平成27年10月2日

Oct 5. 2015 かごしまんまだより

【産直が一番安くて美味しい】
私は2011年まで千葉に住んでいました。
鹿児島の田舎に移住してきてまずびっくりしたのが、水の種類の豊富さとその激安さです。鹿児島・宮崎には色々な水の銘柄やメーカーがあって、2Lペットボトルで60円!というものや20L箱800円というものもあります。千葉ではそんなに安いお水は見当たりませんでした。
次に、野菜の直売コーナーや無人販売所がたくさんあることに驚きました。道の駅や野菜直売所も多いですし、スーパーや温泉、ホテルなどの一角にも野菜の直売コーナーがあります。そしてとても安い!どれもだいたい100円~200円とスーパー等で購入する半額で、しかも量も多く当日の朝採れで超新鮮です。でもなんだかワイルドで、見た目が悪いものが多く、大きさや形が色々で虫食いの跡やキズがあるものや虫がいるものも元気に売られていました。
千葉で生まれ育った私にはそのどれもが衝撃的でそしてなんだかホッとしました。
産直では激安な水や野菜が都市部では高くなってしまう正当な理由があります。なぜなら生産者が直接に都市部の消費者へ届けることは不可能です。生産者は「もの」をつくりながら販促活動はできません。生産者はつくった「もの」を市場や小売業者に届け、市場は小売業者に届け、小売業者は配送業者に届け、配送業者が全国のスーパーに届けたり消費者に直接届けたりすることで、「もの」は消費者の手に届けられます。
このように「もの」は生産者からいくつもの業者がリレーをしてはじめて消費者に届けられます。ですから産直で100円の「もの」が最終的には200円~300円になって消費者にわたるのです。
特に水は大変重いので、1つ1つに送料がかかってきます。ですから産直では20Lで800円の水が、都市部では1800円になっていくのです。
田舎は都会よりも給料や時給が低いですが、産直が多くて住居費も安いので相対的に生活水準は変わらないように思います。都市部では通勤に1~2時間かかるのが普通ですが、田舎では車通勤で10~20分ほどだったりします。都市部では終電で帰るような残業も多いですが、田舎の企業では残業があまりなく7時には帰宅しているお父さんも多いです。また、田舎は電車が不便な地域も多く電車通勤しないので服飾費がグッと減ります。駅ビルなどの誘惑もないので物欲や見栄が抑えられ、時間的にも体力的にも精神的にも余裕が出ます。
田舎では味噌や梅干しやジャムなどの手作り率が高いということも、こういうことに起因するのかなと思います。
移住を考えている方、どうぞあきらめずひるまず一歩を踏み出してください。
九州は温泉が多く、産直の農産物や水も豊富で、大型遊具がある公園も混雑せずに利用できたり、安くレジャーできるところもたくさんあります。
なにも気にせず思いっきり遊べ、思いっきり食べ、子供達の芋掘りも遠足も運動会もモヤモヤせずに参加させられる、そんな時間を得られます。
まずは保養をしてみることもおすすめです。保養はウィークリーマンションなどの自炊ができるような宿泊がいいと思います。現地の食料事情が分かるからです。
かごしまんまをしていて皆様に安心な食材や野菜を届ける一方で、産直の野菜や水を見るたびに願わずにいられません。色々な困難や壁を乗り越えて、皆様の移住がどうか実現しますように。心から、心からずっとずっと応援します。

Edit by 山下 理江