2021年2月前半版

Feb 2. 2021 かごしまんまだより

【おうち時間を楽しむ】
コロナによるおうち中心生活も早1年ですね。去年の今頃はマスクや消毒液やハンドソープ等がどこの店頭にもなくて、精神的に厳しい時期でしたね。
我が家では、どこにも行けない子供達がよく庭にテントを張ってそこで宿題したりご飯を食べたりしていました。
私もおうち生活を充実させようと、衣装ケースを買って衣類の整理整頓をしたり、断捨離をしたり、オーディオやスピーカーを新調したり、DIYで棚やフックを取り付けて観葉植物や飾り物を買ったりしました。
よかったなあと思ったのは、観葉植物です。我が家は狭いので、壁に飾るタイプのつる性植物のフィラデンドロンや着床植物のコウモリランが大活躍でした。壁や天井から吊るすだけで、家の中が癒される空間になりました。
多肉植物や塊根植物も小さなスペースに置けるので便利です。植木鉢もこだわると楽しいです。
それとコーヒーの淹れ方がプロ並みになってきたと自負してます(笑)。
美味しいスペシャリティコーヒーを淹れてくれるカフェが近所にあって、そこに通ううちに色々教えて頂きました。
スペシャリティコーヒーとは、生産されている土地、生産している人、収穫後の生産処理方法、生産処理をする人、買い付けから流通ルート、焙煎方法、淹れ方など基本的に全て消費者に開示されているコーヒーのことです。
かごしまんまスピリッツに合っているコーヒーですね。産地を気にする者としてはめちゃめちゃ安心です(笑)。
いやあコーヒーの世界も深いです。スペシャリティの世界に足を踏み入れると、収穫後の生産処理方法や焙煎方法、抽出するお湯の温度や時間によって全然違うものになって、1杯1杯真剣勝負なのでとても面白いです。
これを知る前はモカやキリマンジャロをよく飲んでいましたが、スペシャリティコーヒーを知ってからは浅煎りで酸味と香りが強くてナチュラル発酵系のエチオピアやボリビアやゲイシャなんかが好みになりました。
洗濯や食器洗いにもいっそうこだわるようになりました。
あまり人に接触しなくなったせいか、色々な香料がいっそう気になるようになりました。合成洗剤などの人工的な香りがどうしてもダメになりました。
そこで食器洗いは、自己責任で洗濯用として販売されている『粉せっけん』を大さじ3杯、計量カップに入れてお湯500mlに溶かして使うようになりました。粉せっけんは高級台所せっけん洗剤よりもずっと安価ですし、少量のお湯で溶かすとトロントロンせっけんになって、濃く使えば頑固な油汚れもあっさりすぐに落とせます。手荒れもかなり軽減されます(※食器洗い用粉せっけんは市販されていないので、自己責任で洗濯用粉せっけんを使っています)。
洗濯は、アルカリウォッシュ(通称セスキ)と酸素系漂白剤でまず洗濯機を回してから、脱水後にもう1度クエン酸を小スプーンで3杯入れてすすいで脱水しています。そうするとアルカリ性の汚れも酸性の汚れもどっちも落とすので、臭いや香りがすっきり消えてくれます。手間はかかりますが、ニオイがしないのでとても気に入っています。
換気扇やコンロまわり、ドアノブなど家中の汚れはアルカリウォッシュでシュシュッと落として、それでも落ちない汚れはクエン酸水でシュシュッとすると落ちます。これは、汚れは酸性とアルカリ性に分かれるのでそれによって使い分けるとよく落ちるからです。洗濯や掃除は化学ですね。
コロナによって外出が不自由になりましたが、その分おうち時間を楽しめるようになった1年間でした。
皆さんはおうち時間、どう楽しんできましたか?
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年1月後半版

