2021年4月後半版

Apr 15. 2021 かごしまんまだより

【初夏へ向かってGO~野菜は巡るよ】
菜の花があちこちで満開な鹿児島です。
菜の花はアブラナ科ですから、今、アブラナ科の皆さんは花を咲かすことに忙しいです。
アブラナ科チームは、より高い位置に花を咲かせるため、一斉に中心の茎を太く固くして伸ばしていきます。
そうすることでハチやチョウに見つけてもらいやすくなり、色々な所へ花粉(子孫)を運んで貰えるからです。
可食部も大きく固くなっていき、最後は包丁が入らなくなるほどまで固くなり食べられなくなります。
アブラナ科チームが大きめ・固めになっていきますと、僕らの旬は終わりですよ~の合図。
アブラナ科の皆さんは、野菜の中でもレギュラー選手が勢ぞろいです。ずっとスタメンの大根さんと小松菜さん。みんな大好き白菜さんとキャベツちゃん。ルッコラ、ブロッコリー、カリフラワー、水菜など。
品種改良された小松菜と水菜以外は、アブラナ科チームは春から初夏にかけて大きく固くなっていき、花を咲かせて夏には全員消えていきます。
今の時期の大根が大きくて立派なのはそういう理由です。そうです。そろそろ別れの時が近いんです。
この時期の最大のヤマ場は、ニンジンとジャガ芋とタマネギが一瞬だけ揃うこと。
ニンジン選手は旬の終わりで息も絶え絶え。対照的にタマネギとジャガ芋はやわらかくて甘いマスクの新人。
オール鹿児島県産でカレーやシチューをつくれる、貴重な時期なんです。さて今年は何回揃うかしら?
もっとあたたかくなるとつる性(なりもの系)野菜チームが元気になっていきます。
キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、スナップエンドウ、キヌサヤなどです。
これらが野菜セットに入って「ああ、春だなあ」なんてほっこりしていると、鹿児島ではすぐにヤツらがやってきます。
そうです、ゴーヤどんとオクラっぺです。最初は小さくて少量なのに、暑さたけなわになるとどんどん大きくワイルドになってしまったゴーヤどんが2本3本平気で野菜セットに入ってきます。オクラっぺも負けずに本数を増やし大きくなっていきます。そうして大きさも数も増えていって「もう許して!!」って頃に秋(飽き?)が来て、夏野菜チームがスタメンから外れていきます。
で、再びアブラナ科チームをはじめとした冬野菜クンたちが元気に戻ってくるのです。
これから初夏に向かって、大根やキャベツやニンジンとしばしお別れになっていきますが、悲しまないで。
実は夏にこれらの冬野菜を食べても栄養も旨みもあまりありません。高原など涼しいところで無理してつくられますので農薬も多く使いがちです。
しかも冬野菜の栄養は「身体をあたためる」ことで、夏野菜のそれは「夏バテを回復する」ことが主な働き。
自然のサイクルに合わせて、そのときの旬野菜を食べるほうが断然栄養価も高くて美味しいですし、おススメですヨ。旬の野菜のチカラが、私たち含め動物の元気の源になります。
さあ、初夏に向かう野菜たちをどうぞおもいっきり楽しんでくださいネ。

皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江