2023年4月前半号

Apr 10. 2023 かごしまんまだより

【にんにく塩・にんにく塩胡椒 終売のお知らせ】
愛用している人が多い『にんにく塩』と『にんにく塩胡椒』。非常に残念ですが、生産者さんが「いったんこの商品やめます」と決断しました。弊社での販売も現在の在庫限りとなります。本当にすみません。私も愛用していたのでショックです。

どうしてやめることになったのか、その理由を知ると日本の縮図を見るようでした。
理由その1 商品の容器代が高騰し、かつ1回の仕入れロット数を大幅に上げられてしまった。
理由その2 4月1日から商品原材料の表示法が変わるが、それに対応したラベルを作り直すことが厳しい。
理由その3 高付加価値商品が毎年どんどん売れなくなってきている。

段ボールやプラスチック等、あらゆる資材が去年あたりから大幅に値上がりしました。
頑丈な段ボールが自慢だったかごしまんまも、泣く泣く薄い段ボールにダウンしてコスト維持をはかりました。
しかし容器の良い代替品がなく、かつコロナ禍に次いであらゆる値上げの波にのまれて売り上げが下がる中での仕入れロット数の増加やラベルの作り直しは、小さい経営にはとても負担がかかるものです。
容器やラベルを作り替えるコスト、ハイリスクな値上げよりは、やむなく休止する、という判断をせざるを得ませんでした。

4月から変わる原材料表示法は、おそらく消費者に『遺伝子組み換え原料が入っているか否か』をよりわかりにくくさせるためでしょう。
ざっと概要をご説明しますと、農作物はいくら自分の田畑が安全な作物をつくっていても、意図せず風や虫や鳥などによって近隣の田畑から遺伝子組み換え作物の種子が飛んで混入しちゃいますよね〜、あと輸送中も専用コンテナに詰めてから輸送して製造者の下で初めて開封したものでないと『遺伝子組み換えでない』とは書けない法律にしちゃいますね〜
できないなら4月1日からつくるものは『分別生産流通管理済み』の表示に変更しなさいよ~、ということになったんです。。
こんなくだらないことのために、コスト高と不景気にあえぐ生産者に追い打ちをかけて『ラベルを変えろ』と国は迫ります。
4月1日時点で在庫としてあるものは販売してOKということになっておりますが、SDGsを意識してでしょうか。
なぜか大豆ととうもろこしだけ、『意図せざる混入率の定め』があります。
そしてなぜか醤油と植物油だけ、原材料の遺伝子組み換えに対する表示義務は昔からありません。消費者庁の説明によると“しょうゆや植物油などは、最新の技術によっても組換えDNA等が検出できないため”(原文のまま)だそうです。
さらにこれもなぜだか不思議ですが、醤油の主な原材料が大豆で、植物油の主な原材料がとうもろこしだったりするんです。いやあ、ホントなぜか合致するなあ。どちらもアメリカが一大生産地だなあ。不思議だなあ。

今、日本中でこのように商品が消えていく現実がひっそりと、しかしながら急激にたくさん起こっています。
生き残るのは大企業とその大量生産で低価格な商品ばかり。
我々消費者にとって、安心安全を守るために必要な選択肢と判断材料が急激に失われつつあります。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江