイモ畑に変わっていきます。サツマイモは買取業者がいて確実にお金になるからです。芋澱粉にしたり芋焼酎の原料になったりします。
もったいないなあ、と思います。せっかく今、鹿児島県産の農産物を欲しい方がたくさんいるのに、と。でも若い農業従事者は減少の一途をたどり、手間がかかる農作物はなかなかつくれなくなってきています。しかも消費者は安いものを買い求めます。手間や付加価値を付けても市場では負けてしまうのです。こうやって日本の農業は衰退していっているのだろうなあ、と肌で感じています。
日本全体の事を見ても同じです。TPPの前に、「食べて応援」の前に、国に根本から農業政策を見直して欲しいです。放射能の基準があるなら放射能検査に伴う費用の負担をすべて国や東電にして頂きたい。なぜ被害者である農家が高い検査費用を出して検査しなければいけないのでしょう。基準値越えで出荷制限があるなら最低保証ではなく満足できる保証をして欲しい。汚染で耕せないなら新しい別の土地を用意して欲しい。なぜ被害者が苦しい負担や生活を強いられるのでしょう。
もっと国を挙げて農業を守り自国の農業を元気にしていかないと私たちの国から素晴らしい農業はいつか消えていってしまいそうです・・・。

かごしまんまの野菜は農薬や化学肥料を極力使用しないので、見た目も悪く市場のものより輸送に弱いです。もしかしたらお手元に届く際に虫が一緒に眠っているかもしれません。また、いまの季節はまだ風向きが悪く桜島からの灰もかぶっています。すみません、丁寧に洗って食べてください。見た目は悪いですが、穴が開いていたり形が悪かったり少し割れが入っていたりしても食べられます。それでも低農薬、有機農業、季節のお野菜にこだわり続けます。それが体にやさしい自然の恵みだと考えています。どうぞご理解、ご賛同くださいますようお願い申し上げます。野菜にカビ・腐敗・凍結等ございましたら遠慮なくお申し出ください。
その他の商品も安全性とおいしさにこだわりぬいたものばかりです。
一般の商品よりも不格好なものばかり。しかし全て添加物嫌いの私と避難ママみきちゃんが厳しい目と舌で選んだものばかりです。ここなら安心して買い物ができる。スーパーに並ぶ食品よりもちょっと高くなるかもしれない、でもこれが本当の食品の味。
そんなものをこれからもずっと変わらず提供し続けていきたいと思います。

Edit by 山下 理江