Jan 19. 2021 かごしまんまだより

【寒すぎて葉物が成長できず】
おババ農園のパセリ、おババが張り切ってたくさん植えこんだのにもう販売終了になってしまいました。
(おババ農園・・・私の母がかごしまんま敷地内でやっている畑のこと。かごしまんまから出る野菜屑でたい肥を作り、無農薬・無化学肥料でやっています。)
パセリがぜんぜん大きく伸びてくれないんです。まるでヨモギやたんぽぽの葉のように地面に添って伸びるだけ。
本当にこれはパセリなんだろうか・・・と思うほどです。本来は1株からたくさん葉っぱが収穫できるのに、全然成長してくれないので根っこごと何株も収穫せねばならず、あっという間に終了となってしまったのでした。パセリを根っこごと収穫するなんて私も初めてです。
今年はほうれん草も小松菜も深ネギも大根もみんな小さいままです。例年の今頃ならいつもお化けサイズなのに、どうしてなのでしょう。
平岡農園さんによると、これは今年の冬が寒すぎるからだそうです。気温が低すぎると冬野菜もあまり成長しないのだそう。いやあ、それほど今年の冬は寒いのですね。お正月は鹿児島でも霧島などの山の方では降雪がありました。ここ鹿屋市は雪こそ降っていませんが連日かなり寒かったです。
鹿屋といえば特産の落花生も今季は不作でした。
原因は災害級だった7月の豪雨。鹿屋の市街地が水没したというニュースが全国に流れましたね。
落花生は土の中の作物なので雨にとても弱く、あの豪雨で多くが腐ってしまったとのことでした。
去年は梅も『裏作』と呼ばれる年に当たり、不作でした。『裏作』とは豊作の次の年に起こることが多い『なぜか不作』のことで、全国的に同じようなリズムで起こる現象で収穫量が極端に少ない年のことです。
なので落花生商品や梅干しは今年の夏か秋位まで品薄が続きます。すみません。
不作と言えば、近年ずっと九州の大豆が不作です。それで2倍の値がついてしまい、多くの豆腐・納豆メーカーが九州産大豆から「国産大豆」に切りかえていってます。その多くは北海道産だそうです。
不作が続くとメーカーはじわりじわりと原料調達を切り替えていきます。一度切り替えた原料はなかなか元に戻りません。新たな取引先をまたスパッと無情に切ったりできないからです。すると旧原料の生産者さんたちは売り先を失い、高齢化の波もあってポツリポツリと農業をやめていきます。そして大きな資本と広大な土地があって機械化できる大規模な生産者さんだけが残っていきます。大規模な生産者さんは均一な品質とコストを優先します。タネや農薬や化学肥料の危険性はあまり考えません。また多くの消費者も安さ重視の食料選びなので、日本各地から小さな生産者さんがどんどん消えていっていることに気がつきません。今の日本は野菜や食材だけでなく多くの分野で同じ現象が起こっています。良いものがひっそりひっそりと消えていってしまうのは非常に悲しいですね。
寒過ぎて葉物野菜が育たないというお話から、ずいぶん話題が飛んでしまいました。
小さな生産者さんを守るために、市場では値がつかない規格外野菜も、品質に問題がなければかごしまんまでは積極的に通常価格で買い取っています。今回の葉物野菜も、市場では規格外サイズですが、品質には全く問題ございません。むしろ自然の寒さに耐えるために糖分などのミネラルをたくさんつくり出していたりして美味しかったりもします(寒さに耐えて固くなることもありますが)。どうぞ自然のままのワイルドな野菜を楽しんでくださいネ。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年1月前半版

