かごしまんまがある大隅半島は3月から気温の乱高下が激しく、ここ数日は桜の花びらが舞い散る中を半袖で過ごし、南国独特の天気雨が降る中でカエルも大合唱する、そんな状況です。季節の急激な変化は私達も体調を崩したり風邪をひいたりしますが、野菜さんたちにとってもそれは過酷な状況で、レタスやキャベツに「溶け」が入ったり、大根の表面が大荒れ模様になっております。
特にこの時期の無農薬栽培の大根は、自分の力で土の中の細菌や生物と戦うので、穴様の模様や黒いシミやあざができていますが、これは『かさぶた』や『傷跡』のようなもので、無農薬の証ともいえます。スーパーなどで売られている大根の肌は真っ白なのでびっくりされた方もいらっしゃると思いますが、どうぞ「無農薬でよく戦ってきたね」と撫でてあげながら、皮をむいて食べてやってください。
【都道府県によって違う減農薬の基準】
『減農薬』という言葉がついている農産物ならとても安心な気がしてきますが、使用回数が少なくても「毒性や環境負荷の高いものであったり」「噴霧面積あたりの農薬の濃度が濃かったり」「収穫期の直前に撒いていたり」調べてみると内容が一概には「安心」とは言えない場合があります。
『減農薬』というのは、正式には農林水産省が『特別栽培農産物』という名称で正式にその定義と表示ガイドラインを定めています。
それによりますと、
『特別栽培農産物』・・・その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。
とあり、それに基づき各都道府県がそれぞれを定めて各都道府県のHP上に公開しています。
しかし、よく調べるとその慣行レベルの基準が各都道府県によって全然違うことがわかります。
一般に生物は気温が高いと活動が活発化するので、農薬は九州が一番使われているのかなと予想していたのですが、意外とそうではなくてむしろ九州は全般的に農薬使用が低い傾向にあります。
野菜の品種別に各都道府県の慣行レベルがどのように違ってきているのか、これは面白そうな研究テーマですね。
例えば「大規模農業が盛んな地域」と「人手を多く使う小規模農業の地域」とでは大きく違いますでしょうし、また「臭いや騒音等の公害にうるさい都市型農業の地域」とそれらを全く気にしなくていい「郊外型農業の地域」とでも全然違ってきますよね。
都道府県別によって違う慣行レベルを調べることで、農薬や化学肥料についてなにか見えてくるものがありそうです。
かごしまんまでもこのテーマについて少しづつ研究してみなさんに報告していこうと思います。
放射能も農薬も添加物も遺伝子組み換えもみんな日々、勉強ですね。
悲観せず、でも思考を閉ざさず、前向きにできることを一歩づつ、同じ空の下、共に頑張っていきましょう。