悩ましい季節がやってきた。
井之上さんのジャガ芋と高吉さんのイタリアントマトのシーズンだ。
いや、ジャガ芋もイタリアントマトも嬉しい。
しかしその選別が大変なのだ。
井之上さんも高吉さんも無農薬栽培。
お客さんも大喜び。
だけど提供する我々はヒヤヒヤ。
納品される野菜がワイルド過ぎる。
だって井之上さんも高吉さんもマイペンライでケセラセラでなんくるないさー。
そういうマインドでないとやってられない。
どんなに計算したってどんなに手を尽くしたって、常に天候や虫や菌や動物にいとも簡単に左右されてしまうのが無農薬栽培だから。
何が起きたって何をされたって、マイペンライでケセラセラでなんくるないさー。
鹿児島弁ではこれを『てげてげ』という。
井之上さんのジャガ芋も、高吉さんのイタリアントマトもてげてげに納品される。
「よーけ入れといたけ!」→和訳「多く入れといたからね♪」
でも割れていたり傷んでいるのもけっこう入っているから、かごしまんまで選別の洗礼を受けるとだいたいプラマイゼロ。
いくら「割れていたり傷んでいたりするのはお客さんに発送できないですよ」と言っても彼らはいつもてげてげ。
毎回「よーけ入れといたけ!」。
でもこのてげてげに、日本の無農薬農業は救われているのだ。
マイペンライでケセラセラでなんくるないさーでてげてげ。
世界中にある同様な意味の言葉。
豪雨や台風にやられても、虫や菌にやられても、タヌキや猿にやられても。
マイペンライ。
ケセラセラ。
なんくるないさー。
てげてげ。
そのマインドでまたやっていける。
ビバ!無農薬栽培!
だけど『お届け』はそうはいかない。
今日もかごしまんまではギンギンに目を光らせて、てげてげに納品された無農薬栽培野菜を神経質に選別している。