Jan 8. 2021 かごしまんまだより

【新年おめでとうございます 今年もよろしくお願い申し上げます】
これを書こうとしたところ、新規感染者数がついに2000人を超えたというニュースを目にしました。
全国各地で自宅で亡くなる感染者が増え続けているという現実もあわせて、いよいよ来てしまった・・・と暗い気持ちになりました。
Withコロナで経済を回しGoToで旅行業界や飲食店を支えよう、という考えは幻想でした。今、旅行・飲食業界を救えるのは経済ではありません。国民のお財布という不安定でアテにならないもので支えるのではなく、自粛要請をした国や地方自治体がきっちり補償すべきです。『主に社会保障のために』上げられた私達国民からの消費税をまともに使って活躍させるときです。既にコロナ禍の影響で消費税(付加価値税)減税に踏み切った国・地域は50にのぼっています。まだ終息せず多くの国民が困窮しているのに、GoToでお金持ちに何度も得をさせる形で経済をまわす発想をしていた日本。経済が回復する前に社会基盤(特に医療や雇用)が危険水域になってしまいました。
ワクチンや特効薬ができてからwithコロナという言葉が出るならわかりますが、感染症の歴史の中で『withウイルス』なんて発想は聞いたことがありません(戦った結果としてwithウイルスになった例は多数あります)。
基本は汚染区域と清潔区域を分ける、汚染集団全てを隔離する、流行地域への立ち入り禁止、動物であれば1個体でも感染した集団は全て殺処分する(例:鳥インフルエンザ等)、そういう対策をとるのが感染症です。WithコロナでGoToすれば感染爆発することは容易に予想できたはずなのに、どうして政権の暴走を止められなかったのでしょう。
医療や介護は崩壊してもいいのでしょうか。どこぞの大臣は「日本人は民度が高いから感染が抑えられている」と仰いましたが本当に低い民度です(そもそもこの民度という言葉で人間に優劣をつける発想自体どうかしています)。
そういう背景が、今回の緊急事態宣言を非常に弱々しい内容にしてしまったのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、感染症対策の基本は感染者の洗い出しと隔離とゾーニングです。時短営業ではありません。人数を少なくすれば会食をしていいというルールもありえません。人の移動や接触を極力させないのが基本です。
症状のあるなしに関わらずその地域のできるだけ全員の頻繁な検査による徹底的な感染者発見と、昼も夜も関係なく極力移動しないことが最大の予防と制圧作戦になるのです。
多くの医療関係者が予測するように、こんな緊急事態宣言では効果はあまり期待できないでしょう。
・・・て新年早々、怒り心頭になってしまいました。
こんな状況ですが、2021年。新しい年がはじまりました。今年もよろしくお願い申し上げます。
新たな気持ちで、また立ち上がってまいりましょう。特効薬もワクチンもない状況ではまず免疫力を上げること。
免疫力を上げるには、一番に睡眠、そして旬の野菜や食材中心の食事を心がけること。
どんなに近代化が進んでも私達人間は自然界の一部であり、季節と共に身体が変化していきます。
季節をなくした野菜や食材やサプリよりもずっと、四季折々の恵みは全ての生命にとってその時期に必要なもの欠かせないものを与えてくれます。『旬』は、免疫力において最も重要なファクターです。
そしてこれも何度でも言います。明けない夜はありません。止まない雨もありません。
世界中のすべての人々が、コロナ禍からの夜明けを信じて頑張っています。
さあ、とびっきり美味しいおうちごはんを楽しんで、あとひと踏ん張りふた踏ん張りとやってまいりましょう♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2020年12月後半版

Dec 15. 2020 かごしまんまだより

【もやし販売終了の舞台裏】
皆さんから悲鳴が上がっている『もやし終了のお知らせ』ですが、本当に申し訳なく思います、すみません。
「やはり傷みやすく日持ちがしないからね~」というお声が多いのですが、そうではないんです涙。
呪われているのか、もやしに関してここ数年間ずーっと色々なトラブルが起きていたんです。
さあ、その数々ご紹介しましょう!・・・おっと、その前にもやしについてアウトラインを。
もやしは傷みやすく鮮度が勝負なので、出荷日の朝にメーカーのもやし工場から直送されてきます。その距離は軽く100km。トラブルが起こって再納品は間にあいません。幸いこのメーカーは地元スーパーの関連会社なので、ここ鹿屋市にもそのスーパーがあり、もやしも店頭にあります。なのでトラブルが発生すると、山下がこのスーパーに駆け込んで大量のもやしを買っていました。
改めて実際に起こったトラブルをご紹介しましょう。
・メーカーが納品数を間違える
・発注内容とモノが違う
・メーカーが納品をすっかり忘れている
・配送業者が納入を忘れる
・配送業者が配送中に荷物を全てひっくり返してしまい、さあ大変!なことになっている
・配送中の冷気があたり過ぎて一部凍結している
・・・枚挙にいとまがありません。しかもこのメーカー・スーパー共に笑っちゃうほど非協力的。スーパー店頭にあるとはいえ、メーカーがスーパーに事情を話してもやしを確保してくれることはありません。こちらが直接スーパーに事情を話しても「そんなに買い占められたら困る!」と逆に怒られることもあります。
11月に入り凍結事故が続き、困ってメーカーに「凍結防止にエアパッキンを箱の下部に敷くとか工夫できませんかね?」と聞くと「いやうちは送るだけなんで。そういうことはしません」と仰いまして、とうとう心が折れました。
加えてここ最近はコロナ禍による物流激増で、特に年末は荷物が集中するので遅延の恐れもあります。
おもいきってもやし類をやめることにしました。物流が落ち着いた頃にまたもやし類の取り扱いを検討しますね。

