平成26年11月14日(金)

Nov 13. 2014 かごしまんまだより

【新馬場さんの野性的な野菜がなぜか美味しい】
大好評の新馬場さん(推定70歳・女性)の野菜が今回は3種類も入りました。チンゲン菜と大根と小松菜です。
新馬場さんはかごしまんまだけに卸す野菜を無農薬栽培しています。そのため、毎日出荷する市場野菜と違い、週に2回しか収穫しないので野菜がグングンあっという間に大きくなってしまいます。無農薬の露地栽培なので虫や土壌細菌も元気に野菜を食べたり攻撃したりします。でも虫や細菌に攻撃されでも、怪我を治すように野菜も頑張って自分でキズを治します。よって虫の穴があっても葉っぱは元気ですし、大根の肌には黒や茶色の「かさぶた」があります。この虫の穴や大根の黒い斑点が一般的には消費者から嫌われるため、多くの農家は防虫剤をかけて虫を殺し、殺菌剤を土壌に注入して細菌を殺します。
しかし農薬は虫や細菌だけを殺すのではありません。農薬の歴史をたどると人間の戦争に使われた化学兵器だらけです。例えば有名なモンサント社のラウンドアップという除草剤(日本でも販売されています)はベトナム戦争で枯葉剤として使われていたものを農業用に商品化したものです。ベトナムではたくさん奇形の赤ちゃんが生まれました。現在でも世界中の農業従事者やその周辺の人たちが健康被害を訴えています。兵器と違って薄めて使用しているとはいえ、農薬は人間にとっても猛毒なのです。
化学肥料や農薬を与えられない露地野菜は自己防衛のために強く固くしゃんとしています。そして、大きさも形もまちまちで個性豊かに育ちます。虫や菌にあちこち食われたりして見た目も悪いですが、味も力強いです。
今回のチンゲン菜、びっくりするほど大きく育っていますが、実際に食べてみるとメチャクチャおいしいのです。
一般的に野菜は、花を咲かせようとする頃から葉も茎も固くなり、おいしくなくなるものです。ですから野菜が花のつぼみを作り始めるとその野菜は収穫されません。これを農家の専門用語で「とうが立つ」といいます。
収穫期の後半になると、農家の方から「とうが立ち始めたから終わりだよ」とか言われ始めます。そうすると、かごしまんまはその野菜の商品ページを[売り切れ」にします。
ですから野菜のおいしさに、実は大きさは関係ないのです(でもまあ、小さいうちのほうが柔らかくて食べやすい、ということはありますね)。
つまり、新馬場さんのチンゲン菜や小松菜は大きくてもとうが立っていないのでおいしいのです。かごしまんまスタッフも野菜をチェックするときにはこの「とうが立っていないかどうか」もポイントにしています。
一般的にスーパーで野菜を見て選んで買う時に私達は、どうしても見た目が良く、葉には虫の穴などなくて、大根の肌は真っ白くてきれいなのを選んでしまいます。おそらく新馬場さんの野菜はスーパーでは売れませんね。
スーパーで売れるような野菜にするには、新馬場さんの野菜とは逆のものをつくればいいのです。見た目がきれいで大きさも均一で泥も虫もついていない野菜が売れることでしょう。
でもそういう野菜を若者不足の農家が効率よく安価に生産するには、薬剤が塗布されたF1の種子を購入して農薬や化学肥料をたくさんかけて栽培するしかありません。そうして並んでいるスーパーの安くてきれいな野菜と新馬場さんの野菜、どちらが本当に身体の喜ぶものでしょうか。
チームかごしまんまの皆様は、どうぞ新馬場さんの野菜を安心して思いっきり召し上がってください。

その他の商品も安全性とおいしさにこだわりぬいたものばかりです。
一般の商品よりも不格好なものばかり。しかし全て添加物嫌いの私と避難ママみきちゃんが厳しい目と舌で選んだものばかりです。ここなら安心して買い物ができる。スーパーに並ぶ食品よりもちょっと高くなるかもしれない、でもこれが本当の食品の味。そんなものをこれからもずっと変わらず提供し続けていきたいと思います。

Edit by 山下 理江