平成27年7月3日

Jul 2. 2015 かごしまんまだより

【鹿児島はまだまだ梅雨真っ盛りで、引き続き毎日雨です】
今年の梅雨は鹿児島にとって試練です。
どのくらいの試練かといいますと、6月の降水量が鹿児島の多くの地点で統計開始以降、年間を通じた月降水量の1位の記録となっていたり、50年に一度の大雨だと言われていたりするほどです。
鹿児島県内各地では1981年から2010年にかけての月間平均降水量は450ミリ位でありますが、今年はその倍以上の1000ミリを越えるところが続出しています。
畑に這うようにしてできるカボチャはみな溶けてしまい、キャベツも消えました。梅雨前に収穫しなかったジャガイモは畑で腐っていきました。日照不足でインゲンが育たず収穫量が落ちていつもより少な目になってしまいました。ゴーヤも日照不足と雨で鮮やかな緑色になる前に下の方から傷んでいっています。井之上さんの貯蔵玉ネギはあまりの湿気で大きいものから傷み始めたり根が生え始めたりしていて、今回からは小さ目のものしか入りません。
生産者さんからかごしまんまに届けられたばかりの野菜でもスタッフがチェックしていくと、いつも以上に廃棄するものがたくさん出ています。雨の中の収穫なので、野菜が傷んでいくのがほんと早いのです。
受粉が必要な野菜は雨でつぼみや花がやられたり虫が飛ばなかったりして結実せず、軒並み不作です。
今からが旬のゴボウも、沼のようになっている畑に入るとゴボウではなく足が抜けなくなるのでなかなか収穫のタイミングが合いません。毎年、梅干し作りのシーズンにあわせて店頭に出始める赤シソや青シソも今年はあまり見られません。みなさんが楽しみにされているトウモロコシも、長雨で畑の土が緩んで倒れやすくなっていたり、生育不良で実の粒々がビッシリつまっていなかったり傷んでいたりしていますので、今年は商品化が厳しいかもしれません。
雨がこんなに長くずーっと続いては、この時期に種まきや植え付けをしなければならない夏野菜もおそらく苦戦することでしょう。
雨の中で種まきしても流されてしまいますし、植え付けした苗も雨に負けて弱っていきますので、生産者さんが夏野菜の準備を何もできないからです。
今年の夏は野菜がどうなることやらとっても不安ではありますが、なんだかんだいってもいつもなんとか乗り越えてきました。無農薬・減農薬栽培で頑張ってくださっている生産者さん、市場で鋭く目を光らせて九州の良い野菜を探す生産者さん双方共に全力で頑張って今年の夏も乗り越えてゆこうと思います。
ここでひとつ宣言(言い訳ともいう)します。
九州の夏野菜セットはゴロゴロ・スカスカです(対訳:南国の太陽に耐えうるゴロゴロした野菜ばかりでスカスカした野菜ばっかりのセットです)。キャベツやニンジンや白菜は夢のまた夢です。
ゴーヤ、オクラ、ピーマン、ナス、キュウリ、トマト、芋類が主力選手になり、葉物野菜を1品か2品ゼイゼイ息切れしながら入れていく感じです。そもそもここ鹿児島の地で夏野菜を10種類以上毎回揃えていくのはホント至難の業で、去年も毎回毎回よくやるなー、と生産者さんも私達かごしまんまスタッフも自分で自分を褒めて笑って(壊れて?)いました。
でもそれが九州の正直な夏野菜です。そしてそれが311以降に選択した私達の食生活です。
今年の夏はいつも以上に九州の野菜が厳しいことが予想されます。
「ゴーヤいらない、キャベツが欲しいの♡」なんて言わずに、さあ頑張って旬の九州野菜を食べる食生活に慣れてください!お願いします!

Edit by 山下 理江