【今年もありがとうございました】
今年は本当に色々あって色々なくなっていった1年でしたね。世界中をあっという間に覆ってしまったコロナ禍は、あらゆる国の政府のリーダーシップや制度や補償の違いを露呈させました。各国が猛烈なコロナ禍という平等な条件下で、日本の政治的体質や民族性の欠点がむき出しになってよくわかった年でもありました。
「ウイルスは人を介してしか移動しない」のがわかっているから各国が再ロックダウンに踏み切る中、withコロナでGoToしてしまった日本。海外から見たらクレイジーでしかありません。結局、我慢の年末年始になりました。
でも明けない夜はありません。止まない雨もありません。大丈夫。世界中のすべての人々が、コロナ禍からの夜明けを信じて頑張っています。
さあ、とびっきり美味しいおうちごはんを楽しんで、あとひと踏ん張りやってまいりましょう♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。
今年も本当に、本当にありがとうございました。                   

Edit by 山下 理江

平成30年10月30日

Oct 29. 2018 かごしまんまだより

【野菜状況】
台風24号通過時に収穫期を迎えていたかごしまんま周辺の野菜は、ほぼ全て暴風雨によってめちゃめちゃになってしまいました。
しかし小さかったり芽が出たばかりだったりでなんとか暴風雨に耐えて生き延びた地場産野菜たちが、ようやく収穫期を迎え始めました。
今週もキャベツや大根や小松菜が入りましたね♪ホッとしています。
平岡農園さんの大根やニンジン、上村農園さんの小松菜や山東菜がこれから順次収穫できそうです。
来週か再来週あたりには葉っぱ付きニンジンがセットに入ります。
大根もニンジンも、市場規格サイズになる頃には葉や茎は固くてイガイガして美味しくなくなってしまいます。
『葉っぱ付き』は本体が小さいとき限定のごちそうです。葉っぱのふりかけや菜めしがおススメです。
栄養もたくさんで柔らかくて美味しいのに、市場にはあまり流通しない、いわゆる農家めしです。
この時期ならではの農家めしをどうぞ楽しんでくださいネ。
平岡農園さんのパパイヤの木は、実は落ちなかったのですが葉っぱが全て落ちてしまい、光合成ができないためか実が大きくなってくれないそうです。
先日、鹿屋体育大学そばの『鹿屋アスリート食堂』でランチしました。平岡さんのパパイヤを使った筑前煮が美味しかったです。
パパイヤは酵素があるので肉類と炒めたり煮込んだりするととても肉類が柔らかく美味しくなるんですよ~。
井之上ファームさんは、レタスとかぼちゃを育てていましたが全滅しました。
レタスは風に弱くて全滅し、かぼちゃは豪雨で水没して腐ってしまったそうです。今は来年に向けてタマネギを植付けしています。
吉田自然農園さんでは菊芋が取れ始めました。まだ量が少なく、セットに入れられるかどうか微妙なところです。
小豆農家の柿本さんところの小豆も無事だったようです。収穫はこれから、とのこと。
小豆を商品UPできるのは11月末か12月になりそうです。毎年大人気で、すぐ売り切れになってしまう小豆。今年もどうぞ楽しみにしていてくださいネ。
あっという間に今年もなんだか年末に向かってのカウントダウンが始まる時期に入りましたね。
冬に向かって急激に気温が下がりがちなこの時期。私はひどい咳喘息になってしまいました(涙)。
お電話をおかけしたお客さんには申し訳ないほど咳しています。すみません!
毎日、レンコンをおろしてみぞれ状にして味噌汁に入れて飲むように食べています。レンコンは昔から喉にいいと言われ、漢方薬としても使われるとか。
皆さん体調は大丈夫ですか。どうぞかごしまんま食材と旬の野菜をたくさん食べて元気にお過ごしください。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成30年10月23日

