2022年8月前半号

Aug 25. 2022 かごしまんまだより

【鹿児島豚の無塩せきハム・ベーコン・ウインナーが販売終了】
ものすごく悲しくて残念なお知らせです。
『鹿児島豚の無塩せきハム・ベーコン・ウインナー』が8月末時点の在庫限りで販売終了となりました。
理由は、メーカーの人材・経費等のコストや労務等の削減によるものです。
近年じわじわと消費税や送料や物価が上がりつつある中で、これらの売り上げも減少の一途でした。
大手企業が賞味期限の短い加工品を、かごしまんま向けにオリジナル商品として毎回少量製造して出荷し続けるのが困難なご時世になってしまいました。
もっと賞味期限が長いものなら代替をご用意できるのですが、それだと添加物だらけになってしまいます。
苦渋の判断ですが、やむなく販売終了となりました。ご不自由をおかけしますが、ご理解いただければ幸いです。

スーパー等でも最近特に、有機野菜や無添加食材は売れ残って安い商品が売れていく傾向が強くなってきました。
多くの人がコロナ禍で大打撃を受け続けているうえ、ガソリン代、電気代、水道代、レジ袋代、色々な商品やサービスの値上げが続き、生活を切り詰めていると思います。仕方がありません。
しかし『買物』は商品一つ一つに対してのいわば『投票』です。選ばれなくなった商品は世の中から消えていきます。
例えばコロナ前にはたくさん種類があった『九州産大豆の納豆』も、九州産大豆の高騰によりあっという間に消えました。
今では鹿児島のスーパーでも『九州産大豆の納豆』を探すのが困難です。みんな『国産大豆(北海道産)』や『外国産』の大豆になってしまいました。
高値でも、多くの消費者がその商品に『投票』すれば消えません。
コロナ禍で九州産大豆の納豆は急速に選ばれなくなってしまい、多くのメーカーが原料切り替えをしました。するとコロナ禍が明けても九州産大豆の販売先がなくなり、多くの生産者さんが大豆の生産をやめることを選びます。
今後は大豆生産者さんの廃業がますます加速していくと思われ、ますます九州産大豆は高騰し『投票』されなくなります。このままでは将来的には九州産大豆は消えていく運命にあるでしょう。
これは決して大豆だけに言えることではなく、他のあらゆる価値ある商品やサービスやお店が絶滅の危機にあります。
わかりやすい例ですと、小さな書店や靴屋・肉屋・魚屋・パン屋さんなどの個人商店。
国産の果物・小麦粉・食用油・衣類・金物や竹細工などの昔ながらの良いものも、全て外国製の安価なプラスチック製品に置き換わっています。というよりも、あらゆる生活用品を100円ショップで揃えるライフスタイルになってきています。
豊かな時代が去るとともに、人々は衣類をユニクロで家具をニトリやイケアで買うようになりました。
DCブランドが撤退し続けてデパートや百貨店すら消えていきました。街からは洋品店や家具屋が消え、商店街は閉店が続いてシャッター街になってしまいました。
このままでは近い将来日本は、大手産業の安価な商品やサービスだらけの国になってしまうでしょう。
私たち消費者が安いものを選ぶという判断基準だけではなく、良いと思うものにも『投票』できるような、豊かな世の中にまた戻ることを心から願います。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江