2023年3月前半号

Mar 23. 2023 かごしまんまだより

【『普通の卵』の販売休止】
全国で猛威をふるう鳥インフルエンザ。鹿屋市でも発生してしまいました。
ひとたび発生してしまうと、その養鶏場だけではなく周囲数kmの範囲の養鶏場全ての鶏が殺処分になる、鳥インフルエンザ。地元の産直市場の卵売り場の棚が空っぽになってしまいました。
朝養鶏場で採った卵をその日のうちに店頭に出す、畜産王国ならではの人気商品『朝採れ卵』が全く入荷されない日々が続き、店内も閑散としてしまいました。日本中が物価高にあえぐ中で、安くて新鮮で美味しい卵は大人気で、産直市場の目玉商品でした。
鹿児島・宮崎から赤玉を産む鶏が激減し、かごしまんまの卵も『さくらたまご』へ品種変更になりました。
また鳥インフルエンザが全国で発生している影響で全国的に卵が品薄になり、市場変動価格で動く『普通の卵』の仕入価格が、定額仕入の『ごちそう卵』より高くなる日も出てきました。
今後は春になり暖かくなると鳥インフルエンザも落ち着いてくるとのこと、全国的な卵不足は解消されると言われています。
しかしながら鳥インフルエンザの発生は生産者にとって大打撃。これがきっかけで廃業される養鶏場もあります。
加えてウクライナの戦争や円高の影響による、飼料高騰が生産者さんを苦しめ続けています。
卵や牛乳・乳製品は流通の仕組み上、生産者の希望するようには値上げができにくい商品。
そのため酪農家や養鶏業者の廃業が相次いでいます。
廃業数が増加すれば、供給数が減って値上がりしていくことが容易に予想されます。このまま国が何も対策をしなければ、将来的に卵や牛乳・乳製品の多くが輸入品になる可能性も否定できません。
これまで『物価の優等生』と言われるほど値上がりがあまりなかった卵と牛乳ですが、近いうちに値上がりするという情報もあります。
やむなく『普通の卵』の販売をしばらく休止することにしました。卵の市場価格が安定し始めたら再開いたします。
ご理解のほど、どうぞよろしくお願いします。

【コオロギ?!】
畜産に代わる地球に優しいタンパク質源として、にわかに注目を浴び始めた食用コオロギ。
「かごしまんまさんは今後、どのようにお考えでしょうか」というご質問を数件いただいております。
いや私、イナゴの佃煮さえも食べられません。コオロギは拒否反応起こしています。
食材のほとんどをかごしまんまに頼る私としては、原材料にコオロギが入る商品を取り扱いたくありません。
各商品には、メーカーが作成した商品規格書というのがあります。そこには栄養成分表示をはじめとした商品の詳しい内容が載っています。原材料も詳しく載っていて、メーカーによって表記に違いはありますが2次原料3次原料まで載っています。ここを必ずチェックしてかごしまんま基準に適合したものを商品化しています。
世界の流れや国の法律などが変わらない限り、コオロギがたとえ九州産であっても原材料にあれば商品化しません。
国は食用コオロギを盛り上げるよりも先に、まず畜産業界を直接救済して欲しいと切に願います。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江