Oct 22. 2018 かごしまんまだより

【個性が消えつつある地方都市】
今年の6月末に吉開のかまぼこさんが廃業されました。スケトウダラやリン酸塩・合成添加物・化学調味料を一切使わず、昔ながらの製法でかまぼこやちくわを手作りされていました。128年も歴史を持つ老舗のかまぼこ屋さんでしたが、技術者(社長)の高齢化と後継者不足が原因でした。
その後、おせちに入れるOKかまぼこをずーっと探していましたがなかなかうまくいきません。
探しているのは、九州産(高知、土佐)、スケトウダラ不使用、無リン、無添加、無化学調味料のもの。
高知・土佐あたりまで広げましたが、なかなか全ての条件を満たすかまぼこがありません。無添加でもスケトウダラを使っていることがほとんどだったり。地魚や南ダラを使っていても無添加ではなかったり。
年末までのかまぼこの商品化はかなり難しいと思われます。すみません・・・。
ここ10年くらいの間に急速に昔ながらの製造方法や技術でモノ作りする生産者さんや個人経営・中小企業が急速に消えていくのを感じます。コロッケを揚げてくれるような精肉店、料理方法や味を教えてくれるような鮮魚店、旬や良し悪しを教えてくれる八百屋さん、襖や障子も張り替える畳屋さん、洋品店、本屋、文房具屋、駄菓子屋・・・。みんなシャッター商店街となって消えつつあります。
代わりに駐車場がたくさんある大型ショッピングモールや商業施設ができて、中に入っているのは全国展開のテナントばかり。どの地方に行っても、幹線道路沿いは全国展開の大手電器店や紳士服店・大型書店・ショッピングモール・ファミレス・回転ずし・・・こういうお店ばかり並んで同じ風景になっていっています。
わずかながら残る地元の個人商店をのぞいてみると、店内にぽつりぽつりといるのは高齢者ばかり。若者や若い家族はいません。若者がいるのは前述の全国展開大型店やショッピングモールです。
今年の初め、台湾の台北に行ってきました。若いときから何回か行っている都市ですが風景があまり変わりません。たしかに時代は進んで、携帯よりもスマホが主流になり、ファーストフードやチェーン店やコンビニは増えました。しかし老舗や個人商店も変わらずピチピチ活気があります。ファーストフードに入る若者もいれば、古くて小さい飲食店にも若者がたくさん入っていたり長時間並んでいたり働いていたりして活気があるのです。
台湾の人々は「新しくて便利で安いものも歓迎するけど、古くて待ち時間が長くて不便でも良いものならずっと大事にしたいよね」という感覚が自然に備わっているようでした。羨ましいな、と強く思いました。
「みんな、安くて賞味期限が長くて(化学調味料の)味が濃いちくわやかまぼこへ行っちゃうんだよね。仕事も同じ。こんな重労働で大変な仕事はもう誰も来ないんだよね。」と寂しそうに語っていた吉開さんのお言葉を思い出します。
同じアジアなのに、同じような近代化の都市なのに、この違いは何でしょうか。
法人税や所得税や消費税かな?テナント料や土地建物の価格の差かしら?生活習慣やスタイルの違い?
答えはそう簡単には出ませんが、このままでは日本のあらゆる都市や地方からは個性が消え、どこも同じ風景になって、人々の食べるものも着るものも家具も雑貨もみんな同じどこかの大手全国チェーンのお店の安いもの、となっていくような気がしてなりません。こだわりの野菜や食材も同じ運命でしょう・・・。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成30年10月16日

