平成27年8月21日

Aug 20. 2015 かごしまんまだより

【桜島、噴火警戒レベル4に】
2010年から活発化していた桜島が、とうとう噴火警戒レベル4になってしまいました。歴史上、大正噴火クラスの噴火は100~200年に1度程度はあるので、鹿児島人にとって覚悟してはいたことですがやはり緊張しますし不安ですね。地球の自然活動におけることなので仕方ありません。しかし川内原発が再稼働したばかりのこのタイミングなので、私は無宗教なのですが、なにかこう神様のような大きな上の存在の怒りに触れてしまったのだろう、と思わずにはいられません。福島原発事故でいまだ多くの人が自宅に帰れず、核のゴミ処理問題も後回しにして見切り発車して再稼働させている日本は怒られて当然だと感じます。
そこで桜島が大正噴火クラスの大噴火を起こした場合のシミュレーションをしてみましょう。
6月第1週のかごしまんまだよりにも書いたことですが、もう一度加筆修正して再掲載しますね。
鹿児島の桜島に大正噴火やそれ以上の巨大噴火が起きた場合、現実問題としてかごしまんまからの野菜や食材はどうなるでしょうか。
大正噴火では1914年1月12日から大音響とともに噴火が始まり、1か月くらい大噴火し続けました。たった1日で島の神社の鳥居が2mも埋まってしまうほどの火山灰や軽石で埋め尽くされてしまったり、火砕流で多くの集落が全焼したり流れてきた溶岩や飛んできた軽石で島はおろか海までも埋まっていきました。そして大量に流れ出た溶岩で海は埋め立てられていき、1月29日には大隅半島と陸続きになってしまいました。
この噴火規模ですと、風向きやタイミングにもよるかとは思いますが、緊急に鹿児島市や霧島市などの桜島に近い生産者からの商品はキャンセルになる可能性があります。これらの地域は火山性地震の被害があったり降灰が凄すぎて視界不良となって輸送が止まったりする可能性が高いからです。
かごしまんまからの九州自動車道や一般道のルートは桜島付近を通らないですむう回路が幾つもあるので、その他の地域の生産者からの輸送も止まらないと思われます。よって、おそらく商品のお届け自体もすぐには止まることはないかと思われます。特に今は夏で、桜島からの風向きは北です。かごしまんま周辺への直接の降灰被害は少ないと思われます。
しかし風向きが悪い時期(具体的には秋冬)ですと大隅半島の野菜全体が降灰の影響を受け、最悪の場合は緊急にご注文をストップさせて頂くかもしれません。返金等の諸対応はできると思います。しかし・・・
もしもそれ以上の、カルデラが形成されるような破局的な大噴火が九州のどこかで起こった場合は、おそらく1,2週間以内に九州が壊滅してしまうことでしょう。そして1か月以内に日本中は灰雲で覆われ、そのまた数か月以内に北半球全体が灰の雲で覆われ、最悪な場合は3年くらい太陽の光が遮られて冬の世界になるであろうといわれています。そうなった場合は飛行機も飛べず、原発はおろか日本中のあらゆる機能が麻痺していますので、かごしまんまからのお届けはもちろん返金も困難であると思われます(その時点で私もスタッフもあの世の人になっている可能性が非常に高いです)。そして、太陽光が届かない世界は植物が育たないので北半球を食糧難が襲います。そうなりますと食料自給率が低い日本はまさに破局です。
そしてそういう破局的な噴火は地球の歴史上、数千年~1万年に1度くらいの頻度で必ず起こっている事象であります。皆さんが中学の社会で習った、この大隅半島を覆う「シラス台地」も破局噴火でできた賜物です。破局噴火は、北半球のどこで起こっても、私達全員が破局する危険性をはらんでいます。
興味ある方はぜひ、石黒耀著『死都日本』を読むことをお勧めします。これはお医者さんが書いた小説ですが、あまりに緻密な科学知識とシミュレーションによって書かれているので、この本をテーマにした学会まで開かれたほど多くの火山学者に影響を与えた本です。川内原発のことも出てきて、物語としても非常に面白いです。

Edit by 山下 理江