Oct 15. 2018 かごしまんまだより

【台風被害で全国的に野菜が厳しい状況です】
気温が下がり気候がよくなってくるこの時期。毎年色々な野菜が店頭に並び始めますが、今年は多くの野菜や果物が台風24号25号の被害を受けて寂しい雰囲気が漂っています。
地元の直売所や道の駅に行ってもあるのは、里芋、さつま芋、ごぼう、みかん、かぼす、辺塚だいだい、そして少量の新米のみ。キャベツや小松菜やほうれん草・レタス・ピーマン・キュウリ等の主要野菜の姿がありません。
スーパーに行っても、それら主要野菜は高値だったり九州産ではなかったり。
(もちろんニンジン・玉ねぎ・深ネギ・ブロッコリーなどは旬ではないので九州産は皆無です)
野菜売り場で買い物をしている人のかごの中を見ると、多くの皆さんがもやしやえのき等の屋内栽培野菜を入れています。果物も全体的に高値です。
これは、今年の台風や洪水が野菜や果物の生産地の多くを襲ったことによります。
小松菜などの比較的栽培期間が短い野菜でも、植付けから収穫までには最低1か月程度はかかりますので、11月中旬位までは全国的にこういう状況が続くと予想されています。
かごしまんまも契約生産者さんのほとんどが台風被害に遭っている状況です。
申し訳ない思いでいっぱいですが、野菜セットには屋内野菜や遠方野菜や市場仕入れ野菜が入る時期が続きます。なるべくキャベツや小松菜・キュウリなどの一般的に使いやすい野菜を入れるように頑張りますが、多くの野菜が高値なので通常よりも1品少ないこともございます。どうぞご理解のほどお願い申し上げます。
再来週あたりからは平岡農園さんの葉っぱ付き大根もセットに入る予定です。
11月には井之上ファームさんのレタスやカボチャもできるそうです。楽しみに待ちましょう!

【商談会参加の報告】
2週続けて福岡と小倉の商談会に行ってきました。
『商談会』とは、生産者やメーカーが各ブースを作って商品を展示し、バイヤー(小売業者・かごしまんまの私もバイヤーです)が各ブースをまわって商品や資料を直接手に取ったり説明を聞けたり商談ができる場です。
商品について詳しく聞けたり、九州食材系の商談会に参加すると掘り出し物に出会えるチャンスだったりします。
しかしいつも思うのは「国産だから安心」という風潮が強いこと。「国産のどこですか?」と詳しく聞こうとすると答えられないブースが多いです。怪訝な顔をされてしまったり、逆に「どうして詳しく聞くのか」と質問されたりします。世間一般とのパラレルワールドを感じる一日でもあります。映画マトリックスの世界ですね・・・。
今回は、九州米100%のパン粉、九州産大麦100%のビール、九州産大豆のマヨ風ドレッシングなどの面白い商品に出会えました。これから原材料詳細や取引条件などをきいて商品化を検討していきます。
かごしまんま基準に照らし合わせると、商談会で100~300くらいの商品に出会っても、最終的にかごしまんまで商品化するのはわずか1%程度。遠い道のりです・・・・。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成30年10月10日

Oct 9. 2018 かごしまんまだより

【ブロッコリーを洗ったり茹でたりしたときに浮いてくるのは農薬ではない(キッパリ)】
SNS上で「ブロッコリーを水やお湯につけると油が浮いてくるが、これが農薬。」というような発言が流れてきました。「茎が超固いのは遺伝子組み換えだ」とも書かれていました。
SNSで怖いのは、こういう情報っぽいものが真偽の確認をされないまま人から人へ拡散されてしまうことです。
まず遺伝子組み換え作物は、日本ではまだ研究施設の中での実験栽培や決められた圃場での試験栽培でしか認められておりません。
仮に、既に日本で遺伝子組み換え種子がひっそり流通して作付けされているとしても「茎が固いのは遺伝子組み換えである」と断定はできません。収穫終期には多くの野菜がとう立ち(蕾を形成して固くなること)に向けて固くなるからです。
またブロッコリーを茹でて浮いてくる油分は、農薬ではありません!
種を自家採種して無農薬栽培した人のブロッコリーからも、おババ(私の母)農園の自然栽培のものからも、平岡農園さんの無農薬栽培からも、ブロッコリーは茹でると油分が浮いてきます。
ブロッコリーはアブラナ科の野菜です。アブラナ科の野菜はろう成分を生成し冬の乾燥や低温・日差し・病原菌などから自分を守っています。これをワックスブルームと言います。特にブロッコリーやキャベツはワックスブルームがよく出ます。油が採れる菜種もこのアブラナ科です。名前からもいかにも油が出そうな科ですね。
ブロッコリーを水に浸したり茹でたりすると浮いてくる油分の正体は、このワックスブルームです。植物が自分で生成したもので、危険性はありませんし農薬成分でもありません。
ところで野菜専用洗剤やマルチ系商材の宣伝文句に「農薬が浮かび上がって洗い落とせる」というのがあります。
減農薬に気を遣う多くの野菜生産者さんは収穫の2週間前までには農薬散布は止めます。農薬の摂取は人体に影響があるからです。また業界・行政からも農薬は最低でも収穫の24時間前までに散布するよう指導があります。
例えば私たちが24時間前に身体に塗布した化粧水を洗い流せるでしょうか?大半が皮膚に吸収されている、と考える方が自然です。野菜も同じです。大半が野菜自体に吸収されてしまっているのです。
農薬が都合よく野菜の表面だけについていて、しかも洗い落とせる魔法はありません。農薬は一度散布されたら野菜自体に染み込んでいき、洗ったり茹でたりしたくらいでは全て落とせません。
なるべく農薬を使わない生産者さんから野菜を摂取する方が合理的です。キャベツなどの無農薬栽培が難しい野菜は、外葉をちょっと剥いて捨ててから調理するのも効果的です。
人間以外の動物を見ても、昔の人の生活を考えても、野菜は水洗いで十分。
泥や虫がないきれいな野菜やカット野菜(←保健所の指導により必ず次亜塩素酸ナトリウム等で消毒されています)ばかり摂取して無菌状態に近い身体でいるよりも、無・減農薬栽培の泥付き虫の穴付きの皮ごとまるごと野菜を食べている方が、強くて抵抗力のある健康な身体を維持できるということは明白ですね。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成30年10月5日

Oct 4. 2018 かごしまんまだより

【台風24号で葉物野菜が壊滅状態に】
台風24号はすごい暴風でしたね。皆様のお住まいの地域は大丈夫でしたでしょうか。
鹿児島も多くの地域で停電や倒木などの被害がありました。特に野菜の多くが被害を受けました。
大きな台風が来ますと生産者さんはビニールハウスのビニールをはがすので、ハウス内の野菜は風雨にさらされて壊滅状態になります。ぐるめ畑さんと上村農園さんのハウス栽培野菜がほぼ全てダメになりました。
サンフィールズさんのオクラやキュウリも被害を受けて収穫終了となりました。
2日火曜日のセットに入っているのは、全て土曜日収穫のものです(台風通過前に収穫)。
また、今回の台風被害により全国的に野菜が不足し高騰すると思われます。
ハウス栽培野菜が復活する11月下旬位までは、天候に左右されない九州産水耕栽培物(サラダ菜・リーフレタス類・みつば・かいわれ・ブロッコリースプラウト等)や根菜類が野菜セットに入りますことをご理解くださいますようお願い申し上げます。
小さくてキズやシミだらけの野菜が多いですが、自然のリズムと共生している減農薬野菜の特徴としてご理解頂ければ幸いです。

【身体がヨロコブ秋野菜】
台風が去って気温がグッとまた下がりましたね。かごしまんまに来る猫ちゃんたちの食欲もすごいことになっています。私たちの身体も秋冬へ向けてシフトチェンジ中。急激な気温差にのどや鼻が対応しきれなくなっていたり、体温が上がらずに風邪をひいてしまったりする時期でもあります。
こんな時期には昔から気管支に良いとされているレンコンや身体を温める芋類を積極的に摂取して、内側から『秋の到来』を自分の身体にお知らせしましょう。体調が季節に順応しやすくなりますよ。旬ってすごいですね
簡単な調理で十分。なかでも『さつま芋ごはん』は簡単なのに毎日作ってもなぜか家族に喜ばれるメニューです。
ぜひ作ってみてくださいネ。

レシピ『さつま芋ごはん』(2合分)
①さつま芋300g前後をよく洗い、皮付きのまま一口サイズにカットし、ボールに水を入れてさらしておく。
②米2合をいつものように研いでいつものように炊飯器や鍋に入れていつもの分量の水を入れる。
③さつま芋の水を切って、炊飯器(または鍋)の一番上に載せる(かき混ぜなくてよい)。
④黒酒(または酒みりん)大さじ2、塩小さじ1をふりかけ、ふたを閉めていつものように炊飯スタート。
⑤炊きあがったらかき混ぜて茶碗によそった後に黒ごまを散らして完成です。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

平成30年9月26日

Sep 25. 2018 かごしまんまだより

【かごしまんま脱脂粉乳から微量の放射能が出たことへの考察】
メルマガやツイッターでもお知らせしましたが、かごしまんま脱脂粉乳(現在は販売休止・鹿児島県・宮崎県産)からセシウム137が0.130Bq/kg検出されました(セ134は検出されず)。
新宿代々木測定所さんのゲルマニウム半導体検出器による20時間測定で、測定日は2018年8月24日です。
脱脂粉乳は牛乳を粉末状にさせた凝縮状態であることに加え、より低い検出限界値が出せる測定器を使ったことと、長い測定時間をかけて丁寧に計測したことが今回の検出につながったのだと思われます。
みなさんは、九州を含め全国における乳牛・肉牛農家の生産現場を見たことがありますでしょうか?
ハイジの世界のような広い草原で放牧飼育できるのは、日本では北海道の乳牛か熊本の赤牛。または数える程度の生産者さんだけ。あとは狭い運動場程度です。しかも草1本生えていない泥んこと糞尿まみれ。牛が原っぱで草をのどかに食べている風景はほとんどの生産現場では見られません。大半の牛の食事風景は、スタンチョン(頭部を固定する器具)に繋がれたまま目の前の配合飼料と粗飼料を食べるというものです。
家畜のエサ代は生産者にとって一番の経費で、年々値上がりしています。しかし牛乳の買取価格はほぼ値上がりしておらず、消費量の落ち込みや後継者不足もあり、廃業される生産者さんが急増しています。国土が狭く台風が多い日本では飼料用トウモロコシの生産者が北海道以外はほとんどなく、牛の生産者さんが自ら畑でつくる以外はほぼ海外産の安い配合飼料と稲から出る稲わら等の粗飼料に頼っているのが現状です。
そんな日本のトウモロコシの輸入はなんと世界一。国内消費量は約1,530万トンで、そのうちの75.8%が牛・豚・鶏など家畜用飼料、23.2%が加工食品等の材料、残りの1%コーンスナックなどの食品原料です。消費量の75%にあたる1,143万トンがアメリカ、20%がブラジルで、2国とも大半が遺伝子組み換えトウモロコシです。
ちなみに2014年の遺伝子組換え作物の米国での作付面積は、トウモロコシで全作付面積の93%、大豆で94%、綿では96%にのぼっています。(以上 http://chikusangenki.jp/column/column05-2/ 等より引用)
納豆やスナック菓子によく表示されている『北米産(遺伝子組み換えでない)』はいかに風前の灯火の作物であるということがわかる数字ですね。(今アメリカはこのGM有無表示の除去を日本に迫ってきているとか。)
話がだいぶ脱線しました、すみません。
今年も新宿代々木測定所さんで全国の牛乳が集められ、検査されます。かごしまんまの脱脂粉乳とデーリィ牛乳と種子島牛乳の3品も提供し、検査に参加することになりました。結果はまたお知らせしますね。
ところで原発周辺の住民には乳がんが多い傾向がある、という統計が世界中で出ています。
私たちの身体は細胞分裂時に放射能からのダメージに弱いので、細胞分裂が盛んな臓器や組織ほど、放射線感受性が高いです(環境省HP  www.env.go.jp/chemi/rhm/…/201510mat1-01-81.pdf より)。
乳がんは年々増加傾向です。原発事故後は、私たち人間の乳からも放射性物質が検出されています。
乳房という臓器は放射線感受性が強いので、「もしかしたら放射性物質を集めやすくてそれで乳から検出されるのではないか」と思ったりもします。
原発事故だけではなく、過去の核実験、原発の通常運転、健康診断での被ばく等が原因に考えられますね。
さて、どう生き抜きましょうか。

Edit by 山下 理江